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ずっと前から消えたかった。
大好きで大切な貴方が死んでしまった時から、ずっと。
貴方は誰からも好かれる人だった。
私は誰にも気にかけて貰えない人だった。
そんな私と貴方が事故にあった。
誰もが貴方の無事を祈った。
だけど、そんな皆の期待とは裏腹に、貴方は死んでしまった。
皆、私が貴方を殺したと言う。
私が貴方を庇っていたら。
私があの時、一緒に遊びに行こうなんて誘いに乗らなければ。
私が、代わりに死ねたなら。
どれだけの人が喜んだだろう?
貴方は生きるべき人だった。
私は死ぬべき人だった。
そんな現実が嫌になって、桜が舞い散るあの季節。
私は学校の屋上から、
飛び降りた。
なのに。
死ぬべきだったのに。
死ねなかった。
皆、私を罵った。
あぁ、消えたかったのに。
飛び降りた代償にもう、私の足は使えなくなってしまった。
だけど命に別状はなくて。
本当に嫌だった。
苦しみと悲しみに苛まれながら、今日も私は生きている。
私が飛び降りたのはこの春。
目が覚めたのは丁度大雨の日だった。
それから1ヶ月。
もう初夏でとても暑い日が続く。
今日は週に一度の病院に行く日。
車椅子で人気の少ない病院までの道を進む。
暑かったから、途中で昔ながらの瓶のラムネを買った。
貴方が好きだったラムネ。
ゴクリと1口。
飲んだラムネは何だか少し涙の味がした。
皆様どうもこんにちは。 テキストより星桜です。 初回は少し悲しめの短編をひとつ。 こういうのも好きですよ、私は。 どちらかというとHappyENDが好きですが。 さてそれではこの辺りで。 ここまで読んでいただきありがとうございました😌