孤独な殺人鬼。

この家に来てからは外に出ていない。

少し怖かったから。

だけど、

もう逃げないって決めたから。

shaに会った時笑われないように、

記憶を取り戻したありのままの自分で。

普通ノープランで連れ出すか？？

心底呆れるけど,

何にも考えてなさそうなsnの様子は

この人らしいと思った。

この無愛想な返事が

俺にとっては精一杯の感謝だ。

前をよく見てなかった俺は

誰かにぶつかった。

ただ悪態をつかれただけ。

それだけ。

だけど俺は、

その一言が俺自身を否定されたみたいで

消えたくなった 。

あの人変じゃない？

ぶつかってあの態度、、

なんか、、

気持ち悪いねw

違う。

こんなの幻聴だ。

俺に対してじゃない。

こんなの被害妄想で

自己犠牲に酔ってるだけで

関係ない。

関係ないはずなのに

頭から離れない。

気付けば息を切らして走ってた。

フードを深く被って俯く。

誰にも見つからないように。

俺を気にする人なんていないのに。

なのに周りの視線が怖い。

居場所が何処にもないみたい。

自分だけが孤独で、

snのようにこの世界に馴染めない。

やっぱり外は怖い。

この世界からの疎外感が痛い。

元の俺はこんなふうに生きてたのかな。

こんな寂しさに耐えてたのかな。

そんなの、

正気だと思えない。

こんな誰も信用できないような世界で

生きてたんだね。

寂しい人だな ,

なんて他人事のように思った 。

それが他人事で済んだなら

どれほど良かっただろうか 。

今の俺には、

ただ泣くことしかできなかった 。

彼を見つけるのは苦労しなかった。

探せばすぐに泣いている彼を見つけた。

謝らなくていいのに。

なんか、様子が変？

誘拐...子供...脅し..てた

嗚呼。

全部、全部思い出した。

shaは俺を庇ったんだ。

俺なんかの為に。

俺の罪を全部背負って。

なのに俺は、

記憶を無くして

何ヶ月ものうのうと生きてた 。

shaのことも忘れて。

自分の罪も恩も何もかも全部忘れて。

最低だ。

クソ野郎だ。

shaは今も捕まっているのに。

ごめん。

忘れててごめん。

きっとshaは俺を見ても笑って許して くれる。

だけど、お願いだから

俺を許さないで。

いっそのこと恨んでくれ。

君の口から蔑んでくれ。

こんな形でお別れしてごめんなさい 。

巻き込みたく無かっただけだから。

どうか許して 。

俺は今すぐ

shaを助けなきゃいけないから。

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