空き教室
涙
好きな席に着け
そう言われ俺は迷わず 教卓の正面の席に着いた。
涙
で、何が知りたい?
祟
まず、あなたは何者なのかということです
涙
それは聞くまでもないだろう
涙
貴様の中でおおよその検討はついている筈だ
祟
はい...
祟
僕を狙っている敵は既に判明しています...
祟
問題は僕を監視している人物の存在だけです
涙
で?それが私だと?
祟
そう考えています
涙
なるほど、いい推理だが95%正解ってところだな
祟
てことは自分が監視役と認めるんですね...
涙
ああ、それに関しては認めよう
祟
六道さん、俺の行動を記録してどうするつもりなんですか?
涙
それに関してはまだ知る必要がない
祟
知る必要がないって...‼︎
涙
まあ、落ち着け。別に私は貴様のプライバシーには配慮しているつもりだ
涙
だから情報の流出などは絶対にな
祟
そんなことを聞いてるんじゃない‼︎
涙
お、ようやく怒ったか。私は貴様の“それ”が見たかったんだ
祟
...何だと?
涙
人間は怒りをあらわにする時、思っていたことを全て吐き出すだろう?
涙
私はそれがその人間の本性であると考えている
涙
だから貴様の怒りの感情は偽りのない本心だ
涙
なら私も本心で会話をしよう。だから貴様もその状態で会話をしろ
涙
話を戻すが貴様を監視している理由はいずれ明かすが、今は明かすことはできない。これはもう諦めてほしい
涙
それとは別に先程、私は95%正解と言ったのを覚えているか?
祟
ああ、残りの5%は何だ?
涙
それは
涙
涙
貴様を狙っている人物は“鬼怒川 薊ではない”ということだ
祟
...は?何言ってんだよ、そんな訳
涙
事実だ
祟
だって俺はアイツに2度も殺されかけたんだぞッ‼︎
祟
アイツ以外に考えられないだろ‼︎
涙
確かにこれまでの出来事を踏まえてみればそうだな
涙
だが貴様は肝心なことを忘れている
涙
以前、貴様は私に悪夢の話をしてきただろう?そのことを思い出してみろ
祟
あの時のことを...?
祟
真っ暗な空間に1人の男がいるんです
祟
男の名前はメアと言って鬼怒川さんの様子を報告しろと言ってくるんです
涙
前に貴様はメアという男が鬼怒川 薊について探っているようなことを言っていたな?
涙
もしあの女が貴様を狙っているとすれば、何故メアはそんなことを言ったのか?
祟
じゃあメアさんが俺を狙っているってことか?何のために?
涙
それは知らん
涙
まあ、あくまでもこれは私の考えだからな。信じたくないなら信じなくてもいいぞ
祟
いや、その話を思い出すと確かにメアさんが黒幕だっていう説が濃厚だ
祟
でもまだ少し不安なんだ
祟
もし...黒幕がメアさんじゃない、他の誰かだった時に俺はどうすればいいのかって...
涙
なら証拠を集めればいい話だろう
涙
あと“10日”もあるんだからな
祟
あと“10日”...?
涙
じゃあな、頑張れ鵠沼
すると彼女は静かに 教室を出ようとした。
祟
おい‼︎
俺は思わず彼女を呼び止めた。
涙
何だ?
祟
...お前は俺の敵なのか?それとも味方なのか?
涙
....
彼女は少し考え 軽く笑って答えた。
涙
“今の”貴様は信じられる
涙
だから私は貴様の味方だ
そして彼女は教室を後にし 俺も少し気持ちを落ち着かせて 家路を急いだ。