高校3年の話
帰り道凄く可愛い子が居た
乗る電車は同じみたいだ
その子は毎日、同じ電車
同じ席に座っていた
向かいで吊革に捕まりながら
卒業まで後何日かカウントする
卒業したらきっと会えなくなる
今、声をかけてみる
あ、降りちゃった
失敗した
寝坊した
もう学校今日はいいや
サボろ
そんなことを思いながら
まだ暖かい
いつものあの子の席で
眠りについた
最終地点
海か
漫画みたい
声が聞こえる、、
○
△
電車のかわい子ちゃんが居た
泣いている
俺は隣に座ることしかできなくて
△
少しして
隣で嗚咽を漏らしながら 泣いてるこの子の
小さな背中を撫でた
○
○
△
この子は泣きながら言った
△
○
○
△
△
△
△
たくさん話した
彼女は失恋したみたいだった
ほんとにたくさん話した
今は俺が失恋したみたいだよ
なんで、
世界から居なくなっちゃうかなぁ、
今日泣いているのは
彼女じゃなくて
俺なんだな
あの出会いの電車は
5年後
嫁に不幸を呼んだ
帰りの電車の席はもう
暖かさは残って居なかった
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