僕はあそこで意識を手放してしまったことを後悔した
リドルと沢山お話がしたかったのに
あの音を消さないといけないのに
リドルと会えるのは年に一回なのに
そして9歳の年
僕は母から衝撃的な事実を告げられた
ライム・ローズハート
どうやら僕は
男じゃなかったらしい
だが女でもなかった
ライム母
ライム母
ライム母
ライム母
僕は男性にあるべきものも 女性にあるべきものも 持ち合わせていなかった
妖精族に性別がない者が居るのは珍しくないが
人間や獣人族には珍しい体らしい
僕はこの体が当たり前だと思っていたのでとても驚いた
父や母が与えてくれる物が男物だったので
僕は自分が男だと思い込んでいた
だけど
本当は可愛いものは好きだし
ヒラヒラのスカートに憧れはあった
ライム母
ライム母
ライム母
ライム母
そして僕は知っていた
親達が男子校のナイトレイブンカレッジに通わせたいと思っていることを
そして何より
リドルもナイトレイブンカレッジに行くと言っていた
黒い馬車が迎えに来るらしいが
あの物知りなリドルのことだ
ナイトレイブンカレッジに行くことは簡単だろう
学園が一緒なら
リドルに寂しい思いをさせなくて済む
ライム・ローズハート
ライム・ローズハート
ライム母
ライム母
母からは安堵の音がした
そして僕は沢山勉強した
学校では常に成績上位をキープし続けた
年に1回しか会えない友達の為に
沢山努力をした
ライム・ローズハート
ライム・ローズハート
リドル・ローズハート
年々リドルからは悲しみの音、寂しい音が増えていった
10歳の年
ライム母
リドルは10歳でユニーク魔法を取得した
ライム母
母からの期待もあったし
リドルに追いつかないと同じ学校には到底通えない
僕はそう思い
1年遅れた11歳でユニーク魔法を取得した
そして16歳
黒い馬車が迎えに来た
ライム母
ライム母
母からはとびきり嬉しそうな音がした
ライム母
ライム母
ライム母
僕の予想通り
リドルと同じ学校に通うことになった
ライム・ローズハート
僕は久しぶりに泣いた
勿論嬉し泣きである
入学式
僕達は2人共 ハーツラビュル寮所属 になった
ライム・ローズハート
リドル・ローズハート
ライム・ローズハート
リドルはとても優秀な生徒だった
ルール違反は許さなかった
ハーツラビュル寮
リドルはハーツラビュル寮の寮長になった
僕も自分のことのように嬉しがった
ライム・ローズハート
ライム・ローズハート
リドル・ローズハート
だけどリドルからは寂しい音が消えなかった
リドルはとても優秀な寮長だったし
先生からも頼りにされていた
そして友達の僕もいた
なのに
リドルの寂しい音は無くなるどころかどんどん増えていった
僕は耳が痛かったけれど
リドルはもっと痛いんだ
リドルの寂しいを無くす作戦を沢山考え
実行することにした
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