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「あっ!この本面白いよね」

気がつくと君の顔が近くにあった

飛鳥

えっ?

驚いて声が裏返った僕

麻衣

ふふっ

君は少しおかしそうに笑った

麻衣

これって読むの何回目?

日に焼けて少しよれっとした本を指差して言った

飛鳥

数えたことないけど結構読んでる

麻衣

そっか

まるで褒められて喜んでいる少女のように笑う君

麻衣

読み終わったらでいいからその本貸してくれないかな?

麻衣

お願い!

飛鳥

いいよ

麻衣

お母さんが間違って売っちゃったんだよね…

麻衣

貰い物だったのに

飛鳥

貰い物?

麻衣

預かりものだったが正解かな

飛鳥

誰の?

麻衣

うーん

麻衣

名前は知らないんだけど

麻衣

遠くに引っ越さないといけなくなったらしくて代わりに返してほしいって言われたんだ

麻衣

私の初恋の人の本だからって

飛鳥

この本って世界に一冊しかない本だって知ってた?

麻衣

えっ?

飛鳥

実はこの本古本屋で買ったんだ

飛鳥

だからもしかしたらその人の本ってこれじゃないかな

麻衣

手紙…

麻衣

手紙が挟まってなかった?

飛鳥

これのこと?

麻衣

うん!

飛鳥

ふふっ

飛鳥

こんな偶然ってあるんだ

麻衣

そうだね

飛鳥

じゃあこの本は君が持っていないと

飛鳥

はいっ返すよ

麻衣

…ありがとう

涙を溜めながら君は思いついたように言った

麻衣

今日だけでいいから一緒に行こう!

聞けば彼女は毎日ある場所に通っているという

麻衣

今日は会える気がする

ドアを開けるとともに彼女は悲しそうな顔をした

麻衣

あぁ今日もいないのかな…

飛鳥

少し待ってみよう

麻衣

うん…

それから周りがガヤガヤとしているなか長い沈黙があった

カランカラン

扉が開く音がした

二人の男女

女の人は泣いているが幸せそうだった

彼女はとても驚いた顔をして二人の男女を見る

そんな彼女のもとに二人が来た

 

まさか約束を守ってくれてたなんて

 

ありがとう

女性は涙ぐんで言った

 

彼女が私が言っていた子なの

  

そっか

  

ありがとう

男性はきれいな顔立ちだが目が見えてないようだった

麻衣

こちらこそどういたしまして

麻衣

お二人が会うことができて私も嬉しいです

 

ふふっ

 

ありがとう

 

二人も幸せにね

そう言い残して二人は去っていった

麻衣

ふふっ幸せにだって

麻衣

私達のことそう見えたのかな?

飛鳥

どうだろうね

これは一冊の本がもたらした奇跡の物語

これを読んでくださった方々にも幸せが訪れますように

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コメント

2

ユーザー

巡り巡ってハッピーEND……いいね!!

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