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家にて

良い匂いにつられ、俺は階段を少しずつ降りる。パンの焼く匂いと・・・ほんのりガーリックの匂い・・・

俺は思わず、目を擦り、目を覚ませる。視界はまだ見えにくく、手探りで階段を降りる。下に降りる度、花唄も混じって聞こえて来る

其の花唄は、とても優しく、こごち良い・・・

らっだぁ

(…でも…俺以外に人って居たっけ……?)

らっだぁ

(…居た…気がする…)

リビングにて

らっだぁ

…ふわぁ……

リビングに入ると、香ばしい匂いが一段と上がる。キッチンを見ると、鈴木さんが料理をしていた

レウクラウド

あ!!おはよう、福田君!!

らっだぁ

…御早う…御座います…

鈴木さんは凄くニコニコしながら此方に来た

レウクラウド

はい、福田君の御飯!!

らっだぁ

へっ…?

レウクラウド

えっ…?食べないの?

らっだぁ

ぁ、いや…

俺は食卓に出された物を見る。トーストに、目玉焼き、そして・・・唐揚げ

らっだぁ

こんな…朝から贅沢な…

レウクラウド

いやいや、ちゃんと食べなきゃ。お昼まで持たないでしょ?

らっだぁ

は…はぁ…

レウクラウド

まぁ、兎に角座ろ!!

そう云って椅子に進められ、流されながらも座る。矢張り食卓の上にはキラキラとした物が多かった

レウクラウド

じゃあ、食べよっか!!

らっだぁ

ぁ、はい

『いただきます』

そう云って鈴木さんは御飯を食べ始めた。俺も食卓に有るトーストを一口、口に入れる ・・・美味しい・・・

らっだぁ

(味が…してる…)

らっだぁ

(此れが…他の人と食べる御飯…か)

俺はそんな事を思いながら、何時の間にか全てを食べ終えていた

食器を洗い、学校の準備を済ませて、俺は鈴木さんと一緒に学校に向かった

学校・校庭にて

レウクラウド

なんか、こうやって一緒に学校行くなんて初めてだね!!

らっだぁ

そうですね

レウクラウド

俺、一回だけでもやってみたかったんだ!!

らっだぁ

(そうだったんだ…)

俺は静かに鈴木さんを見つめる。鈴木さんは気付いてないみたいで、安堵する

らっだぁ

(…鈴木さんはなんで、俺と一緒に行動するんだろう……家に誘ったのは俺だけど…)

らっだぁ

(後…なんで鈴木さんは『らっだぁ』を知っていたんだろう…)

らっだぁ

(他の人に教えてもらったのかな…)

らっだぁ

(後、俺が言うのもアレだけど…『らっだぁ』の配信見るのは止めてた方が良いと思うけど……いや、人によるか……)

レウクラウド

ねぇ、福田君?

らっだぁ

はい…?

レウクラウド

いや、呼んでも気付かなかったから、心配になって……大丈夫?

らっだぁ

ぁ…はい…

レウクラウド

そっか…

レウクラウド

無理ならちゃんと言ってね!!
出来る範囲で手伝うから!!

らっだぁ

あ、はい

教室にて

レウクラウド

着いたねぇ

らっだぁ

そうですね

レウクラウド

如何する?何する?

らっだぁ

本を読みます

レウクラウド

そうですか…(´・ω・`)

そう云って鈴木さんは悲しそうな顔をする

らっだぁ

(なんで、そんな顔をするんだろう…?)

らっだぁ

(分かんない…な……)

レウクラウド視点

俺は静かに本を読んでいる福田君を見る

レウクラウド

(そう言えば…)

レウクラウド

(なんで、福田君は俺を家に招き入れたんだろう……)

レウクラウド

(確かに、此方は有難かったけど…)

レウクラウド

(…本当に俺、居て良いのかな…)

らっだぁ

…あの…

らっだぁ

鈴木……さん?

レウクラウド

ふえっ?

顔を上げると、本を読んでいた福田君が静かに此方を見ていた。蒼い瞳が俺を貫いていて、まるで俺の心を読み取ったような感じだ・・・

レウクラウド

ど、如何した?

らっだぁ

いや、凄く不安そうな顔をしているんで…
何か有ったのかな…って思いまして…

レウクラウド

えっ、そんな顔してた?

らっだぁ

はい…

レウクラウド

マジか…気付いてなかった…

らっだぁ

あの…話…聞きましょうか?

レウクラウド

…いや、大丈夫!!

らっだぁ

…そう…ですか…

そう言って福田君はまた本に熱中する。其の姿を眺めながら、俺は呆けていた

コンタミ視点

空き教室にて

コンタミ

んふふw早く来ないかなぁ?

俺はそう呟きながら、スケッチブックの準備を進める

ニコニコしながら机の配置等をしていただからなのだろうか。俺は此の時、察知能力を途切れさせていた

コンタミ

ふふふ…
今日こそ、らだ男君の似顔絵を……

らっだぁ

俺の似顔絵を……ですか?

コンタミ

わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?

驚きながら振り返ると、其処には手で耳を覆いながら、煩そうに顔を顰めるらだ男君が居た

コンタミ

な…な…居たなら言いなよ!?
びっくりするなぁ……

らっだぁ

ぁ…御免なさい…

コンタミ

いや…怒ってないけど…
まともにビビる…

らっだぁ

御免なさい…

そう言って悲しそうな顔をする福田君 俺は申し訳無い気分になった

コンタミ

…大丈夫。君が悪い訳じゃないから

らっだぁ

えっ…

コンタミ

いやいや、確かに急に来られたら怖いけど、らだ男君は何時もの事だから、大丈夫!!

らっだぁ

そ…そうですか…

コンタミ

って、事で!!
今日も話し相手になってぇ!!

らっだぁ

ぁ…分かりました…

コンタミ

( •᷄ὤ•᷅)و シャッ!

俺はガッツポーズを決めた後、とある事を思い付いた

コンタミ

ねぇ、らだ男君!!

らっだぁ

は、はい…?

コンタミ

今日は面と向かい合って喋ろ!!

らっだぁ

ゑっ

らっだぁ

な、何でですか?

コンタミ

いや、何となく

らっだぁ

な、成程…

らだ男君が困惑している所に机を引っ付けて面を合わせる。俺はさり気なく座り、喋りながら準備を整える

コンタミ

でぇ、何話すぅ?

らっだぁ

な、何も考えてないですよ…?

コンタミ

ゑ、まじで?

コンタミ

マジで何も無いの?

らっだぁ

まぁ、無いですね。有るとすれば……

らだ男君は其処で一旦口を止め、考え事に老ける。俺は其の姿を眺めていた

コンタミ

(…やっぱ、顔良いな())

コンタミ

(彼の素顔…暴いてみたいなあ…)

らっだぁ

有るとすれば…鈴木さんが何か、誰かの配信が有って面白かったって話していた事ですかね……?

コンタミ

えっ、らだ男君は知らないの?

らっだぁ

まぁ、知らないと云うか…初めて知ったと云いますか…

コンタミ

へぇー……

俺は静かにらだ男君を見る。らだ男君は外方を向いて居た

コンタミ

(んー…嘘を付くのが苦手なのかな?顔に思いっきり『知ってた』って書いてるけど…)

コンタミ

(何か…面白いな☆)

らっだぁ

そ…

らっだぁ

そう云う深海さんは…そ、其の配信者さんの配信を見た事が有るんですか?

らだ男君はおずおずと聞く 俺は其れを見て、思わず笑う

コンタミ

んふふw

コンタミ

有るよぉ?

らっだぁ

えっ……!?

コンタミ

そりゃ、有るに決まってんじゃん。多分、此の学校の大多数は見てるんじゃないかな?

らっだぁ

…本当…ですか?

コンタミ

(まぁ、勘だけどね☆)

コンタミ

まぁ、其の配信者さんは参加型する時がたまに有るし、らだ男君も入ってみたら?

らっだぁ

……

らっだぁ

…気が向いたら、入ってみます

コンタミ

よっしゃ!!

らっだぁ

…ぁ、あの…

俺がガッツポーズをしていると、らだ男君は申し訳無さそうに言う

コンタミ

なーに?

らっだぁ

其の…お昼ご飯、食べたいです

コンタミ

あぁ、食べて良いよ!?
もう存分に食べて!?

らっだぁ

ぁ、はい…

そう言って申し訳無さそうにご飯を食べ始めた。俺は其の姿を見て、唐突に其の姿を描きたくなった

コンタミ

(ペンと、スケッチ持って…)

手始めに大雑把に下書きをする。此れから人の形をする人影を描く。其の間にも、らだ男君はもぐもぐと食べていた

其処から人影の輪郭を模写していく。らだ男君はもう食べ終わっていて、窓の外を見ていた

其の姿がとても良く、其の姿を模写した

とても美しい横顔、とても綺麗な手、そして、其の美しさを引き立てて倍増させるように、さくらが窓から入って来る

其れがとても・・・

とても、綺麗だった

コンタミ

(…らっだぁだったら良いのに…)

そんな事を思いながら、描き続けた

らだ男君は全然気付かず、最後まで描かせてくれた。が、

コンタミ

よし。描き終わっ……た?

らだ男君の反応が無いなと思い、見てみると、らだ男君は静かに寝ていた

コンタミ

えっ……おーい

コンタミ

…ガチ寝か……?

らっだぁ

…スゥ…スゥ…

コンタミ

…ガチ寝だわ…

俺はらだ男君の頬を突いてみる。頬はもちもちしてて、美しい輪郭も寝ている今だけは柔い事を知った

コンタミ

んふふwかわいぃ…w

らっだぁ

ンッ…んんっ…

コンタミ

おっと、突き過ぎたか

コンタミ

ふはっw可愛いぃ…w

俺はそんな事を言いながら、らだ男君を見つめる。らだ男君はそんな事を知らず寝ていて、可愛い

コンタミ

おっと、そろそろ予鈴が鳴るな

コンタミ

らだ男君、起きてぇ

らっだぁ

…ふぇ…?

コンタミ

おはよう。予鈴鳴っちゃうよぉ?

らっだぁ

い、何時の間に…

らっだぁ

起こしてくれて有難う御座います

コンタミ

良いよぉ

らっだぁ

では…失礼します…

そう言ってお辞儀をし、そそくさと消えて行くらだ男君を見送った後、俺は描き上げた模写の彼を見た

コンタミ

…こんな子がらっだぁだったら…ねぇ…

コンタミ

彼奴等、謎の発狂してそう

???

なんでそうなるんですかw

コンタミ

ふぁ!?

俺は慌てて後ろを振り返ると、其処には近海さんが居た

近海の鯖

ふふw驚かし作戦、成功です…!!

コンタミ

お、驚いたぁ……

コンタミ

近海さん、何しに来たの?此処、近海さんが来るにはつまらなさすぎるでしょ?

近海の鯖

まぁ、そうですけどねぇw

近海の鯖

例の人、居るじゃないですか。今日話していた、福田さん

コンタミ

嗚呼、あの子が如何した?

近海の鯖

最近、怪しいってきょーさんが煩くてw

コンタミ

あーねw良く言ってるねw

近海の鯖

もしかしたらコンタミさんも危ないかもって言ってたんで、偵察してました☆

コンタミ

してたのかぁ

近海の鯖

してたのですぅ

近海さんは申し訳無さそうに、扉付近で小さくなっていた

コンタミ

…で?近海さんから見て、彼はどんな感じだった?

近海の鯖

全然、怪しくないと思います
……ただ……

近海の鯖

彼に有る数々の傷。有れは誰にやられたのか、やった犯人はどんな奴なのか…そんな事を考えていると、最悪な想像(環境)しか出て来ないんです……

コンタミ

……そっかぁ……

俺は近海さんの言葉を聞きながら、彼が辿って行った廊下を見る

コンタミ

……心配だね。彼の事

近海の鯖

はい。心配です

コンタミ

さぁて、此処を戻しますか!!

近海の鯖

お手伝い致しますよ

コンタミ

お、ありがとぉ!!

其れから俺は近海さんと共に教室の机を元に戻した

緑色

…近海サン、大丈夫?

近海の鯖

はい…大丈夫です

緑色

…俺達…此れから如何しよう…

近海の鯖

…如何しましょう…

緑色

また何処かに転校しなきゃ…かな?

近海の鯖

…そうなるでしょうね…

近海の鯖

また何処か、近くの安い賃貸を見つけないと…他県に行くしか…

緑色

……やだなぁ…

緑色

後はらだおくんだけだってのに…

近海の鯖

そうですね

近海の鯖

私も余り…離れたくないです…

近海の鯖

どうすれば……

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