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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 茈×桃(桃様は喋りません) 二次創作
rara🎼
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第4話『届かない腕』
いるま
そう呟きながら、病室のドアが静かに開かれる。
入ってきたのは、いるまだった。
肩まで覆う落ち着いた紫のパーカー。
その色は、白く無機質な病室の空気に、静かに沈み込んでいく。
いつもなら堂々としているいるまの背中も、どこか重たげだった。
ゆっくりと扉を閉めて、らんの傍まで歩く。
ひとつ息を吐いて、椅子に腰を下ろすと、少しだけ、目を伏せた。
いるま
いるま
言葉は静かに、けれど確かに届くように発された。
眠るらんの顔をじっと見つめるその瞳は、穏やかで――どこか沈痛な色をしていた。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
少し自嘲気味に笑って、肩を落とす。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
ふと、言葉が途切れる。
しばらくの間、ただ機械の一定な電子音だけが空間に流れていた。
それはまるで、時間の針が止まってしまったかのようで――
いるま
いるまが、ぽつりと呟く。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
指先が、かすかに震えた。
いるま
喉が詰まるような静けさ。
どこか遠くで車のクラクションが鳴ったような気がしたのは、錯覚か。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
視線を落として、手のひらをじっと見つめる。
その皮膚の奥に、あの日の衝撃と温度が焼き付いているように思えた。
いるま
いるま
いるま
いるま
視線をらんに戻す。
そこには、変わらず眠り続けるらんの姿。
いるま
いるま
いるまは、そっと手を伸ばす。
枕元のらんの手を、しっかりと握った。
その指先に、わずかな温もりがあった。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
目を閉じて、言葉を噛みしめるように続けた。
いるま
いるま
それは、決意だった。
自分自身への、静かで確かな誓い。
窓の外では、雨がやんでいた。
薄く雲が切れ、差し込んだ光が、らんの頬を淡く照らす。
桜の花びらが、一枚だけ風に乗って舞い落ちてきたような、そんな錯覚。
いるま
いるま
いるま
いるま
いるまは、もう一度だけ手を握りしめてから、ゆっくりと立ち上がる。
背筋は、いつもと同じように見えた。
けれど、病室を出る直前――
その手が、ほんの少しだけ、震えていた。
再び静けさが戻る病室。
何も変わらないはずの空間に、いるまの祈りのような言葉だけが、深く、深く、染み込んでいく。
きっと、それは、らんの眠りの奥へ届いている。
まだ、思い出せなくても。
まだ、名前がわからなくても。
それでも、届いていてほしいと、願わずにはいられなかった。
第4話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡50
rara🎼
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