マイキー|あー!!まーた旗立ってねぇ!!
お子様セットのご飯を指差すマイキーを見るのはいつもの事だ。
ここのファミレスは子供連れがあまり来ないからか、旗を立てる事を重視してないのだろう。
子供連れが少ないというよりかは、人自体が少ない気もするが。
ドラケン|あ~、旗か。ちょっと待ってろ
ドラケン|ん
ケチャップ色に染まったご飯の上に、ちょんっと水玉模様の旗を刺した。
マイキー|流石ケンチン!!!
するとマイキーはさっきの不機嫌をどこかへ吹き飛ばし、目をキラキラ輝かせてお子様ランチを食べ始めた。
マイキー|ん、ケンチン何か食べねーの?
ドラケン|はぁ?さっき食ったばっかだぞ。食べてんのお前だけだ
マイキー|え~、じゃあチョコパ奢ってよ
ドラケン|何でそうなるんだよ...
マイキー|だってケンチンの昼代浮くだろ?それでチョコパに使う!!
ドラケン|だったらそのチョコパは俺のだ
マイキー|ケンチンのケチ!!だったら1口くれよ!!
ドラケン|もう騙されねーぞ、お前の1口はチョコパ丸ごと1個だろーが!!
マイキー|いつの話してんだよ!!1口だけっつてんだろ!!
ドラケン|ッざけんなお前ッ、あ、勝手に頼んでんじゃねぇ!!
マイキー|チョコパ2個な!!これで平等!!
ドラケン|何が平等だマイキー!!...あ、おい!!俺の財布勝手に取んじゃねぇ!!
バタバタ暴れていると、ズボンのポケットから振動が伝わった。
プルルルルルッ プルルルルルッ...
マイキー|んあ?
ドラケン|...あ?誰だよこんな時に...
少し気に触りながら、渋々とポケットからスマホを取り出した。
マイキー|誰から?
テーブルを挟みぐいっと乗り込んで画面を見た。
するとその画面を見たマイキーは、急に声を上げた。
マイキー|タケミっちじゃん!!
ドラケン|珍しいな、アイツから電話なんて
掛かってきた電話の主は、花垣武道こと『タケミっち』だった。
その電話に出ると、何やらとても焦っている様子だった。
ドラケン|...もしもし?あ、タケミっちか?
タケミチ|「あ、ドラケンくん!?」
タケミチ|「ちょっと、今大変なんすよ!!」
ドラケン|何だよそんな焦って...くだらねぇ事だったらぶっ潰すぞ~、
タケミチ|「潰ッ、!?」
タケミチ|「あ、...いや...多分そんなくだらない事じゃないと思うんスけど、」
ドラケン|何だよ?
タケミチ|「迷子の男の子が居るんスよ」
そのタケミチの焦りは、『迷子の男の子が居る』という理由だった。
ドラケン|はぁ??
マイキー|なになにどうしたのケンチン
タケミチ|「そ、その迷子の男の子が...マイキーくんに会いたいって言ってて」
ドラケン|...あ?
マイキー|ねー、どうしたのって
ドラケン|.....タケミっちが見つけた迷子のガキが、お前に会いたいだとよ
少しスマホを耳に外し、ドラケンはそうマイキーに告げた。
するとマイキーは首を傾げ、残りのケチャップご飯をぱくりと食べた。
ファミレスで無事チョコパフェを2つ食べ終わると
タケミチに言われた通り、公園に向かった。
マイキー|何でその迷子の奴、俺に会いたいのにタケミっちケンチンに電話掛けたんだろ
通りすがりの古い駄菓子屋で買ったどら焼きを齧りながら、隣を歩くドラケンに聞いた。
ドラケン|さぁな。まぁタケミっちは俺のダチだからじゃねぇか?
マイキー|はぁ!?タケミっちは俺のダチだし!!
ドラケン|違ぇだろ俺のダチだ!!
歩きをストップさせ、タケミチが誰のダチなのかを決める対決が始まってしまった。
この場面は前に何処かで見たような気がする。
マイキー|んじゃあ、あれしかねぇよな...?
ドラケン|当たりめぇだろマイキー、、
2人でグーパンを構え、明らかに殴り合いを始めるかと思いきや
マイキー|じゃんけん.....ぽんッ!!!
2人が出したのはじゃんけんぽんだった。
ドラケン|いよっしゃあああ!!!!!
そのじゃんけんの結果は、ドラケンがチョキを出し、マイキーはパーで負けた。
この結果も前に何処かで見たような気がする。
ドラケン|...てことで、タケミっちは俺のダチ決定だな
マイキー|.............
これで勝負が決まったと思いきや、この2人はそうはいかない。
マイキーは負のオーラを放ち、明らかに再び勝負を掛けそうになった。
だがその時、良いタイミングで聞き覚えのある声が響いた。
タケミチ|あ、ドラケンくんとマイキーくん!!
その声に2人は一緒に振り向いた。
ドラケン|よぉ、タケミっち。ジャストタイミングだな
マイキー|タケミっちは俺のダチだよな!!
ガシッとタケミチの肩を掴む。
タケミチ|へ、!?...え、これ前も聞かれた気が...、
ドラケン|タケミっちは俺のダチだよなぁ??
するとドラケンもタケミチに迫り、明らかに周りからはヤンキーに絡まれた不運な人と思われている。
タケミチ|え、えぇ...??
タケミチの答えが濁った瞬間、後ろから何やら小さい人影が動いた。
??|あ、お兄ちゃん!!
その高い声は、3人の耳によく響いた。
ドラケン|...此奴がその「迷子の男の子」か
タケミチ|そうなんスよ.....マイキーくんに会えるまで離れないって言ってて...
マイキー|.....お前名前は?
マイキーはしゃがみこみ、その小さい男の子に聞いた。
何故かその男の子の容姿は、マイキーの小さい頃とよく似ていた。
レン|蓮!!
するとその男の子は、蓮(レン)と名乗った。
マイキー|蓮か。何で俺に会いたかったの?
蓮|?、だってお兄ちゃん、俺の事助けてくれたじゃん
レン|だから、そのお礼がしたかった!!
ドラケン|マイキー、此奴の事どっかで助けたのか?
マイキー|え?...う~ん、俺そんな覚えねぇけど.....
タケミチ|結構前なんスかね?
レン|ううん、昨日助けてくれた!!
ドラケン|嘘だろマイキー、まさか覚えてねぇのか??
タケミチ|昨日って.....めちゃめちゃ最近じゃないすか!!
するとマイキーは立ち上がり、腕を組んで何かを考え出した。
マイキー|う~~ん...、、
レン|...............
マイキー|...........あッ!!!
タケミチ|、な、何か思い出したんすか!?
マイキー|いや、昨日の朝御飯パンだったなぁって
タケミチ|あ、朝御飯.....
ドラケン|お前本当に覚えてねぇのかよ
マイキー|おう、マジでそんな覚えねぇ。人違いじゃねぇか?
レン|ううん、絶対お兄ちゃんが助けてくれた、!!
レン|黄色い髪の毛で、身長が少しちっちゃくて、バイク乗ってて...、
ドラケン|...身長ちっちゃいだってよ笑
マイキー|ガキじゃなかったら一発食らわしてたな
タケミチ|...で、でも、この蓮くんが言う特徴はマイキーくんに似てますね!
ドラケン|でもよ、金髪でチビって千冬にも合うだろ
ドラケン|千冬にも一応会わせた方が良いんじゃねぇか?
タケミチ|た、確かに...
マイキー|じゃ、千冬にも会わせるか。恩間違いだったらコイツに申し訳ねぇだろ
マイキー|あと千冬にもな
腕組みを辞め、再びポケットに手を入れた総長は、相変わらず優しかった。
タケミチ|そ、そうっすね!!
タケミチ、ドラケン、蓮もその言葉を聞いて笑っていた。
という事で、今この3人は千冬の家へと向かって行った。
マイキーとドラケンを先頭に、タケミチは蓮と手を繋いで歩いた。
タケミチ|お、俺...何気に千冬の家行くの初めてなんスよね
マイキー|ん?あ、そっか。タケミっち初めてか
ドラケン|今度俺ん家も来いよな、タケミっち
タケミチ|え、!いいんすか!?
タケミチ|(ドラケンくんの家なんて想像付かないな...、どんな感じの家なんだろ)
マイキー|あー、!!ケンチンずるい!!タケミっち、俺ん家に先来いよな!!
タケミチ|え、えぇ...、??
ドラケン|はぁ?タケミっちは俺の家に先に来るんだよ
タケミチ|(また始まった...)
先頭でわちゃわちゃ騒ぎ出した2人を見て、タケミチは苦笑した。
すると、手を繋いだ先の蓮も、それに釣られてキャッキャと笑った。
タケミチ|...そういえば、蓮くんは何でマイキーくんに助けられたの?
タケミチ|(...あ、そうだ。まだマイキーくんだって確証は無いけど...)
レン|俺、その時お兄ちゃんと一緒に買い物行ってた
レン|だけど途中ではぐれちゃって、ぶつかった怖い男の人達に蹴られた
タケミチ|蹴られたって...子供相手に酷いな、...
レン|そしたら金髪のお兄ちゃんが助けてくれた!!
レン|超カッコよかったんだよ!!ヒーローみたいに、1発で相手を黙らしたんだ!!
目を輝かせながら、黒髪の6歳ぐらいの蓮は言った。
タケミチ|(ヒーロー...、、か)
タケミチ|...良かったね、蓮くん
レン|うんッ!!
タケミチは蓮に笑いかけ、先頭で騒ぐ2人について行った。
暫くその公園から歩き始め、約15分。
やっとの事で千冬の家に着いた。
タケミチ|ちょっと暗くなっちゃいましたね
ドラケン|そーだな。早く聞いて終わらそうぜ
昼頃から歩き始め、辺りは烏の鳴き声がよく聞こえる暗さになった。
だが相変わらず蝉の声が五月蝿い。
マイキー|じゃ、ピンポン押すよ
マイキーのその声と共に、インターホンの弾む音が鳴った。
数秒経って、その応答が返ってきた。
チフユ|「はい...って、マイキーくん!?」
インターホンから機械じみた驚いた声が聞こえる。
確かに急に東卍(トウマン)の総長が押し掛けてきたらビビるだろう。
マイキー|よ、千冬。ちょっといいか?
チフユ|「え、あぁ、はい...別に大丈夫ですけど...」
チフユ|「ちょっと待ってて下さい、直ぐ行きます」
マイキー|ほーい
ピッとインターホンが切れると、家からドタドタと足音が聞こえてきた。
タケミチ|(千冬...相当びっくりしたんだな...、笑)
すると、直ぐに千冬は家から出てきた。
ガチャッ
チフユ|総長お疲れ様です...って、何でタケミっちも居るんだよ
チフユ|てかドラケンくんも居るし!!
ドラケン|お前の家来るのなんて久しぶりだな
チフユ|何かあったんすか?
タケミチ|それなんだけど、この男の子見たことないか?
後ろに隠れていた蓮が、タケミチの前へちょこっと出た。
チフユ|急に何だよ...、見たことねぇけど...
チフユ|まさかお前、これだけの為にマイキーくんとドラケンくん連れ回してんのか?
タケミチ|い、いやぁ...えっと、
タケミチ|この男の子が金髪で身長ちっちゃめの人に助けられたって言っててよ
チフユ|身長ちっちゃめって...お前バカにしてぇのか
マイキー|それは俺も思った
チフユ|そうッスよね
チフユ|つーか、金髪でチビってタケミっち、お前も特徴にドンピシャじゃねーか!!
タケミチ|ぐッ...た、確かに...で、でも、この子が言うにはバイク乗ってたって言ってたし...
ドラケン|じゃあ決まりだな
ドラケン|コイツの事助けたのはマイキーだった
マイキー|え、俺本当にそんな覚え...、
そうマイキーが言いかけると、その言葉が急に途切れた。
タケミチ|?どうしたんスか?
マイキー|...ん~??...もしかして、お前あん時のか??
ドラケン|やっぱ覚えあんだろ
マイキー|...いや、でも違うかも。俺が助けたのこんなチビじゃなかった
チフユ|...どんぐらいの奴でした?
マイキー|ん~、中学生ぐらい
マイキー|何か俺のガキの時にすげぇ似てたな
ドラケン|...思ったんだけどよ、コイツも相当マイキーに似てねぇか?
タケミチ|あ、俺もそれ思ってました。もしかしたらその中学生ぐらいの子って、蓮くんの事なんじゃ?
マイキー|ん~、でも本当にこんなちっさかったか?
レン|...?
マイキーが蓮を見つめると、蓮は小さく首を傾げた。
ドラケン|そーいえば、コイツ兄ちゃん居るんだろ?
ドラケン|こんな時間だし、そろそろ家返した方が良いんじゃねぇか?
タケミチ|確かに...そうっすね
スマホの時間を見ると、もう18時だった。
マイキー|分かんねぇ事悩んでも仕方ねぇしな。兄ちゃんどんな奴だ?
レン|え、えっと.....俺よりデカくて、カッコよくて、強くて、優しい兄ちゃん!!
マイキー|..........、、
タケミチ|う~ん...それだけだと分かんないっすね.....
チフユ|どうする?交番に届けるか?
ドラケン|やっぱそれしかねぇよな
3人で悩んでいると、1人ポツンとマイキーは黙り込んでいた。
ドラケン|あ?どうしたマイキー
マイキー|...いや...俺の兄貴と似てんなって、
タケミチ|...え?
マイキー|...レン、お前やっぱり、昨日の奴だろ?
レン|...........
ドラケン|おいマイキー、ソイツ中学生ぐらいだったんだろ
マイキー|...いや、でも...コイツには小さくなれる能力があるかも、、
ドラケン|何馬鹿な事言ってんだマイキー、早く交番に届けんぞ
タケミチ|(...でもマイキーくんの言う通りかもしれない、。)
タケミチ|(俺がタイムリープの力を持ってると考えるなら、蓮くんにもそんな能力が.....)
チフユ|そうっすよマイキーくん、このままだと俺達が誘拐したみたいになっちゃいます
マイキー|.........そっか
少し黙り込んだ後、マイキーはそう答えた。
結局、俺達は迷子の蓮を交番に届ける事にした。
千冬の家から交番に向かい始めた頃、時刻は6時12分だった。
ずっと歩いていた蓮は、流石に子供だったため、眠いのかたまに首をコテンとさせた。
タケミチ|...!!大丈夫?眠いのか?
レン|んん.....
タケミチ|...よし、おぶるよ。ほら、こっちおいで
するとタケミチは、眠たそうに目を擦った蓮の前にしゃがみ、背を向けた。
レン|.............ありがとぅ...、、
小さな声で言った蓮は、素直にタケミチの背中に乗った。
チフユ|お、相棒。子供に優しいじゃねぇか
タケミチ|俺を何だと思ってんだよ、、
ドラケン|お~、タケミっち。交番まであとちょっとだ。頑張れよ
タケミチ|は、はいっす!!
そう答えた時には、蓮は寝息を立ててすっかり夢の中に入っていた。
マイキー|.............
マイキー|あ~、腹減ったなぁー...、、
ドラケン|そうだな。せっかくだしレン連れてったら飯食いに行くか?
チフユ|え、いいんですか!?
タケミチ|ぜ、是非、!!
マイキー|よーし、じゃあそうしようぜ。俺焼肉がいー!!
ドラケン|俺は寿司だな。生物食いてぇ
チフユ|俺と相棒は2人に合わせます!!
タケミチ|は、はいッ!!
マイキー|え~ヤダヤダ焼肉!!肉万歳!!
ドラケン|今日は何か疲れたんだよ。すっきりしたもん食いてぇだろうが!!
チフユ|総長と副総長ってこういう所あるよな笑
タケミチ|ははッ、分かる笑
今日は格段に言い合いが多い2人に、千冬とタケミチはこそこそ笑っていた。
結局焼肉になり、数分歩いた。
もう少しで交番に着きそうなころ、見た事のある人影が前に現れた。
タケミチ|...ん?あれって...、、
少し紫がかった短い髪に十字架模様のピアス。
暗い辺りの中でも、マイキー達と同じように目立つオーラを放っている。
マイキー|ん??
その人影の正体は、弐番隊隊長の三ツ谷だった。
ミツヤ|...あれ、奇遇だな
タケミチ|三ツ谷くん!!
その時は私服で、両手には重そうなレジ袋を持っていた。
ドラケン|買い物か?随分量多いな
ミツヤ|あぁ、いっぺんに買っとかねぇと直ぐ無くなんだよ
ミツヤ|...それに千冬とタケミっちと...、誰だその背中におぶってる奴
タケミチ|...あぁ、迷子の子を届けに...
ミツヤ|.....わざわざ4人でか?
ドラケン|今日は色々あってな。.....てか、その両手に持ってるもん肉か?
ドラケンが三ツ谷の持っているレジ袋の中に視線を移すと、確かにそこに肉は入っていた。
しかも大量に。
ミツヤ|...は、?...んまぁ、肉だけど...、
マイキー|肉!!!!!
チフユ|にく.......
ドラケン|...三ツ谷...お前今日の晩飯何だ?
ミツヤ|...?...『焼肉』だけど、...
その瞬間、蓮を抱えたタケミチと三ツ谷以外、よろこびの声を上げて飛び跳ねた。
ミツヤ|...何だよそういう事か
マイキー|...で??今日俺らは.......!!
ミツヤ|...分かったよ、俺ん所で食ってけ
マイキー|やったぁー!!!!!流石三ツ谷!!
タケミチ|ほ、本当にいいんすか!?
ミツヤ|...まぁな。タケミっちは初めてだろ?
タケミチ|あ、あざぁーっす!!
精一杯お辞儀をしようと思ったが、背中に居る蓮の事を思い出し、軽くお辞儀をした。
ミツヤ|...その前にソイツ、交番に届ける所からだな
タケミチ|あ、そうっすね。俺が交番に届けて、皆先行ってますか?
チフユ|お前三ツ谷くんの家分かんねぇだろーが
タケミチ|あッ、そうだった.......
マイキー|んじゃ俺がタケミっちに付き添う
タケミチ|え
チフユ|俺が行きますよ、?マイキーくん疲れてるだろうし
マイキー|気にすんな。私情だよ
チフユ|..ならいいんスけど、...
タケミチ|...じゃあ千冬、後で
チフユ|.......おう、相棒
ミツヤ|じゃあそういう事で半分持て、ドラケン
ドラケン|何でだよ。.....まぁ今日晩飯作ってもらうしな...
チフユ|三ツ谷くん俺も持ちますよ
ミツヤ|おう、サンキューな
マイキーとタケミチ、蓮は道中に残り、3人は三ツ谷の家へと向かって行った。
タケミチ|...付き添いなんてわざわざありがとうございます
ドラケン達と別れた後、マイキーとタケミチ、蓮は反対方向へと歩いた。
マイキー|ん~?いーのいーの
タケミチ|.....何で付き添いなんてしたんすか、、??
話すネタが無くなるのはヤバいと思い、その理由を追求した。
マイキー|くだらねぇ質問
タケミチ|...うぅ、すみません、、
マイキー|.............レンの事
タケミチ|...レン??
マイキー|レンの言う兄貴、本当に俺の兄貴に似てるんだよ
マイキー|昨日助けた中学生ぐらいの奴
マイキー|本当にレンだと思ってる。明らかに見た目も雰囲気も似てるし
タケミチ|...............
背中で寝ている蓮を見る。
この子に、本当に体を小さくする事が出来る力があるとしたら。
タケミチ|.....俺もそう思います、
マイキー|...........
タケミチ|蓮くん、マイキーくんの事『ヒーロー』って言ってました
タケミチ|しかも最初会った時、マイキーくんに会えるまで絶対離れないとも言ってたし、、
タケミチ|根拠は無いっすけど、蓮くんには本当に体を小さく出来る力があるかも.......
タケミチ|って、何言ってんだろ俺、、
マイキー|...世の中には底知れねぇ力があるもんだな
タケミチ|え?
マイキー|俺もそうだと思う。きっとそういう能力を持ってんだよ
マイキー|.......俺の兄貴からの___
タケミチ|.........はい?
するとマイキー君は途中でその言葉を言うのを辞め、前を向いた。
マイキー|やっぱ何でもねぇ
マイキー|ほらタケミっち、早く届けて焼肉食うぞ!!!
タケミチ|は、ハイっす!!!!
急にマイキー君は走り出し、それに置いてかれないよう俺も走った。
無事にレンを交番に届け、そのまま三ツ谷の家へと向かった。
ピーンポーン
インターホンの弾けた音が鳴る。
今日は色んな人の家に行っている気がした。
って言っても2軒だけか。
ガチャッ
直ぐにドアが開き、見慣れた人達が出迎えている。
ミツヤ|お~、マイキーとタケミっち来たか
ドラケン|もう先食ってんぞ~
マイキー|あッ、ずるいケンチン!!!
ミツヤ|あ、おいマイキー!!先手洗え!!
タケミチ|お、お邪魔します...、
チフユ|相棒!!!この煮物クソ美味いぞ!!!
タケミチ|ホントだ...めっちゃいい匂いする...
マイキー|俺も食べたいー!!!!
ミツヤ|だったらちゃんと靴並べて手洗えや!!!
いつもより格段に騒がしい一軒は、自身の思い出の中の一件になった。
金髪で、少し身長が小さい『ヒーロー』は、皆の中で笑っていた。
fin.
分かりにくいと思うので解説ですー!
場地くんの事だったり、喧嘩の日々の中で潰れかけてていた『兄貴』の大きな存在と、『仲間』の存在を思い出させてくれた迷子の男の子とのお話でした😸
ちなみに迷子の男の子は本当の姿は中学3年生の男の子です
最後交番に届けられましたが、マイキーくん達と別れた瞬間中3の姿に戻りました
本当に分かりにくいお話ですが、最後まで読んで下さりありがとうございました🙋🤍
コメント
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フォロー失礼します!
面白かったです💓💓
本棚追加する場合コメントしてくださいーっ ̫ -˘♡