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コメント
2件
私もバドエン大好物です!ありがとうございました!
主
主
主
主
主
主
次に入ったのは青の部屋
案外綺麗に片付いてる、、、
桃
物が
ないんだ
ベットと机しかない青の部屋
机の上には
手紙と
ノートと
、、
カッター
、
ノートを開いてみよう
ぺらっ
桃
桃
1ページ目は
「ころん」
と、あいつの名前を必死に書いていた
、
きっと、なろうとしてたんだ
ページを進めると
桃
「青」
何回も自分の名前を書いてる痕跡がある
しかも日付は、、、
俺たちが青を避け始めたころ
「ころん」じゃなくて「青」として存在を持とうとしていたのか、
桃
桃
桃
桃
桃
桃
ふと、机に置いてあった手紙に目が入る
桃
桃
桃
でも
俺は決めたんだ
もう逃げない
兄ちゃん達へ
最初から分かってたよ
僕は「誰かの代わり」で
みんなにとっては
もう会えない
「ころんさん」の幻のだって
でもね
僕は一回でもいいから
「青」として生きてみたかった
僕を
「青」
として好きになってくれたら、
それだけで良かったんだ
____でも、それも出来なかったら
この体も
記憶も
全部
全部
返すよ
だから
最後にお願い
ころんさんのこと
忘れないでね
じゃあね
青より
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
夜の空気は海の匂いがしてた
冷たくて
澄んでいて
痛いほど静か
僕たちは歩いた
ゆっくりと、足音を砂に刻みながら
ポケットの中には小さな家族写真
そこに写っているのは笑っている6人の少年
その中央に立つ
自分と同じ顔をした男の子
“ころん”
この家で本当に生きていた
弟。
血も
記憶も
本当の家族だった
ころんさん
僕は、
その代わりとして作られた。
生まれた日からずっと知っていた
お兄ちゃん達の笑顔は
僕じゃなくて
ころんさんの物
なにをしても
褒められても
それは
「ころんなら」
と言う枕詞がついていた
足元に波が押し寄せては引いていく
その繰り返しが
まるで、僕たちを誘っているみたい
青
青
赤
思い出す
お兄ちゃんの視線の奥に
時々浮かんだ痛み
それは、僕のものではなく
ころんを失った痛み
代わりでしかない僕は
何も出来なかった
ポケットから写真を出す
波がさらっていく前に
もう一度だけ見た
青
青
青
赤
赤
赤
赤
赤
赤
青
写真を波に委ねる
白い波がそれを優しく包んだ
靴を脱ぎ
裸足で海に踏み出す
冷たさが足首を刺す
胸の奥まで冷えていくのがわかる
一歩
また一歩
水面が腰まできた時
空を見上げた
青
青
赤
青
最後の波が
全てをさらった
桃
俺たちがついた頃にはもう遅かった
朝の光が海を染める
砂浜には
赤と青の靴
濡れた写真
、
橙
黄
紫
桃
兄弟の涙が、砂に落ちて混ざる
誰も口を開けない
でも
全員心の中で
同じ言葉が響いていた気がする
青、赤 ごめん
空に上る朝日が、青くきらめく波をてらす
その波はもう
何も返してくれなかった
ただ静かに
6人だったはずの足跡を
一つ残らずさらっていった
主
主
主
主
主
主
主