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あかいろちょこれいと (あくねこ闇)

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あかいろちょこれいと (あくねこ闇)

3 - あかいろちょこれいと 第3話「椅子」

♥

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2022年08月02日

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前回のあらすじ

前回の見れば分かるよ((

コツ…コツ…

階段の音が響いているのがよく聞こえます。 それと同時にこれから何を話すのだろうと言う不安感がつのり、階段を上っていく最中はお互い一言も発しませんでした

ハウレス

ハウレス

着きましたね、此方の椅子へどうぞ。

ハウレスくんはいつものように柔らかい笑顔で話しかけてきます、その笑顔が今の私には安心剤となりました。

ベリアン

ええ、分かりました

ハウレス

まず1つ…

ハウレス

急に付き合わしてしまい申し訳ないです。

ベリアン

いえいえ、そんな…

ベリアン

逆に頼ってくれて嬉しいですよ

ふふ、と含み笑いをすると苦笑しながらハウレスくんは話し始めます

ハウレス

ありがとうございます…何せこの話題はベリアンさんに相談した方がいいと思いまして。

ベリアン

相談事…ですか?

ハウレス

あぁいや…相談事というか、まぁ相談事なんですけど……

そう考えあぐねた後、深呼吸をしてこう言いました

ハウレス

ベリアンさん、今から言う事は秘密でお願いしますね。

ベリアン

ええ、分かりました。

ハウレス

……。

ハウレス

ハウレス

ベリアンさん、今回の依頼を覚えていますか?

ベリアン

確か…殺人鬼を見つけろ、とか何とか。

ハウレス

はい……。

急に依頼の話をし始めました、きっと陣営とかなのでしょう

ベリアン

……ええと、それが何か?

ハウレス

あっ、はい…実はですね。

ハウレス

その依頼の殺人鬼と言う人

「主様かも知れません」

ベリアン

ベリアン

…………え?

正直何を言っているのか分かりませんでした

主様が殺人鬼…?

そんな事あるはずが

ハウレス

分かります、最初は疑いにかかりますよね

ベリアン

……ハウレスくん

ベリアン

ハウレスくんは疲れているんじゃないですか…?ちゃんと休憩して下さいね。

ハウレス

ベリアンさん……

私を見つめるその瞳からもこの話は本当であると言うことが分かります、でも…素直に受け入れられるはずがない

ベリアン

だっ、だって…………っ。

ベリアン

あんなに優しい主様が!私の事を気にかけてくれた主様が!

ベリアン

殺人鬼など……そんな…

あぁ、傍から見たら私は酷く絶望しているのでしょうね

ハウレス

ベリアンさん!落ち着いて下さい…

ハウレス

まずは俺の話を

ベリアン

………。

ベリアン

はい

"これはドッキリなのだ"と自分に言い聞かせるようにしました

そうしないと自分が持ちません

ハウレス

その…、何故俺が主様のことを「殺人鬼」だと思ったのかについてなんですけど…

ハウレス

その事について話す前に…実はこの話はルカスさんも知っているんです

ベリアン

それは…ハウレスくん直々にお話を?

ハウレス

いえ、ルカスさんからそう聞いたんです。

4日前‪𓈒 𓂂𓏸

主様

ん…すぅ…………

ルカス

…主様、そろそろお目覚めかな?

そう優しく頭を撫でてやるとピクっと反応し、なんだかムッとした様子で起きてきた

主様

い、今寝てたのに…

ルカス

ふふ、"主様が1時間後に起こしてね"と言うのでずっと待ってたんですよ。

主様

え…んぅ、1時間何してたの?

ルカス

主様の可愛い寝顔を………おっと。

主様

ちょっ、ちょっと酷い!!!

ルカス

あまりにも可愛かったので…

主様

可愛いって言ってくれるのは嬉しいけど。

そう愛らしく見つめると、主様は目線を逸らしながらも嬉しそうに頷く

ルカス

………。

ルカス

主様、その傷は…?

ふと主様から視線を逸らすと服の隙間から傷跡が見えた

主様

え!?

主様

あ……………な、なんでもないよ。ちょっとあっちの世界で怪我しちゃって。

ルカス

主様らしいですね……さぁ、此方へ。

そう苦笑する主様にどこか違和感を覚えながらも此方へ抱き寄せる

主様

……ルカス?

ルカス

ふふふ、ちゃんと手当してあげませんと。

主様

それ絶対違う意味で言ってるよね!

ルカス

おやおやなんの事でしょう……?

そう主様をからかいながら頭の中で必死に考える

そういえば最近主様の体に痣があるのが見える、最初はいじめやら家庭環境やらが原因かと考えていたが……

さっき見た傷、確実に誰かと争った痕だ。

しかも主様の傷が見られるのは「殺人鬼」の目撃情報があった1日後…

これは、偶然なのだろうか

ハウレス

ハウレス

と、言うことです。

そう長々と話終わったあと、ハウレスくんは何処からか持ってきた菓子を口ヘほおりこみます

ベリアン

なるほど……あの、1つ貰っても?

ハウレス

いいですよ、このクッキーすごく美味しいんです。

ベリアン

ありがとうございます……ん、本当ですね!

ハウレス

はい!…そ、それでその……ベリアンさん、どう思いますか?

少しですが笑顔を取り戻してきた所でハウレスくんが本題に戻ろうと目線を合わせてきます

ベリアン

……。

ベリアン

そう、ですね…あまりにも出来すぎた偶然です。

ベリアン

ですが主様が殺人鬼だと言う証拠は今の所はありません、なので出来れば信じたくないのですが……。

ハウレス

それ、は……それは俺も同じ気持ちです

ベリアン

あの、1つ聞きたいんですが…。

ハウレス

どうされました?

ベリアン

その、本当に主様が殺人鬼であった場合、やはり捕まえるしかないのでしょうか?最悪の場合…

ハウレス

先日グロバナー家に連絡を取った結果、"殺してくれ"と。

ベリアン

……そんな。

自分でも声が震えているのが分かります

とても、苦しい

ハウレス

俺たちは便利屋のように扱われていますから……いつかこういう事もあると思っていました。

ハウレス

ですがそれがよりにもよって今回の依頼とは…しかも偶然に偶然が重なって主様も疑わなければいけない。

ベリアン

………。

私はただ、無言で頷くしか出来ませんでした

あまりにも話が重すぎて状況の整理がつきません

ハウレス

……もうこんな時間ですね

そうハウレスくんが時計を見上げため息をつきました、今は午後11時

ハウレス

すいません、長々と話してしまって

ベリアン

いえいえ、大丈夫ですよ

そのあと残っていたお菓子を全部食べきり、いつもの仕事に戻ろうとしていた時でした

ハウレス

はぁ、ボスキの奴…また仕事サボったか?今日1度も見かけてない気が…

ベリアン

あらあら、ボスキくんらしいですね。

ハウレス

そ、そうですね……

ハウレス

それでは俺はこれで

ベリアン

はい、また…………

ベリアン

ベリアン

おや?

ボスキ

ボスキ

あの花瓶どこにやったっけな………

ボスキ

っ。ベリアンさん…?

ハウレス

お前ここにいたのか!?というか起きてるじゃないか。

ボスキ

はァ…ハウレスはいちいちうるせぇな、今主様が居ないからちょっと部屋を模様替えしようとしてただけだ。
あと俺にも起きてる時はあるぞ…

ベリアン

模様替え…ですか?

ボスキ

はい、今は美しい花がたくさん咲く時期なので、主様の部屋に飾りたいと思いまして。

ハウレス

そ、そうか……

ボスキ

そういう事だ、それじゃあな

ベリアン

っあ、ま、待ってください!!

そう軽く手を振り去ろうとするボスキくんをいつの間にか引き止めていました

ボスキ

っと……ベリアンさん、ど、どうしました?

ベリアン

その…ボスキくんは主様が部屋に居ないので模様替えを?

ボスキ

はい…。

ハウレス

ちょっと待て、おかしいな

ハウレス

今日は主様が泊まって行くと仰ってた日……あっちの世界に戻られたのか?

ボスキ

いや、どうやらそうじゃないっぽいぞ?

ボスキ

俺も主様のように部屋に入ろうとして居なかったから凄い驚いたんだが……どうやらエスポワールに行ってるらしい

ボスキ

アモンが危ない、って引き止めたらしいが……ん、その様子だと上手く行かなかったらしいな。

ベリアン

と、言うことは主様は今エスポワールで1人、ですか?

ボスキ

……(無言で頷く)

ハウレス&ベリアン

それだ!!!

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