気づくと私はあまり生活感のない白い部屋に居た
華夏
あ、れ…
春千夜
テメェほんと何も喋んねぇのな
春千夜
てかなんであんな小汚ねぇ場所に居たんだよ
テーブルの上に置かれた挙銃に目を惹かれた
この人は察するに、一般人ではない
私、殺されちゃうかな
華夏
あの、えっと……三途、さん
春千夜
あ"?
春千夜
てか風呂入れ、きたねぇ
ズカズカと歩み寄ってくる目の前の男が怖い
華夏
………
振り上げられた手を今か今かと待ち望んだ
華夏
……は、
私に振り被った手は、私を温める体温となっていた
女が俺を待ち望んだ様な顔で見上げた
春千夜
(慣れてんな)
俺がされたかった事をコイツにしてやった
ただ、冷え切った体温が女を拾った俺の頭を冷やしてくれると思った
華夏
は、
春千夜
文句言うんじゃねぇぞ
春千夜
言った瞬間スクラップだからなァ?
何故か、あり得ない、そんな顔で見られた
春千夜
…テメェなにされたら喜ぶんだよ
華夏
…殴らないんですか、?
華夏
その、
キッッッッショ!!
春千夜
は?
華夏
……
春千夜
…つーかテメェなんであんな汚ねぇ場所に居たんだよ
華夏
えっと、彼氏に…捨てられて…
コイツに手を上げたのは男か
春千夜
お前、男に殴られたのか
コクコクと首をふる女は、怖がる素振りを見せなかった
春千夜
んで俺に殴られると思った…ってか
華夏
……殴ってくれないんですか?
春千夜
は?
殴って"くれないんですか"?
待て、この女
春千夜
お前、親は今どこにいる
華夏
刑務所にいます
虐待を愛だと勘違いしたか…
春千夜
めんどくせぇな…
処分する…訳にはいかねぇし……
春千夜
……おい、ドブ
華夏
ドブ……
春千夜
テメェ家事できっか?
華夏
…一応、できます
一々雇って金やるのもめんどくせぇし
春千夜
じゃあテメェは今日から家事をやれ
春千夜
…………
華夏
え、あ………はい
物足りなさそうな顔を俺に向けられても困る
…キマってるとき勝手に殴ってんだろ
それからこの女との奇妙な同棲生活が始まった