テラーノベル
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あっさりと身を引き 、 数歩離れる 。 鉄格子の鍵をがちゃりと開けた 。
pr
tg
扉を開けたまま 、 彼が振り返る 。 薄暗い廊下の向こうに彼の影が伸びていた 。
pr
そう言い残しては 、 ひらひらと手を振って廊下へ出ていく 。 もう行くのだな 、 と思った途端 _____ 振り返り 。
pr
そう 、 俺の名前を呼んだ 。 そのすぐ直後 、 鉄扉が重い音を立てて閉まり 、 再び鍵の回る音がした 。 彼の足音は 、 すぐに遠ざかって消えてしまった 。
tg
そ の 声 は も う 誰 に も 聞 こ え て い な い 。 溜 め て い た も の が 、 一 人 に な っ た 途 端 に ぽ た ぽ た と 零 れ だ し た 。
石造りの廊下に吸い込まれて 、 pr さん の気配は完全に消えている 。 牢の中に静寂が戻った 。 換気口から微かに流れ込む冷気が 、 tgの濡れた頬を容赦なく冷やしていく 。 見回せば 、 確かにベッドがあった 。 質素だが清潔なシーツに薄手の毛布が畳まれて置かれている 。 枕元には小ぶりなランプがひとつ 。火を灯せば手元くらいは照らせそうだ 。 それ以外は何もない 。 時計もない 。 朝が来たかどうかすら分からない場所で 、 ただ待つしかない 。
tgが震える手で毛布を引っ張り出し 、 身体に巻きつけた頃 、 どこか遠くで水滴が落ちる音だけが一定のリズムを刻んでいた 。
tg
毛布にくるまっても 、 身体の震えは止まらなかった 。 寒さのせいだけではない 。 天井の石組みを見つめながら 、 俺は必死に頭を巡らせていた 。 prさんは 「 朝になったら 」 って言った 。 つまり 、 この場所にも時間の流れがある 。 光が届かないだけで 。
さっき見たが 、 鉄格子は太く 、 力任せにどうにかなるものではなさそうだった 。 鍵もかかっている 。 廊下は迷路のようになっていると言っていたが 、構造を把握できれば __ 。 でも何より恐ろしいのは 、 あの男が 「 王 」 だということだ 。 吸血鬼の 、 王 。 逆らえばどうなるか 、 想像するだけで背筋が凍る 。
ふと 、 ランプの油が切れかけているのか 、 炎がちりちりと小さくなった 。 頼りない光が牢の隅を舐め 、 影が不気味に踊る 。 やがて疲労と恐怖に押されるように 、 tgの意識はだんだんと闇に沈んでいった 。
tg
どれほど眠っただろうか 。 tgが目を覚ましたのは 、 鼻腔をくすぐる甘い香りのおかげだった 。
pr
いつの間にか鉄格子の内側に立っていた 。 手には銀のトレイ 、 その上には焼きたてのパンと温かいスープ 、 切り分けられた果物が並んでいる 。 まるで普通の朝食のようだった 。 tgが寝ている間に入ってきたのだ 。 鍵を開ける音すら聞こえなかった 。
pr
tg
pr
tgの顔をじっと見つめた 。 昨夜の涙の痕がまだ頬に残っているのを確認するように … 。
tg
pr
tg
完全に固まった 。 あの冷酷な吸血鬼の王が 、 目を丸くして硬直している 。 抱きついてきたtgの体温が胸元にじわりと広がり 、 それが余計に思考を混乱させたらしい 。
pr
pr
pr
pr
だが 、 突き放すことはしなかった 。 tgの頭にぽすりと手を乗せ 、 わしゃわしゃと雑に撫でる 。
pr
tg
pr
tg
pr
ごしごしと目元をこする手首をそっと掴んで止めた 。 赤くなった目元を眺めて 、 ふっと息をつく 。
pr
呆れたような 、 けれどどこか柔らかい声色だった 。 そこでようやく 、 tgの瞼がぱちりと開いた 。 目の前にあるのは見慣れた自室の天井ではなく 、 冷たく光る石の壁 。 そして自分がしがみついているのは兄ではなく 。
pr
tg
pr
残念そうに両手を広げて見せたが 、 その顔はにやにやと楽しそうだった 。
pr
全く傷ついていない声で言いながら 、 一歩もtgのことは追わなかった 。 テーブルの方へ歩き 、 トレイをとんとんと指で叩く 。
pr
スープから湯気が立ち上っている 。 出来立てらしい 。 こんな地下牢にまで温かい食事を運んでくる手間を考えれば 、 少なくとも衣食住を与える気はあるようだ 。
tg
tg
tg
そう考えた後 、 口から出たのは神も予想していなかったであろう言葉だった 。 「 だいすき 」 。 そのひと言で 、 どれぐらい自分に堕ちてくれるのだろう 。 ただの純粋な疑問だった 。
pr
彼の顔が一気に赤く染まった 。
@ きみ以外なんて選ばないよ
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コメント
3件
2話投稿ありがとうございます(_ _) prくんの性格が素?に戻ってるのめっちゃすきです! tgくんの心の中の表現もどうやったらこんなにいいもの書けるんですか!? 次も楽しみにしてます(≧∀≦) また長文ごめんなさい…最高すぎてとまんなくて(?)
うわぁぁ第2話も最高だったよ…!!😭💕 prさんの「大好き言うて抱きついてきたくせに」の流れ、完全に弄られてて笑ったけど、でもベッド用意して朝ごはん持ってきてくれるの優しすぎん??監禁してるのに乙女みたいに照れるの反則級にかわいい…!🥺💘 そしてtgくんの「だいすき」がまさかの計算から出た言葉ってマジ?!あのタイミングでそれ言えるの凄すぎるし、prさんの赤面が止まらなくて読んでるこっちまでニヤニヤしちゃったよ〜!次の展開が待ちきれない!!🌸