短編小説

怖い話

吹雪編

これはあたしが小さい頃

よく友達と海で遊んでたんだよ

で、お盆の時期にも一緒に遊ぶことになって

ほら、よくお盆の時期に水辺に行っちゃいけない…って言うだろ？

それであたしたちも近所のおばあさんに言われたんだよ

「悪いことは言わないからよしな」

ってな

でも、あたしたちは行ったんだ

そういって友達は海へ入ったんだ

で、あたしも追って入ろうとしたら

友達は居なかった

あたしは怖くなって家へ帰ったんだ

そしたら友達が家の近くの公園にいて

って言ってきたんだ

そして首を横にふると…

友達は悲しそうな顔で海へ行った

そしたらさっきのおばあさんがきて

「だから行くなと言ったのに…」

「お嬢ちゃん、あとは大人に任せて家に入りな」

「今日はもう家からでるではないぞ」

「おばあちゃんとの約束じゃ」

あたしはそれに頷いた。するとおばあさんは…

「馬鹿なことをしてないですぐにあんたのいるべき場所へ戻んな！！」

と、あたしの後ろへ向かって大声を出した

訳がわからずに恐怖で震えていると

「お嬢ちゃん、後ろを向かずに真っ直ぐ帰りなさい、寄り道はしないこと」

「じゃなきゃ…」

「引き摺られるよ」

翌日、溺れて死んでしまった人がニュースで出ていた

まさかと思い、見てみると

そこには友達の名前があった

そしてその瞬間パッッっと画面が代わり

水でふやけてぐにゃぐにゃの顔がテレビに出て来て

こう、言ったんだ

「ねぇ、何で来てくれなかったの？」

「ほら、一緒に海へ行こ？」

次の日、あたしの足は勝手に動いていき

そこについたんだ

そう、海に