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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

お父さんのお婆ちゃんが亡くなっため、私は両親に連れられてお婆ちゃんの田舎に連れられてきた

お婆ちゃんの家は山奥の村にあった

この村は昔はそれなりに栄えていたそうだが、今はほとんど人が住んでいない。それでも、葬式の準備のため近所中の人が集まってくれた

私は特に手伝うこともなく、暇だったため

女の子

そこらへんを散歩してていい?

お母さん

あまり遠くに行かないでね

と言われたので、私はそのあたりを散歩して、少し山道に入った

けど、気が付いたら、自分がどこにいるのか分からなくなっていた

女の子

ここどこ?

なぜか自分が通ってきたはずの道が消えていたのだ

女の子

あれ?

女の子

こっちから来たよね?

自分が来た道を引き返したが、やはり見覚えのない山道だった

私は焦った

それでも、このままではどうしようもないので、とりあえず道沿いに歩くことにした

しばらく歩いていると、分かれ道にぶつかった

女の子

右か左か

女の子

…………左でいっか

来たときには、別れ道なんてなかったのに……

しかし、しばらく歩いていると、少し先に家が見えた

女の子

やった! 家だ!

自分のお婆ちゃんの家ではなかったが、誰かいれば道を聞ける。そう思って私はその家に駆け寄ろうとしたが、すぐに足を止めた

その家は廃屋だったのだ

女の子

なぁんだ……

私はがっかりして、近くにあった石に腰かけた

女の子

どうやって帰ろう……

そんなことを考えていると、向こうから変なものが近づいてきた

女の子

なに、あれ?

人間が四つん這いになって歩いているように見えた

でも、近づいて来るにつれ、その異常さはっきりしてきた

女の子

ば、化物?

私はとっさに廃屋に駆け込んだ

鍵をかけようとしたが、壊れていてかからなかった

女の子

どっかに隠れないと……

辺りを見回すと、部屋に置いてあった机が見えた。私はとっさにその机の下に隠れた

化物は私がいる部屋に入ってきた

が、化物は耳をすますようなしぐさをした後、玄関に戻り、今度は匂いを嗅ぐようなしぐさをした

女の子

(あの化物、眼が見えてないのかも……)

女の子

(でも、こんな狭い場所じゃ、見つかるのは時間の問題だ、どうしよう……)

女の子

(そうだ!)

私は靴下を脱ぎ、机の下に置いて、音をたてないように這い出した

化物匂いをたどってきたのだろう、再び部屋に入り、机の下に近づいてきた 匂いにつられたのだろう

女の子

(今のうちに逃げないと……)

でも、さっき玄関の扉を開けると大きな音がした。ここからでは玄関に近すぎる。すぐに追いつかれてしまうだろう

女の子

(裏口でもあればいいのに……)

私は部屋中を見た。すると、奥に扉が見えた 扉は半分開いている。あれなら、音をたてずに出られそうだ……

扉を抜けると、廊下になっていた 私はとりあえず奥を目指して移動した

けれど、足音に気づいたのか、化物は私の後を追ってきた

女の子

(まずい!)

私はとっさにズボンを脱ぐと、それを前の方に投げ、私自身は横の方へ行った 今度は、音をたてないようにしないと……

奥の方には窓が見えた。けど、開けるときに音をたてたら、あの化物に気づかれてしまう…… 

女の子

あっ!

女の子

!!

思わず声を出してしまい、急いで口を押えた 奥の窓は壊れていて、ガラスがはまってないようだった

女の子

(あの高さなら、飛出せる)

女の子

(飛出すときに音がするかもしれないけれど、気づかれたときにはもう外だ)

女の子

(あそこまで行かないと……)

しかし、さっきの声を聞かれて、化物はこっちに近づいていた

女の子

(慎重に、音をたてないように……)

女の子

(今だ!)

私は窓枠に飛び乗った

その音を聞きつけ、化物が手を伸ばした!

女の子

きゃ!

化物の指が、私のショーツを掴んだ!

私は必死で、ショーツを脱ぎながら窓の外へ飛び出した!

女の子

はぁ、はぁ……

ふり返ると、化物が手さぐりで窓を調べていた

女の子

今の内だ!

私はもう後ろを見ず、全力で走って逃げだした

その後、どこをどう走ったか覚えていない

気が付くとお婆ちゃんの家にたどり着いていた

お母さんには

お母さん

なんてかっこしているの!

と言われたが、私は泣きながら化物の話をした

どうやらその村では、ああいう化物が出没しては人を襲っていたという伝説があるらしい だけどお父さんも実際に襲われたという話は初めて聞いたという

女の子

でも、どうしてあんな化物が?

お母さん

さあ……

お母さん

昔この村に住んでいた人が、何かしたのかもしれないわね

お母さん

何にせよ無事でよかったわ

私はそれから、二度とその村には行ってない

もともと過疎化していたあの村は、もうじきなくなってしまうらしい

でも

そうなったら、あの化物はどうなるのだろう?

あのままずっとあの村に居続けるのか

それとも……

私は怖くなって、それ以上考えるのを辞めた

終り

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