テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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炭善？善炭？死ネタです

第1話 - 炭善？善炭？死ネタです

2020年07月08日

#BL

#炭善

#善炭

#死ネタ

#現パロ？

りんごちゃん

病院です。

善

なぁ、炭治郎？

炭

……

善

今度、夏祭りがあるぞ

善

禰豆子ちゃんと、伊之助と、俺とお前で行こうな。

ピコンっ

善

ん？

善

あぁ、ごめんたんじろ！

善

連絡来ちゃったよ、行きたくないけど

善

また来るからな

ガタンっ

ガラガラガラ

アオ

炭治郎さん？

炭

……

アオ

起きてないですよね…

アオ

善逸さん、心配です…

アオ

まるで起きているかのように喋って

善

こんなとこに鬼が？

宇

おう

善

人多いよ？

宇

だから危ねぇ。

善

位置は？

宇

あっちだ

善

俺、行っていい？

宇

勝手にしろ

宇

ま、死なない程度にな

善

音的にあの鬼弱そうだよ

宇

なら行ってこいよ

善

宇髄さんは？

宇

俺は位置確認だ。
神だからな！

善

神カンケーねーし。

善

んじゃ、行ってくる

宇

おう

善

はぁ……

炭治郎は起きないし……

鬼は湧くし……

善

チッ

いい事ない

今までいい事なんてなかったけどねっ！！！

女の鬼

あはぁ〜♡

女の鬼

美味しそ〜な男の子♡

善

お前？

善

人食ってるやつ

女の鬼

ええ♡
そうよ？

善

俺が美味しそうなんて、馬鹿だな

女の鬼

そんなことないわよ？
足とか美味しそう♡

善

ま、鍛えてますし…

鬼と雑談とか終わってる(笑)

善

てかさ、お姉さん殺していい？

女の鬼

ふふっ♡
そんなこと聞かないでよ

善

なんで？

女の鬼

なんでもよ
アナタは嫌じゃないの？

善

俺、鬼じゃないしわかんない

善

でもさお姉さんも俺に襲いかからないよね

女の鬼

……私達似てる気がするの

善

は？

女の鬼

なんでかしら？

善

ん……(音を聞く)

キィーーーン

善

ね、もしかして恋人を思ってる？

女の鬼

当たり♡
よく分かったわね

善

俺耳いいの。

善

俺も恋人待ってるのよ

女の鬼

そう

善

なかなか起きないの

女の鬼

同じ鬼狩り？

善

うん。凄く強いよ

女の鬼

でも、鬼にやられたの？

善

そうみたい…

善

その場に俺が居たら助けられたのに

女の鬼

彼は私が食べちゃったの

善

へぇ、好きな人なのに？

女の鬼

「好きな人だから」かしら

女の鬼

あの時は、

女の鬼

「私が食べたから、私の中で生き続けららる！」

女の鬼

なんて思ってたのよ

善

ふーん…悲しい？

女の鬼

えぇ、

善

鬼になったの後悔してる？

女の鬼

……うん。

女の鬼

殺されても、あの人は天国、私は地獄だもの……

善

そうだよね…

鬼とは一定の距離を置いてポツンポツンとはなす。

いつ襲いかかられてもいいように刀は直ぐに抜けるように。

でも女の鬼からは殺意が感じられなかった

全くじゃないから炭治郎のアレとは違う。

女の鬼

ね、キミ、名前は？

善

聞いてどうするの？

女の鬼

呪ったりはしないわ
ただ、覚えておきたいの。

女の鬼

鬼と知っても話を聞いてくれる、優しいオトコノコ。

善

じゃあ先にお姉さんが教えて

女の鬼

私、

和美よ。

善

か、すみ？

女の鬼

ええ、

善

……お前、1回俺を捨てた？

女の鬼

名前は？

善

善…逸だけど

女の鬼

その名前、
お父様が捨てたわ…多分

女の鬼

でも、それ何百年も昔の話よ？

善

俺さ、前世の記憶あんのよ

女の鬼

そう、その際はごめんなさい

善

いいの、運命だね

女の鬼

そうね

善

その想い人って

善

洋一さん？

女の鬼

そう！そうよ！

善

御付き合いしてたよね

女の鬼

うん……ｸﾞｽ

善

え？泣いてんの？

女の鬼

泣いてないわ……ﾋﾝ

女の鬼

ねえ？

善

なに？

女の鬼

善逸くん、私を殺して。

善

いいの？

女の鬼

うん。

女の鬼

思いっきり痛くしていいわ

女の鬼

首を切る前に内蔵をグチャグチャにしてもいいのよ

善

女の子にそんなこと出来ないよ

女の鬼

………あなたは、変わらないのね

女の鬼は優しく笑った

善

また、来世で…おやすみ

女の鬼

えぇ

干天の慈雨!!!

女の鬼

……ぇ？

善

痛くないように、これからもっと辛いことがあるだろうから……

女の鬼

ありがとう……

女の鬼は掠れる声で感謝を伝えた。

善

またね、和美ちゃん。

俺は炭治郎に水の呼吸を教わった

女性の鬼はこういうタイプが多いから悩みを聞いて、満足して、

自分の死をゆっくり認める

どんな姿になっても女の子は女の子なのだ。

醜い姿になっても、

最後の笑顔は可愛いんだよね

善

はぁ、

宇

おかえり、善逸！

善

うん、ただいま

宇

また怪我ねぇな

善

御悩み相談でした

宇

お前はそれ得意だよな

善

まあね笑

善

ってか、他の鬼は？

宇

みんな柱が倒したよ

宇

まぁ、大正時代ん時よりすくねぇし

善

そうだね…

善

炭治郎、まだ起きない？

宇

おう

善

俺、任務ないなら炭治郎んとこ帰るわ

宇

気をつけろよ

善

アオイちゃーん

アオ

あ！おかえりなさい！

善

ただいまぁ〜

アオ

御夜食の支度を致します！

アオ

お風呂に入って着替えてお待ち下さい

善

うん、ありがとう

アオ

いえ

お風呂……あったかい

炭治郎、いつ起きるんだろ

広いな……お風呂

静かだな…

水滴の落ちる音が聞こえる

伊之助も長期任務だし、

寂しいな

ん？

何で寂しいんだっけ？

俺は今までずっとこうだったじゃん

1人のご飯も風呂も布団も。

前世思い出すまでやっぱり捨て子で

売られて

買われて

人の愛を知っちゃったんだ俺

コレは知っちゃいけない。

知ったら………… 戻れなくなる

善

でも、知っちゃったしなぁ

善

露天…やっぱりいいな

善

星だぁ

……始めてこの風呂に入ったのも炭治郎と2人だった

都会に居たからか星に詳しい俺と何も知らないアイツ

話が弾んで、のぼせたな…

善

たんじろぉ

善

……！

善

早く出なきゃ！

善

御夜食出来てるかも！

善

炭治郎にも会わなきゃ

アオ

あ！善逸さん！

アオ

待ってたんですよ？

善

ごめんねぇ
アオイちゃん

善

そうだ！
御土産あるんだよね

善

なほちゃん達、起きてる？

アオ

すみません…寝てしまって

善

そっかー、起きたらコレあげてね

アオ

ありがとうございます！！

善

はい、アオイちゃんに

アオ

髪飾り？

善

うん、でも蝶々の髪飾りがあるでしょ？

アオ

はい

善

付けてあげるね

パチンっ

アオ

わぁぁぁ✧︎

アオ

蝶にお花がついた！

善

ウンウン！

善

似合うと思ったー！

善

カナヲちゃんとしのぶさんは？

アオ

起きていらっしゃると思います！

善

2人にも御土産あるから、渡して来ていい？

アオ

お夜食の後で行かれたらどうです？

善

そうだね！
せっかく作ってくれたし、

喜んでもらえた。

女の子ってふわふわで可愛い

こんな小さな飾りでもこんなに喜んでもらえる。

女の子には、嫌われたくない

野郎にも…まぁ、嫌われたくないけど

女の子が怒ると胸が痛くなる

アオ

さぁ、どうぞ

アオ

お召し上がりください

善

うん、ありがとう

善

頂きます

善

アオイちゃんも、そろそろ休んだら？

アオ

はい…ありがとうございます

アオ

善逸さんの食器を片付けたら寝ますね

善

なら急がなきゃ！

アオ

あははっ
ゆっくりでいいですよ

あ、笑った。

よく怒るアオイちゃんも笑えばこんなに可愛い

善

わぁ……
美味しいね、コレ

アオ

良かったです

アオ

最近、善逸さんの顔色が良くないのでお腹に優しいものを入れて作りました

善

そっかー
ありがとうね

アオ

いえ

善

ご馳走様でした

善

あー！
美味しかったー！

アオ

良かったです！

善

じゃあ、御土産渡してくるね

アオ

はい、

本当に美味しかった

アオイちゃん達、日に日に上達してるなって思う

何様って感じだけど 1番近くで見てるつもりだから自信はある

さぁ、カナヲちゃんの部屋の前に着いた

コンコン

カナ

誰？

善

俺だよー

カナ

入ってきていいよ

善

イヤイヤ、女の子のお部屋だから申し訳ないよ

カナ

いいよ、おいで

善

お、お邪魔します

カナ

ん、いらっしゃい

善

今日はね、御土産買ってきたの

カナ

え？

善

ジャーン

カナ

お花？

善

そうそう！

善

今付けてあげるからね

カナ

うん、ありがと

パチンっ

カナ

蝶の髪飾りの上から付けるの？

善

うん、胡蝶屋敷の子達はその髪飾り大事にしてるから

カナ

善逸は、そんなことまで考えてるんだね

善

うん、喜んで欲しいから

カナ

わぁ！
可愛い

カナ

もう1つの袋はなぁに？

善

あぁ、コレ？

善

コレはしのぶさんの

カナ

へぇ、そんなに買ったの？

善

まぁうん

カナ

凄いね、沢山貯めてるの？

善

女の子の為ならなんでも出来るから

カナ

ふふっ、凄いね

善

ありがとう////

カナ

姉さんが寝る前に行った方がいいんじゃない？

善

そうだね！
行ってくる

喜んでもらえた

やっぱり女の子は可愛い

アオイちゃんにはアオイちゃんの

カナヲちゃんにはカナヲちゃんの

それぞれの可愛さとか可憐さとか美しさがある

因みに髪飾りの色は

アオイちゃんが青色

カナヲちゃんが桃色

しのぶさんには藤色

なほちゃん達はお揃いで緑色にした

明日の朝は可愛いお姫様達でいっぱいになるんだろう…

そろそろしのぶさんの診察室

コンコン

しの

はーい？

善

我妻です

しの

あぁ、どうぞお入りください

善

失礼します

善

しのぶさん！

しの

なんですか？

善

今日は御土産があるんです

しの

またですか？

善

すみません

善

コレです

しの

可愛いお花の髪飾りですね

しの

……？
直接髪につける訳では無いのですか？

善

貸してみてください

パチンっ

しの

まぁ！

しの

蝶の髪飾りに付けるんですね！

善

すっごく似合ってます！

しの

嬉しいですね！

しの

でも、

しの

毎回毎回、御土産も嬉しいですが自分の為にも使って下さいね？

善

いや、
俺の為に使ってますよ

しの

でも、自分のは買われてないでしょう？

善

イヤイヤ、皆に喜んで貰えれば俺は何倍も何倍も嬉しいんですから！

しの

そう、ですか？

しの

あ！そろそろ眠らないと、

しの

明日、急遽任務が入った場合に大変ですよ

善

もうそんな時間ですか

善

真夜中に失礼しました

善

それでは

炭治郎……

起きてよ……

また俺を叱ってよ……

善

失礼しまーす…

返事は無い

善

炭治郎？
いる？

やっぱり…

善

あ……

善

炭、治郎？

炭

……

善

今日は遅くなってごめんね

善

鬼と話してたら遅くなっちゃった

善

…俺ね、任務なんて行きたくない

善

今まではお前が居たからか頑張れたんだよ…

善

炭治郎、死ぬなよ

善

俺を1人にしないで

善

俺より先に死んだら許さないからな

善

俺がうっかり鬼になったら

善

お前に殺してもらうって決めたんだよ

善

大好きなお前に殺してもらえたらきっと幸せだろ？

善

俺が死ぬ時はお前の近くがいいな

善

だからさ

善

先に逝くなよ。

善

なぁ、

善

たんじろぉ

善

また喋ろうよ

善

俺が盗み食いして、
前みたいにお前が叱るんだ

善

寂しいよ

善

ねぇ

善

起きてよ

堪らない気持ちになって炭治郎の手に触れる

まだ温かい。

音はいつもと違うけど

きっと生きてる

炭治郎の熱いくらいに綺麗な瞳を

俺にしか見せない甘えん坊で可愛い所を

俺にしか見せない長男を忘れた我儘な所を

何時だってお前は皆のヒーローなんだよ

善

なぁ、炭治郎

善

お前はこの世の誰より主人公だよ

善

主人公が死んだら、物語は終わるんだぞ

善

だからさ、

善

起きてよ

炭

……

善

はっ！

アオ

善逸さん？

アオ

こんな所で寝て、

善

ごっ、ごめん！
アオイちゃん！

善

炭治郎は？

炭

……

善

そう…だよね

善

…アオイちゃん、炭治郎ってなんで起きないの？

善

そういえばちゃんと聞いてなかったなーって

アオ

ああ、でしたらしのぶ様に

善

そうだね、ありがと

炭治郎は起きない。

まるでおとぎ話のお姫様みたいに

でも、現実は甘くない。

真実のキスなんてない

奇病かな？血鬼術かな？

悪夢でも見てるのかな…

昨日の夜は眠りが浅く、嫌な夢を見た

俺が死んで、アイツが一人ぼっち

今とは立場逆転って感じで

アイツはそれについて悲しまなかった。

まだ任務があって俺なんかに気をかけてはくれなかった

なかなか現実味のある夢

せめていい夢が見たかった

アイツも生きてて

好きだよって言い合える

愛してるって伝え合える

都合のいい夢。

しの

あら？
善逸くん？

善

はい、炭治郎の事で

しの

わかりました

しの

入ってください

善

……失礼します

しの

それで……？

善

炭治郎、もう半年近くは寝たきりですよね？

しの

ええ、

善

コレは血鬼術なんですか？

善

それとも、頭を打ったとか？

善

精神的な問題だったりします？

しの

……

善

……

しの

善逸くん

しの

とても言い難いとですが

全く変わらなかった音が揺らいでいく

しのぶさんの表情が壊れていく

今の俺には何となくでも察する事しか出来ない

しの

炭治郎さんは

ｷｨｰｰｰｰｰｰｰﾝｯ!!!

善

ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ!!!

しの

善逸くん！？

何？なんなの？

聞こえない……

音が…なんにも

しの

善逸くん！！

まるで脳がこの事実を知ることを拒んでいるみたい…

今までこんな事無かったのに

善

うっ！あぁ！

善

はァ、はァ

息が上がる

血の気が引く

頭が痛い

視界が回る

酷い耳鳴り

確実に様子がおかしい

善

あっ……

駄目だ……

脚に力が入んない

善

うぁぁっ……

バタンっ！

しの

大丈夫ですか！

昨日はアレから寝てしまったらしい

炭治郎の隣のベッドで目を瞑っている

足に力は入らない

耳鳴りは昨日よりはマシ

初めての体験。

怖い

嫌だ

死にたくない

気持ち悪い

しのぶさんからは心配するなと言われている。

受け止めきれない現実から目を背ける為の脳の働きだとか

難しすぎて俺にはわかんない

もし炭治郎も同じだったらどうしよう

辛いだろうな

せめて好きだって言ってくれた俺の匂いとか…

イヤイヤ、野郎の匂いなんて嫌だろ

でも炭治郎の音は好き。

今はあの時の音はしないけど

起きてくれないかな

しのぶさんに教えてもらったはずの炭治郎については

俺が拒んじゃったから分からない

善

なぁ、炭治郎？

炭

……

善

お前、まだ生きてる？

炭

んっ…

ガタンっ！！！

善

たん、じろ？

善

あっ……あぁ…

慌ててベッドから飛び降りた

炭

ぜ…い…つ？

善

うん、うん……
俺だよ、善逸だよ

炭

ごめ…なぁ。

善

なんで？
なんで謝るの？

炭

俺は、善逸を置いて行ってしまいそうなんだ

善

いいよ、いいよぉ、

善

俺も直ぐに死ぬと思うし

炭

そうかな、

炭

善逸は強いから、死なないよ

善

うん…ありがとうね

炭

善逸、愛してるからな

善

ありがとぅ、
俺も炭治郎が大好きだよ

炭

嬉しいな…

炭

そっか、
またなぁ…善逸…

善

先に行っててよ、
すぐ追いかけるから

炭

禰豆子をよろしく……

炭治郎の音が完全に消える

善

ごめんね炭治郎、

善

禰豆子ちゃんは、別の人の為に生きてるよ

善

だから俺はもう必要ないね、

俺は鬼を倒すための毒を持ち歩いている

人も殺せる毒。

善

またね、みんな。

善

ゴクンッ

ドサッ！

しの

善逸くん！！！！

アオ

炭治郎さん！！！

カナ

炭治郎……
善逸……

宇

チッ

宇

後追い自殺か……

しの

この毒…

しの

私が持たせてしまったものです

しの

飲んではいけないとあれだけ……

アオ

善逸…さんっ

カナ

ねぇ、この袋は何だろ？

しの

……炭治郎と書いてあります

しの

！

しの

桑の実

カナ

桑の実……花言葉は

共に死のう

END

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