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私の「彼女」だった。
銀杏の香りを纏う 笑顔が素敵な女性。
いつもの食卓に 彼女はいるはずだった。
彼女が死ぬまでは。
玲
何も考えたくない
何も食べたくない
死んでしまいたい
目眩がした、 感覚は嗅覚を呼び覚ます
それは大量の銀杏の香りを 運んできた
彼女がそこにいるのに いない事実に吐き気がした
玲
玲
「何も考えたくない」ではなく 「何も考えられない」が正しかった。
「何をしているか わからない」
次に見えたのは 銀杏に染まる空だった
匂いに包まれながら私は 目を閉じた