奏
何で……血……
奏
嘘、でしょ……
奏
奏
秀……
秀
奏……ま、さか…………コン、デンサー室に…入るのか……?
奏
えぇ……そうだけど……
秀
やめろ……
秀
絶対に、入る、な……
奏
な、なんで……?
ボロボロの秀がよろめく。
秀
くっ………
奏
ちょっと……!どうしたのよ!!私の心配より秀の心配でしょ!!
ゆっくりと秀を座らせる。支える度に手に、顔に、服に秀の血が染付く。
奏
メニコでしょ
秀
正解。……頑張って……逃げて、来たんだ……
秀
それで……メニコ、が……言ってたんだ……
秀
「コンデンサー、室に……かわいい餌、がいる」って、さ……
奏
やっぱあいつ………私に真実なんて話す気はなかったんだ……
秀
だから……行くな………
奏
ありがとう、秀
秀
お前が……死んだら重大だから、な……
奏
秀。安心して。私が時を戻すから
秀
気を、付けろよ……
奏
当たり前でしょ?
秀
はは……
秀
なんか……いつもと違う、奏みたい、だな……
奏
そんな冗談が言えるなら耐えられそうね
秀
んだよ……冗談、って
秀
本当だ、よ……なんか、たくまし、く見えるし……オーラ……?が、違うんだよ
奏
何回も……見てきたから、かな
秀
不思議な、色に見える……
奏
はぁ?変な風に見えるなら、時が戻るまで目瞑って待ってなさい
奏
それじゃあね
背を向ける。
もう、この世界線の秀の声も聞くことができない。
秀
変な……紫色……
秀
頭……打たれた、っけな
奏
次こそは……
水晶を手に取る。
意識が霞む。
奏
脱出……する
奏
扉から……
奏
みんなで
茜
茜
奏さん!!
奏
うっ……!?
秀
おい奏……しっかりしろよ……
奏
あれ、秀……なんでいるの…?
秀
俺が居ちゃ悪いか?
奏
いや……
ヴェリタ
おはよう、奏。この目覚めにも慣れてきて、早く起きられるようになったのかい?
奏
早く……
ヴェリタ
取り敢えず、この水晶に触れると時を戻すことができるんだ
ヴェリタ
ヴェリタ
いや、"できた"んだよ
茜
どういう……
奏
制限時間……?
ヴェリタ
ふふふ……大正解だよ奏
ヴェリタ
取り敢えず、脱出するために頑張りたまえ
ヴェリタ
ヴェリタ
また、繰り返さないでくれよ
甲高い靴の音を響かせながらヴェリタは光も中へ消えていった。
奏
このループが……最後
秀
俺には何が何だかわからないんだが……
茜
奏さんは……ご存知、なんですか……?
奏
ねえ、二人とも……
奏
私は、何度も何度もループしてきたの…だからこの後、何をしたら、何が起こるのか………わかるの
奏
けど、全部悲惨なものだった……
奏
まだ何回もループして一番いい終わりをしたかったけど、時間がないの
奏
ここを逃したら、本当に終わり
奏
だから……
奏
だから、私に何も言わずについてきてほしいの
秀
秀
奏……
奏
まずは、メインホール。新を助けに行くよ
奏
全員で、絶対に脱出するよ







