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増田くんも〇〇も辛いですね… これってあとどれくらい続きますか?? 全然展開が読めない…… 付き合ってほしいなぁ〜
辛いな… これ付き合わないパターンも有り得そう…
体育館の近くに着いた時……
女子
風に乗って聞こえてきた女子の声に、思わず足が止まった。少し先の角に伸びるふたつの影。邪魔しちゃ……悪いよね。
増田
女子
増田
女子
増田
女子
増田
貴久の声に、胸が締め付けられた。
優しい笑顔の裏にこんな本音が隠れていた。
どれだけ貴久を傷つけてしまったのだろう。
私本当に大バカだった。
貴久は真っ直ぐ私を想ってくれていた。
女子
涙混じりのその声が痛い。
増田
ごめんね……貴久。
貴久の優しさに甘えるのはもう辞めるよ。
私はその場からサッと離れた。
図書室に向かうけど、図書室の鍵は空いていない。ついてないや……。
近くの窓から外を覗き込むと、 貴久と女の子の姿はもうなかった。
突然スカートのスマホが震えた。
“とっくに終わってるよ。早く来なよ。”
それは貴久から。まるで何事もなかったかのようなメッセージを見て胸が痛む。
なんであんな酷いことしたのに普通に接してくれるの?貴久は………。
分かってる。貴久は優しくて、強いから。
だからなんでもない振りをしてくれる。
“ごめん。すぐ戻る。”
それだけ返すと、教室にかけ出す。
??
肩で息をしている私に声をかけたのは……
呆れ顔の貴久だった。
私がボーっとしていた間にクラスは解散していたらしく教室に人は残っていなかった。
○○
増田
そう言って笑う貴久の顔はやっぱりぎこちなくて、いつものように返せない。
そんな私を察したのか、貴久は目を伏せた。
沈黙を奏でる私たち。
なにか、何か言わなきゃ。
増田
沈黙を破ったのは貴久だった。
私を見ないで、教室を出ていこうとする。
○○
私は貴久を無意識で止めていた。
○○
増田
まるでそう言われるのを分かっていたみたいに、貴久が動揺する。いつもは、頼もしいのに、今の貴久の背中は小さく見えた。
○○
増田
○○
増田
○○
これ以上優しい貴久に甘えるのは嫌なの。
○○
今まで頼ってばっかでごめん。
苦しめて、傷つけて、ごめん。貴久…。
○○
増田
○○
増田
いつも笑っている貴久が瞳を揺らしている。
貴久の気持ちが痛いほど分かるから、 胸が苦しくて仕方ない。
○○
もう貴久を苦しめるようなことはしないよ。
○○
ごめん貴久。何度言ったって足りないよ。
黙り込む貴久に背を向けて私は歩き出した。
貴久がどんな顔してるかなんて想像出来るから、貴久を見ることが出来なかった。
いつも私を助けてくれて、 そばにいてくれた貴久。 どんな時も貴久の優しさに救われてきた。 だから、貴久には心から笑って欲しい。
もう、苦しめるようなことはしたくないんだ。
つづく…