地面に崩れ落ちるらんを、無意識に抱える。
冷たい。なんで?
らんの左胸に手を当てる。……脈動な感じられない。
心臓は動いていなかった。
───…まるで、何かの映画のワンシーンみたいだ。
首からダラダラと流れ出る血。
止めようとしてももう遅くて。
らんの右手に握られた、血のついたナイフ。
それを手に取ろうとした瞬間、後ろから偽善者共が駆けつけて来た。
いるま
俺は…所謂、放心状態という奴になって。
白日夢を見ているのではないか、願望に近いその思いも
鳴り響くサイレンの音によって掻き消されて
警察
警察
警察
気付けば、俺の手に手錠が掛かっていた。
気付けば、パトカーへと乗せられていた。
……気付けば
気付けば、どこにも居ないんだ。
──…俺の、大切な人が。大切な人だけが──。
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いるま...捕まったんか……