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放課後の校舎は、静かだった
ほとんどの生徒が帰ったあと、音楽室からだけ音が漏れていた
ジャーン
少し歪んだギターの音
ur
椅子にだらしなく座りながら、茶髪の男子がギターをかき鳴らしている
黒离(うり)
自由奔放で、授業中も落書きばかりしている問題児
でも一度好きなことを見つけると、時間を忘れるタイプだった
ur
ジャーン
また同じフレーズを弾く
そのとき
ガチャ
音楽室の扉が開いた
mf
低い声
黒离は振り返った。
そこに立っていたのは、見たことのない男子だった。
濃い紫色の髪
整った顔
そして、眼鏡
冷たい目でこちらを見ている
mf
ur
ur
mf
ur
黒离は肩をすくめる。
ur
そう言って、またギターを弾いた
さっきのフレーズ
数秒後
紫髪の男子がため息をついた
mf
ur
mf
彼はピアノの前に座った
鍵盤に指を置く
そして
ポーン
澄んだ音が響いた
mf
次の瞬間
黒离の弾いていたメロディーが、ピアノで完璧に再現された
しかも
さっきよりずっと綺麗に
黒离はぽかんとした
ur
mf
ur
ur
mf
ur
男子は眼鏡を押し上げた
mf
ur
黒离は立ち上がってピアノに近づく
ur
mf
少し沈黙
mf
ur
黒离はにやっと笑った
ur
mf
紫苑の眉がピクリと動く
mf
ur
mf
ur
mf
黒离は笑いながら言う
ur
mf
ur
mf
黒离はまたギターを構えた
ur
mf
ur
ジャーン
ur
紫苑は眉をひそめた
mf
ur
黒离は楽しそうに笑う
ur
紫苑は少し黙った
そして小さく言う
mf
mf
ur
mf
紫苑の指が鍵盤を叩く
音が流れる
その瞬間
黒离の目が大きくなった
ur
メロディーが、つながった
まるで最初から一つの曲だったみたいに
黒离はしばらく黙っていた
そして、ふっと笑った
ur
紫苑を見る
ur
mf
ur
紫苑は即答した
mf
ur
mf
ur
mf
紫苑は立ち上がる
mf
ur
mf
ur
黒离はギターを鳴らす
ジャーン
ur
紫苑の表情が一瞬止まった
ur
mf
ur
mf
ur
沈黙
ur
そう言って音楽室を出ていく
扉が閉まる
静かな部屋で
紫苑は、さっきのメロディーをもう一度弾いた
ポーン
そして小さく呟く
mf
少しだけ、口元が緩んだ
その日から
二人の音楽が始まった
そして——
それがいつか
「だから僕は音楽を辞めた」
という言葉に繋がることを、
まだ誰も知らなかった