学校には行かなかった
親には「いってきます」って言ったけど
それは「行ってきます」だとは限らない
親は笑顔で「行ってらっしゃい」と返す
でも、その笑顔は作り笑いのお手本みたいな感じで
愛なんて伝わってこない
普段はメイクをしていた
友達に合わせる為に
私の世界は《友達色》で染まっていた
自分の色なんて見つけられずに
ただ、皆に合わせていた
友達の話なんて、共感しとけば好感度が上がる
無駄なアドバイスなんてしない方がいい
好感度が下がるから
私はゲーム感覚で友達を作り、友達と話す。
でも、今日はメイクをしていない
親はそれも気づかない
私に興味がないということと同じ。
私たちはただ、「幸せな家庭」を演じているだけ
私は学校を休んだ
けど、誰も困んないんだと思う
私の友情は今、浅く広い状態
友情の先には愛がある
だから、私はそれを求めて友情の穴を掘り進める
私が学校を休んだ理由はただひとつ
ゲームに飽きたから。
今度は私を初期化して、またゲームをインストールしようと思う
でも、その時の私は《普通に》生きてるのかな
来世の事なんて考えても仕方ない
そもそも、私は死んだら 神様から新しい命を授かる事が出来るのか、
ここでゲームを終わろうと思う。
人形のように青い瞳
艶のあるロングヘア
それを1本のゴムで結んだポニーテール
そして、麗しい笑顔
まるで、ゲームのヒロインの様だった
でも、ライバル役の神様が邪魔をしてきて
BADEND。
私は本当にヒロインになれていたのだろうか
悪女の取り巻きBみたいな。
そんな感じもする
プレイヤーなのかヒロインなのか取り巻きなのか。
そんなことを考えても仕方ない
でも
私は皆のヒロインでいなければならない
好かれて、好感度を上げて、笑顔を作る
皆が泣いてる時は泣いて、笑ってる時は笑って、悲しい時は悲しむ
合わせなきゃ、好感度が下がるから
でも、それも今日で終わり。
私がいなくなったら、 皆は悲しむのかな
親は泣いた《ふり》をすると思う
でも、その1週間後には私の事なんて忘れているだろう
友達は、多分泣いてくれると思う
私にゲームのキャラクターとして使われてたとも知らずに
モブキャラの役目を全うしてくれた純粋な私のドール達
青い空に輝く海
子鳥のさえずりが聞こえる朝
青い瞳が輝く。
ヒロインは死ぬ時まで美しくいたい
冷たくしょっぱい海水は
私の心を表しているようだった
もし私が悪女の取り巻きBだとしたら
取り巻きBより取り巻きAがいい
もし私がゲームのプレイヤーだとしたら
ただのプレイヤーよりプロがいい
欲を我慢して生きてきたけど
最後くらいわがまま言ってもいいよね
私は───
ヒロインになりたかった
さようなら
悪女はヒロインになりたかった
コメント
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初コメ&フォロー失礼します。 とてもよかったです!