暗く、照明の落とされた舞台と観客席。
けたたましくブザーが鳴り響く。
辛うじて見える紅い緞帳がゆっくりと上がっていく。
ぱっ、と舞台に光が降る。
広い観客席にたった1人しか居ない 観客は眩しそうに眼を細める。
そんなことはお構い無しに 舞台上の男とも女ともつかない体型の 『ヒト』 は語り始める。
背中あたりまでくらいの薄茶色の髪に、 鋭い青い眼光。
ぱっと見は女だが、声がなんとも中性的で、どっちの性だとも言い切れない。
所有者
所有者
所有者
所有者
所有者
ぱらり、とパンフレットを捲る音が鳴る。
1、道化の抵抗 幕間 2、魔女の憂鬱 幕間 3、人形の疑問 幕間 4、鬼人の激怒 幕間 5、妖精の孤独 幕間 6、悪魔の喪失 幕間 7、人魚の欲望 幕間 8、屍体の懸念 幕間 9、従者の吐露
観客はすぅっ、と眼を細める。
価値を見定めるような眼で演目を眺める。
所有者
所有者
所有者
所有者
するすると緞帳が降りる中、所有者は小さく、縋るような声で言う。
演目1、道化の抵抗は10分後に上映されます。 上映中の出入りはできません。 遅れぬようになさってください。
まぁ、演じていない所有者の台詞は 無情に鳴るアナウンスによってほとんど書き消されてしまったのだが。
きずいて
残り9演目
コメント
5件
いやぁ...すごい..... こういうすごい作品見てると書きたくはなるんだけどね、 かけないからさ
すげぇ…プロじゃん← 1人しかいない観客… 上映中の出入り不可… 僕に■■■■をくださいませ…? 謎が深まるばかりだぜ…((誰目線 男にも見え女にも見える… 男か女か分からない…? 性癖だぜべいb((