ブーブー、とけたたましくブザーが鳴り響く。
観客席に座るのは相変わらずたった1人。
観客のヒトは今か今かと、開演を待っている。
少しのノイズと共に先ほどのヒトの声がゲキジョウに響く。
案内人の声
案内人の声
案内人の声
案内人の声
案内人の声
案内人の声
淡々とアナウンスが進んでいく。
案内人の声
と、思ったら少しの空白がこちらに流れた。
案内人の声
案内人の声
軽い雑音が流れ、そこで放送は途切れた。
ゆっくりと、紅い緞帳が上がっていく。
紅い緞帳の先には永遠に続くのではないか、と思わせるほど長く、広い階段があった。
門番
その長い階段の中心に、黒髪の女性らしき人物は佇んでいた。
こちらに気がついたのか、ぱっと顔を上げて口を開く。
門番
彼女は落ち着いた女の声色で語る。
彼女は案内人とは違い、女性、という性別の枠に収まった存在のようだ。
門番
門番
門番
門番
門番
少し興奮した声ですらすらと自己紹介を済ませる。
門番
そこまで言い、門番は恭しく頭を下げる。
門番
その声と共に、階段がこちらへ近づいてくる。
なのに、彼女はそこでお辞儀をしたまま、動かない。
観客は驚いたかのように目を見開く。
階段は観客にぶつかることなく、すり抜けてゆく。
あっと言う間に、果てがないように感じた階段の端に辿り着く。
──そこには大きな大きな門があった。
門番は迷うことなく大きな門を開き、もう1度頭を下げる。
門番
観客は吸い込まれるように門に近づき、躊躇うことなく足を踏み入れた。
コメント
4件
電源はつけたままって、普通とは違う感じがして面白い...! 所々入る語り?の部分は主に小説(ここではノベル)で使われるものだけど、 それをあえてチャットノベルで使うっていう発想...めちゃめちゃ好き。 作風大好きなんよ....(幼稚な感想からは離れてみたよ)
電源はつけたままで!(( 門番…うぉすげえ() 謎が多すぎて全て片付けたいんだけどリコーダーの練習に追われてて 今何もできない()