喜志望
僕の仕事場へようこそ、待田さん
待田無夫
ふむ、依頼主が小説家だと、依頼の仕方もこだわりを感じるな
喜志望
ははは、そうかもしれませんね
喜志望
依頼は、16年前、僕が9歳の頃、母を殺した宮城参平を殺害してもらいたい
待田無夫
宮城参平、なるほど
待田無夫
16年前にあったショッピングセンター強盗事件の被害者の一人ですか?
喜志望
はい
喜志望
母は死んで、私は父親と育ちました
待田無夫
はい
喜志望
ただ、幾年過ぎてもこの傷と、母の死に顔を忘れてはならないと
喜志望
あんなやつでも16年で刑務所から出たらしい、と聞いて、死んでもらいたいと
待田無夫
分かりました
待田無夫
お父上の介護も、頑張って下さいね
喜志望
え、なんで、それを
待田無夫
この仕事場にも、介護の本がありますから、おそらく、と思いまして
喜志望
ははは、流石だ、待田さん、貴方は探偵としても成功していただろうに
喜志望
ありがとうございます
宮城参平
ったく、だりぃな、保護司の野郎
宮城参平
適当に仲間集めてまた、強盗してついでに保護司も殺って海外に逃亡すっか
待田無夫
屑は救えないな
宮城参平
あ?
待田無夫
パァン