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あっという間に日々は過ぎ去り、 季節は秋から冬に移り変わっていた。

もうすぐ冬休みを迎えるという時期。

だけど、貴久とは相変わらずで、 心に空いた穴は埋まっていない。

クラスの誰が話しかけてもまともに応じなく て、バスケ部の仲間ともあからさまに距離を 置いて、今ではもう笑っている姿は見なくな ってしまった。 貴久の周りには常に誰かがいたのに、 孤立してる時間が多くて、 休み時間や昼休みは、 みんなを避けるようにすぐに教室の外へ出てしまう。 そんな異様な光景に、 クラスの雰囲気も暗くなってしまった。

それだけ、貴久の影響力は強かった。

あの子への告白の返事も、まだ分からない。

“考えさせて”って言ったぐらいだし、 もしかしたら付き合っているのかもしれない。

もしかしたら今も一緒にいるのかも。

そう考えると辛い……。

愛未

○○って呼んでいい?

水曜日の放課後、 調理室で愛未ちゃんが話しかけてきた。 途中からなんのためにやっているのか分からなくなった部活だけど、入ってからはやり遂げようと思って続けてきた。

○○

うん。
じゃあ私も、愛未って呼ぶね!

愛未

うん!

愛未ちゃん、愛未とは、 毎週会うからだいぶ仲良くなった。 以前は手越くんの事があったから嫌な気持ちもあったけど、いまはそんなことも無くなった。だからこそ、距離が一気に縮まったんだ。

今日作ってるのはロールケーキ。

愛未の熱い指導を受けながら作った ロールケーキはなかなか上手くいったはず。

愛未

初めてにしては上出来!

と愛未はほめてくれた。 友人関係も充実しているけれど…

愛未

あっ、増田くんって部活やめたの?

○○

え……?

片付けしながら何気なく言った愛未の言葉に思わず一瞬固まる。

愛未

最近さ、
増田くんがうちの近所の公園でバスケしてるの見かけるからさ……。

○○

それ……ほんと??

愛未

うん。
毎日そこ通るんだけど、シュート練習してるのをよく見かけるかな。

貴久が、バスケを辞めるって言ってたのに…

今でも練習をしている……?

○○

その公園の名前教えて!

愛未から場所を聞き出した私は、 今日作ったロールケーキを持って駆けだした。

○○

ありがとう!愛未!!

何を話すかなんてきめてない。

だけど、走り出した足は止まらない。

足が痛い…。息が切れて苦しい…。

でも私は走るのを辞めなかった。

私は……!バスケをしてる貴久が……。

すき。貴久のバスケをしている姿が好き。

だから貴久にバスケを辞めて欲しくない。

でも私はそれを伝える事が出来なかった。

私の気持ちを押し付けるようなことはしたくなかった。今まで貴久の頑張りを知ってるから。 1度突き放したくせに、 今更って思われてもいい。 今話さなきゃ、後悔する。

く、苦しい。足が痛い。

もう、ダメだ。でも諦めない…。

貴久に会いたいから……!!

つづく…

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