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いつもこのバス停でバイバイを言った

バス停の裏を覗いたら

まだ君がいる気がした

10年前

柚愛

ねえ!今日はどこで遊ぶ?!

はしゃいだ声で私が言うと、

うーん…じゃあ、神社!!

太陽みたいな笑顔で君が答えた。

神社前

柚愛

この階段、意外とキツいよね……

ははっ、確かに…

やっぱり太陽みたいに笑った

少しずつ階段を登ると、鳥居が見えてくる

空には乾いた雲と君みたいな太陽

時々吹く風には、夏の匂いが含まれてる。

はーーーっ!!着いたぁーーー!

柚愛

やっと着いた……

君は鳥居をくぐって、神社の砂利に寝転んだ。

柚愛

ちょ、ちょっと!

いいの、いいの。

ここ、俺のおじいちゃんの所有地だから。

柚愛

え…?

はは、びっくりした?

思わず絶句してしまった私に、君が笑う。

やっぱり太陽みたいだ。

柚愛

そっか……

私は君のそばにしゃがんだ

俺さー…

急に君が話しだした

留学したいんだよねー…

もっと世界を知りたい。

真剣な顔で言う君に、夢見てるなぁ、と思った。

柚愛

夢…か。

君の言うことには追い付けないや……

ま、

大人になりたくないなー!

空気を変えるように君が言うから。

柚愛

本当!大人になんてなりたくないや!!

なにかを吹っ切るように私は言った

その年の8月

8月5日!

空いてる?

柚愛

え?

柚愛

柚愛

空いてるけど……

突然君が言うからびっくりしてしまう。

柚愛

何かあったっけ?

ふふ。夏祭り~!!

なんだか嬉しそうに言う君に、頬が緩んだ

あ!笑った!バカにしただろ?!

柚愛

はは、してないよ~

8月5日!いつもの神社だぞ!!

柚愛

はいはーい

少し、子供っぽいなと思ったのは、ここだけの話。

当日

柚愛~!!

少し遠くで、私を呼ぶ声がする。

柚愛

あ!いたー!

鳥居の前に、君がいた。

柚愛

ごめんね、待った?

うん。

『俺も今来た所!』とか言わない所、素直だなぁ……

回ろっか。

柚愛

うん。

神社には、沢山の出店があった。

りんご飴、綿菓子、かき氷、焼きそば……

ヨーヨー釣り、金魚すくい、射的、盆踊り……

神社に実った山桜桃が、いつもよりおしゃれに見えた。

はぁー!食ったー!

君は、出店の食べ物を全て食べたんじゃないかというくらい食べていた。

柚愛

いっぱい食べてたもんね~

ははは、と笑った私に、

柚愛だって、金魚すくいいっぱいしてたじゃないか~!

そう言って、私の手首にかけられた袋を見る。

何回もしたくせに、一匹しか取れなかったんだよな

ははっ、と笑う君に、ムッとしてしまう。

柚愛

う、うるさいなぁ~……

君は、時計を見て言った

あ、そろそろかも。

柚愛

え?

ほら。

君が指差した方を見た

ドォンッ

パチパチパチ…

柚愛

柚愛

綺麗…

開いては散っていく。

キラキラの火花を残して。

柚愛

す……き……

ドォンッ

パチパチパチ…

私の声と花火の音がぶつかった。

え?

ごめん、聞こえなかった……

振り向いた君。

柚愛

あ、

柚愛

なんでもないよ!!

慌てたように言う私。

…?

そっか。

君はまた、花火の方を見た。

……伝わらなかった、か……

花火みたいに散った、私の初恋。

それから私は、口を噤んだまま。

ドォンッ

パチパチパチ…

最後の花火が終わった。

綺麗、だったね。

柚愛

…うん。

柚愛

綺麗だった。

綺麗に散ったよ、私の初恋。

帰ろっか。

そう言って、君が神社の階段を降りだした。

私も君を真似て降りだす。

並んだ影が、夜の暗さに滲んでいった。

あ、今日はバス?

柚愛

うん、そうだよ。

じゃあ、今日も空見よう?

君がワクワクした目付きで言うから

柚愛

うんっ!

なんだか私もワクワクしてきた。

いつものバス停、8:30。 学校に行くときの待ち合わせ。

私達の出会いは、いつもあの場所からだった。

着いたよー!

やっぱり君は、はしゃぐ。

夜の笑顔は、さっき見た花火みたいだった。

柚愛

星、見える?

見える見える!!

必死に空を指差す君。

この時間がずっと続けばいいのに。

柚愛

夏の大三角形は??

んー……

あれかな?!

それっぽい星を指でなぞる。

柚愛

えー……あっちじゃない?

え?!じゃあ、これは何?

あーでもないこーでもないと言い合う時間が、何より愛しかった。

現在

なんとなく、夜道を散歩していた

……君は今、何してるかな。

今も太陽みたいに笑ってるだろうか。

つま先を見つめて、そんなことを思う

柚愛

思うままに笑っていてほしいな……

そんなことを思っていると……

ドンッ

私の影と誰かの影がぶつかった

柚愛

柚愛

あ、ごめんなさ……

ごめんなさい!ケガはないですか?

柚愛

え?

……あ…

柚愛?

君がいた。少し大人っぽくなった顔立ちをして。

柚愛

久しぶり……

ははっ、変わんないね、柚愛。

柚愛

柚愛

そっちこそ。

私達は、あの神社に向かった。

俺さ、留学したんだ。

柚愛

本当?

嘘な訳ないでしょ?

いたずらっぽく笑う君は、やっぱり太陽だった。

柚愛

そっか…

柚愛

柚愛

彼女とかは?いる?

ちょっとふざけて聞いた

聞かないでくれ~

柚愛

ははは……

『私はまだ、君が好きだよ』

とは、言えなかった

…あ、でも。

好きな人は、いるかも。

ちょっと真面目な顔で、君が言う。

柚愛

へぇ……

柚愛

そっか。

私だったらいいな。

口に出せなくても、一つでいられたらいいな。

……そんなこと、ありえないけど。

柚愛

それでいいや。

え?

柚愛

柚愛

ううん。

柚愛

よし!次はバス停で星を見よう!

お!いいね!

また太陽みたいに君が笑った

……私はいつも

君との思い出を噛み締めてるだけ。

ただ君に晴れ:ヨルシカ 様

この作品はいかがでしたか?

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コメント

6

ユーザー

あまり良い物には出来ませんでした~💦ありがとうございます!

ユーザー

ただ君に晴れがでてる!

ユーザー

本当にありがとう~!勇気出る!!

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