蝉時雨の鳴き声が響くこの時期。
太陽は僕を照らす
大丈夫…大丈夫…ッ僕なら行けるよね…
もう家から出れたんだから…
そう自分に言い聞かせる
これで何回目だろう
不安でたまらなかった。
こえ
急に、肩を優しく叩かれたような気がした
くに
目を見開いて見るとくにおが立っていた
驚きよりも安堵感の方が先に来る
こえ
くに
この一言だけでも安心した
普段なら、もっと挙動不審になる自分
けれど、今回はそうでは無かった。
くに
こえしと少し談笑した後、俺は少し考えた
れるちの事___
色んな思考が頭をよぎる
言った方がやっぱ…
ッでも逆に迷惑かもしれないよね…
今、れるちの状態は分からない
でもここ数週間は学校へ来てない
心配でたまらない
こえ
くに
再び俺は足を進めた
自分でもどうしていいか分からなかった。
れる
太陽の光で起きた
この景色、何回見たんやろ…
病室の真っ白な天井。
隣には、点滴
それが れるの命綱ともいうのか。
時計の短針は八を示してた
こんな生活も…いつまでなんやろ…ッ
不安に満ちてる自分がそこには居た
隣の窓を見つめる
まだ外には、自分より幼い子達の声が聞こえてくる。
<今日、学校で遊ぼーぜッ!!
<じゃあサッカーなッ!
れる
ほのかに喋り声が聞こえてきた
思い返してみるとれるには "遊び"という記憶がほとんど無かった。
これは…まだ両親が生きているとき。
れる
れる
母親
れるは小さい頃、体が弱かった
そのため、母さんがずっと看病してくれた
"周りの皆は遊んでるのに、何でれるだけこんな苦しい思いせなあかんのやろ"
ずっと思っとった。
自分だけ不遇な扱いを受けてる気持ちだった
…実際の所は誰も悪くない
れる
母親
れる
母親
れる
"外で遊ぶ"だなんて幼い頃の自分の遠い夢のまた夢だった。
れるの体調が良くなって、久しぶりに家族と出かけた日。
丁度その日は、夏だった
空に星が無数に散りばめられてる
無限に続くような
今でも鮮明に覚えてる。
れる
ゆう
れる
母親
れる
母親
この時は本当に信じてた。
れる
れる
ごめんな 叶えてやれんくて___
ただただ罪悪感に浸るのみだった。
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あ、もう好き…