哲人
森抜けたら清々しい青空が見えてますわ

哲人
なんでこんな日に作戦決行したんだろ

エル
諦めなさい

エル
第一にアンタがこの面倒なことを引き受けたんでしょ?

哲人
おっしゃる通りで何も反論できないっす

ウル

ウル
あっ!

ウル
門付近で戦闘してますよ

エル
邪魔くさいところで戦闘を…

哲人
むしろチャンスでは?

エル
え?

哲人
ここで恩売ってあっさり入国してやろうや

エル
はぁ……

エル
こっすいこと考えるやつねほんと

シナン
ま、それでアキトさんがあっさり入れるなら手助けするかな

ルームル
では手助けしてあげましょう

ミルム・マルム兵

ミルム・マルム兵
くっ!

ミルム・マルム兵
この門が手薄なのをいい事に攻め込んできたのか!?

ミルム・マルム兵
俺達だけではこの量の魔物は……

エル

エル
『メガフレア』

突然の詠唱のあと、数多の火球が門の前に群がっている魔物たちに降り注ぐ
ミルム・マルム兵
い、今の魔法は……

ウル
助太刀します!

シナン
帰りがちょっと遅れただけでなんで攻め込まれるかなぁ

ルームル
二人とも慢心はよしなさい

哲人
(遠くからさっき見てたのに急に演技のスイッチ入れるじゃん)

哲人
(白々しさは感じられないところ見るとこいつら常習犯だな)

エル
何ボサっとしてんの

エル
アンタも手伝いに行きなさい

哲人
あ、あぁ

哲人

哲人
ん?

哲人
エルさんは行かないつもりで?

エル
もう手は貸さないわよ

哲人
なんでだよ!

エル
めんどいから

哲人
コノヤロウ…

エル
さっ、とっとと行きなさい

ワーウルフ

ワーウルフ
ガルルル

哲人
犬畜生に用はない!

哲人
その辺で寝とけ!

ウルから付け焼き刃ではあるが教わった剣術でワーウルフを翻弄し仕留める
哲人
(俺のなんちゃって剣術よりもやはり実戦で使われる剣術の事だけあるな)

哲人
(元々軽くて扱いやすかったブロードソードも今じゃ)

哲人
(百均に売ってる玩具の刀くらい楽に振れる)

哲人

哲人
はぁぁあ!!

ワーウルフ
キャン!

哲人
(ま、扱いやすさは格段に上がったけども切れ味だけは微妙なままだな)

哲人
(安モンだしこればっかりは仕方ないか)

ミルム・マルム兵

ミルム・マルム兵
あ、アンタらは……

ウル
命令通りエルさんを連れ帰ってきました

シナン
ま、その辺の話はあとでね

ルームル
今は目の前の敵に集中です

それから体感10分ほど戦闘が続いたが長引くと不利になると判断した魔王軍は
軍を引きあげこの場はミルム・マルム軍の勝利でことを終えた
ミルム・マルム兵
た、助かった…

ウル
ちょっと留守にしてる間に一体何が?

ミルム・マルム兵
タイミング悪く魔王軍が攻めてきたんだ

ミルム・マルム兵
しかも今この門は兵が足りてなくてな

ミルム・マルム兵
最悪のタイミングだったがアンタらが来てくれて助かった

ウル
無名の僕らに助けられるって国は……

ミルム・マルム兵
それよりそこに居る男は一体誰なんだ?

シナン
彼はエルさんのところで見つけたお弟子さん

シナン
事情を説明したら自分も手助けしたいってさ

哲人
無関係な人物なのは承知してます

哲人
しかし、師が自分の知らないところで亡くなられでもしたら寝覚めが大変悪いので

哲人
無理を言って同行させてもらいました

哲人
入国許可の方を頼めないでしょうか?

ミルム・マルム兵
あの実力の持ち主なら喜んで迎え入れよう

ミルム・マルム兵
とは言っても俺一人の権限では何も出来ないがね

ミルム・マルム兵
とりあえずはギルドの方に連絡するので

ミルム・マルム兵
まずはギルドに立ち寄ってくれ

ウル
分かりました

ミルム・マルム兵
それと、エルさんは俺に着いてきてください

エル
?

ミルム・マルム兵
国王の方に一度お会いしてもらいます

エル
あぁ、そういう事ね…

ミルム・マルム兵
遠いところからわざわざお越しいただいていきなりこの仕打ちは申し訳ないです

エル
いいわよ別に

エル
それ予想してたし

エル
んじゃアンタらとはここで別行動ね

哲人
おう

ウル

ウル
では僕達も移動しましょう
