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2件
気になるー
気になる!!
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
主
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
森の奥へと駆け、少し開けたところに辺り一面に広がる桜色
しのぶと蜜璃は驚きと感動のあまり口をあんぐりと開けたまま見事な満開っぷりに魅了される
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
何十本と生えている桜の木の中央 周りの桜の木より大きく、より一層綺麗な桜を咲かせている
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
地面には既に落ちてしまった桜の花びら
だが、この木を見る限りあと数日は満開のまま咲き続けるだろう
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
秘境の地におのれらが一番最初に足を踏み入れたのだとはしゃいでいると、突然強い風が吹く
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
その風で花びらが巻き上がる
はためく羽織り、揺れる黒、舞い散る桜
あまりにも美しかったため、絵画のようだと蜜璃は思った
甘露寺蜜璃
さながらその様子は、天女のようだった
甘露寺蜜璃
あの日のことを、蜜璃はまだ鮮明に覚えている
蜜璃にとっては忘れられない、特別な日だ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
後ろから掛けられた声に蜜璃は驚いて前の方へ倒れてしまう
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
しのぶは手を差し出し、蜜璃は小さなその手を掴む
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
しのぶは蜜璃の隣に座り、同じく花を愛でる
陶器のような白い肌、桃色に頬を染め、愛おしそうに花を撫でる
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
しのぶと会うたび、話すたび、微笑むたび、蜜璃の心臓は激しく脈打った
きゅんっと高鳴る時とは違い、これは完全に「恋」だと、蜜璃は確信する
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
しのぶは少し呆れたように笑った
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
本命はしのぶなのだけれど、と心の中で呟く
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
この2人きりの時間がどうしようもなく大好きだった
蜜璃は焦らず慎重にしのぶとの仲をゆっくり縮める
甘露寺蜜璃
そんな想像をしては、きゃーっ!と頬を赤く染めた
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
つい最近、苗字呼びから名前呼びに昇格し、蜜璃は内心とても高揚していた
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
周りから見れば、蜜璃がしのぶに好意を寄せているのは一目瞭然
「仲がいいだけ」と言われればいささか距離が近すぎる気はするがそうかと納得出来る
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
まるで子供のように瞳を輝かせるしのぶ
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
きゃっきゃと会話に花を咲かせる
彼女たちのその様子を、彼は遠目で見ていた
今日も同じように蜜璃は手土産を片手に蝶屋敷を訪れていた
神崎アオイ
甘露寺蜜璃
…が、どうやら本命のしのぶは今は忙しいみたいだ
甘露寺蜜璃
神崎アオイ
甘露寺蜜璃
そう言って甘露寺は踵を返す
手が離せないからとしのぶと会えないのはこれが初めてではない
かと言って会えないのはすごく悲しい
肩を落として落ち込んだまま廊下を歩く
甘露寺蜜璃
診察室の方からこそこそと声がする
しのぶかな、と蜜璃は一目見るだけでもと近付く
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
冨岡にしのぶと己の距離を怪しまれている
蜜璃に嫌な予感が走る
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
空気が揺らぐ 姿を見なくとも、2人が接吻したのだと理解した
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
ガチャガチャとベルトを外す音
蜜璃は絶句する
冨岡義勇
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
くちゅくちゅと聞こえる水音
大好きな彼女の甘い声
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
冨岡義勇
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
恋人に甘えるような態度
舌足らずに「好き」と繰り返す
甘露寺蜜璃
それ以上は聞いていられなくなり、蜜璃は音を立てずにその場を去った
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
自分が欲しかった立ち位置
彼女の隣に居ていい存在になりたかった
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
蜜璃の目には、今にもこぼれそうな程の涙が溜まっていた
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
あれから数週間
蜜璃はあの日から1度も蝶屋敷を訪れていない
甘露寺蜜璃
しのぶから心配の文が届いていたが、それにも素っ気なく返していた
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
冨岡はいつも通りの無表情で、感情が読めない
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
元々は同性だからと諦めていたこの恋心
しかし、しのぶと交友を深めていくうち
膨れ上がるこの恋を、燃え上がるような火照りを
どうすることも出来ず大切に持ち歩いていた
冨岡義勇
冨岡義勇
分かっていたことなのに、面と言われてしまうとどうしても心に深く刺さってしまう
冨岡義勇
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
冨岡義勇
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
冨岡義勇
冨岡義勇
それだけでも、甘露寺には充分嬉しかった
甘露寺蜜璃
今にも泣き出しそうな顔で、冨岡に頭を下げた
もう一度春が来た
青い空に、桜の花びらが舞う
しのぶと来た時と、なんら変わらない景色
甘露寺蜜璃
あの日この場所で恋をした
甘露寺蜜璃
記憶の中の彼女に問いかける
もちろんこれは独り言で、返事が返ってくることもない
胡蝶しのぶ
きっと彼女はこう言うに違いない
甘露寺蜜璃
その呟いた己の言葉は彼女に言いたかった言葉だ
告白めいた言葉に、記憶の中の彼女はきっと笑って誤魔化すに違いない
胡蝶しのぶ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
誰に聞くでもなく、今まで押さえ込んでいた好きという気持ちを立派な桜を咲かせる木に呟く
これは甘露寺の独白で、しのぶには決して聞かせられない本心だ
胡蝶しのぶ
高ぶった感情を無理やり抑えたような震えた声に、甘露寺は後ろを振り返る
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
どうやら、記憶の中のしのぶと会話していたつもりが実物がそこにいた
ということはつまり、今までの甘露寺の話は全て聞かれていたということになる
甘露寺蜜璃
胡蝶しのぶ
顔が熱い、心做しかしのぶの方も頬が赤くなっているような気がした
胡蝶しのぶ
しのぶが上目遣いで甘露寺を見る
桃色の髪に付いていた花びらを優しく取り、どちらかともなく、顔を近づけた