池上涼子
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎はおもむろにハンドルを動かしながら言った。
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
義理の父でもある院長の生前の遺言を思い出し、須崎はフンッと鼻を鳴らした。
池上涼子
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎は片方の腕を、未来の妻となる元愛人、池上涼子の肩に回した。
涼子は須崎の手に頬を当てながら、沸き上がる興奮を抑えていた。
須崎一郎と関係を持ち始めたのが5年前。
既婚だったが子どもはいない。
典型的な不倫関係になったわけだが、今回の義理の父親の死を切っ掛けに、
須崎はのり子との離婚を決意し、ホステスの池上涼子との結婚を視野に入れていた。
涼子自身もそれを渇望していたが、まさか車の中で望んでいた言葉が聞けるとは思いもしなかった。
涼子は道中で見付けた小さなラーメン屋に着くまでの30分間、興奮で顔を赤らめていた。
ラーメンをすする間も、涼子は時々笑みを浮かべた。
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
2人で笑い合っていると、いきなり店のテレビの音が大きくなり出した。
店主がボリュームを上げたテレビからアナウンサーが淡々とニュースを伝える。
「R銀行を襲った強盗犯の1人、沢木元宏は現在も逃亡を続けており、
警察は被害を受けた銀行を中心に情報提供を求めています。
なお、沢木容疑者の仲間とされるメンバーも現在行方が知れず――」
突然、須崎の携帯が鳴った。
須崎はのっそり椅子から立ち上がり店の外へ出た。
涼子が振り返ると須崎は顔を強張らせながら電話の相手と話している。
電話を終え戻ってくるとチッと舌打ちをした。
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
そう言いながらも、須崎は何処か慌てた感じでラーメンを食べ、涼子を急かして車へ乗り込んだ。
このまま帰るのだろうか、と涼子は思ったが、須崎は元来た道とは逆の方向へ車を発進させた。
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
時刻は午後8時を示していた。
こんな夜遅くに何処へ連れて行ってくれるの、と聞こうとしたが思いとどまった。
目的地が山頂にある展望ホテルだし、今は星空が広がっている。
池上涼子
そう解釈し、涼子は電話の件を忘れてウキウキした。
ひたすら車を走らせている間、須崎は終始無言だった。
涼子には、須崎がのり子からの電話を気にしているのかいないのか判断が付かなかった。
途中、須崎は一服したいといい、エンジンをかけたまま車から降りて煙草を吹かし始めた。
涼子は暇を潰そうとスマホを取り出そうとするもポケットにない。
池上涼子
出発直前、須崎が気を利かせて自分の荷物をトランクに入れてくれたのを思い出した。
改めて須崎の優しさにうっとりしながら、涼子はトランクを開けた。
須崎が慌てて煙草を投げ捨て止めようとした。
池上涼子
かっと目を見開いた男が仰向けで転がっていた。
涼子は呆然と目の前に寝転がる死体に釘付けになったが、少ししてハッと記憶が蘇った。
見覚えのある顔、確かラーメン屋のテレビで流れていた…。
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
ヒステリックに叫ぶ涼子の口を須崎が慌てて押さえた。
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
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須崎一郎
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須崎一郎
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須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
池上涼子
沢木の遺体を見、須崎から恐ろしい秘密を聞かされたときは事実驚いたが、
涼子は須崎に対する強い想いから、担ぐことのなかった犯罪の片棒を担ぐ覚悟を決めていた。
動かぬ同乗者を乗せ、須崎と涼子が乗った車はさらに山の奥深くへ向かって走った。
何処からかフクロウの鳴き声が響く暗闇で、須崎と涼子は穴を掘っていた。
トランクに入れてあったシャベルを取り出すとき、
沢木の大きく見開かれた目が涼子に向けられた。
涼子は恐怖で腰を抜かしたが、須崎に助けられ立ち上がった。
汗だくになりながらも、涼子たちは棺桶が収まるほどの長い穴を掘り終えた。
須崎は沢木の遺体を担ぎ、乱暴に穴に投げ棄てた。
須崎一郎
池上涼子
池上涼子
池上涼子
池上涼子
須崎一郎
池上涼子
須崎一郎
須崎一郎
一瞬、須崎の言う意味が分からず涼子はポカンとした。
精々、彼女が覚えていた記憶は、ロープの両端を握り締め迫ってくる須崎の姿だけだった。
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
のり子
2020.02.01 作
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