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小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

第5話 - 近くて▽遠いきみ

400

2023年02月07日

#青春恋愛

#小悪魔

#生徒会

#仮面

#猫かぶり

#一次創作

しふぉん

おしゃれな同級生

それでは最後に2年5組の───

月

（どうして）

月

（ウソ、だったの？いや、そんなわけ…）

月

（じゃあ陽センパイは───）

おしゃれな同級生

ありがとうございました

おしゃれな同級生

えー…以上で────

混乱していると脳に大きな音が反響する

バッと振り返ると体育館の扉が開かれて、ある男の子が入ってきたところだった

陽センパイ

遅れました〜

おしゃれな同級生

…ではお願いします

月

（へ！？）

月

（ななななにしてんの印象ダダ下がりじゃ…！）

陽センパイ

…んん

陽センパイ

────生徒のみなさん、こんにちは

センパイがゆるく話しかけると場の空気が変わる

月

（な、なんで…っ）

陽センパイ

まずはこのような正式な場で時間を守れなかったこと

陽センパイ

ほんとにごめんなさい

月

（わたしはあんなに直したのに）

月

（言葉遣いだってぜんぜんきれいじゃないし───）

陽センパイ

終わったーと思った人たち、がっかりさせちゃってごめんね

陽センパイ

…で

センパイは一瞬下を向くとマイクを撫でる

キンと耳に響く音が聞こえ、みんなが集中する

陽センパイ

僕が…俺が、この場で伝えたいことは1つだけです

陽センパイ

白花のいいところはどこですか？

その瞬間ざわ、と会場が騒がしくなる

いいとこ…ってあれじゃん？文武両立？

あー、紹介のとこにそんなん書いてたね

ていうかあのセンパイ、なんか今までとちがくない？

あいつはぜってえやると思った爆笑

月

（な、なに、これ…）

陽センパイ

うん、色々あるけどしょーじきなこと言うと

陽センパイ

みんな自由で楽しそーだから来たでしょ？

その言葉にそれでいいのかとでも言うように笑いが起こる

陽センパイ

じゃー俺は、みんなが望むように楽しくなれるように

陽センパイ

たくさんあるイベントに向けて意見をより取り入れて

陽センパイ

みんなで、この学園のぜんぶを作っていこうと思ってます

陽センパイ

具体的に言うと修学旅行までにはまず席替えした方がいいと思うし

陽センパイ

あとは文化祭はもっと自由に、俺らで何の店出すとか考えられる方が楽しいよね

陽センパイ

そーゆーのって先生側からのメリットとか学園としての規則とかちゃんとしてればできるわけで

陽センパイ

だからみんなもそのためにいっぱい協力して───

陽センパイ

この学園の為に葛藤する生徒会に、ぜひ一生徒として意見してください

陽センパイ

…以上！2年2組遊馬陽でした

一瞬みんなが呆然とする

そして次の瞬間わっと拍手が起こる

月

（…っ）

月

（くやしい）

月

（……けど、この場の空気をぜんぶ…持っていっちゃった）

ふっと力が抜けるとわたしも拍手をした

知ってる？あの遅れてきた子、体調悪い生徒保健室に連れていってたらしいよ

まじー？かっこよかったし、ふつうにあんな生徒会なら楽しそうだよね

え、てかあそこの人じゃ…！？

ナマで見たら余計かっこよくない！！？

月

（…センパイは、すごい）

月

（その場その場で1番適応した言葉を知っていて）

月

（すべてを、動かしてしまう）

陽センパイ

るーなちゃん？

月

…はい？

陽センパイ

ぼーっとしてたから

月

まあ…ていうか毎日お友達さんのお家行ってるんですか？

陽センパイ

別にー？適当かな

陽センパイ

…月ちゃん、相変わらず文章読むのめっちゃうまかったね

月

え？

陽センパイ

昔からそーじゃん、作文とか文章めちゃくちゃなのに

月

（おい）

陽センパイ

ちざこれ読むって決まればすごいきれいに読む

月

（…）

月

…なにそれ、へんなの

月

（わたしなんてべつに何もできないのに）

月

（いつもそうやって、センパイがとくべつにしてくれる）

月

（────だから、勘違いしそうになる）

月

（自分が、ほんとにとくべつだって）

いっしょに住宅街を歩いて、突き当たりを右に曲がる

月

じゃあ

陽センパイ

ん、またね

月

…っは、るくん…

陽センパイ

…ん？

溢れてしまった

きっとほんとはずっと、辛かった

月

どうして…わたしの前から何も言わずに消えたの？

わたしはまっすぐ陽くんを捉えた

陽センパイ

…困っちゃうな

陽センパイ

でもほんとに俺は、月ちゃんが大事だったんだ

月

…は……？

そんなんでいいわけない

でも陽くんはわたしが納得しないうちに歩いていく

月

（…なんで？）

月

（大事だったって、何…？今はもう、要らなくなったの？）

月

（なんで、なんで…！何も教えてくれないの！ムカつく…っ！）

それでも諦める気にはなれなくて

陽くんという難攻不落な敵の攻略法を考えながら誰もいない自宅に駆け込んだ

陽センパイ

（ごめん、月ちゃん）

陽センパイ

（…でもきっとこうしてないと）

陽センパイ

（一生依存してしまうと思った）

陽センパイ

（あのときの俺らならきっと────）

陽センパイ

（こんな現実、捨てちゃうだろうから）

小悪魔な月ちゃんは陽センパイにだけ勝てない

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あ、陽センパイ……！！無事で良かった……！！体育館にいた生徒の視線を、心を一斉に自分に集中させるような演説凄かった……✨✨月さんの演説も凄かったけど、陽センパイも凄い……！！陽センパイにとって月さんは大切すぎる存在だったからこそ依存しないように敢えて突き放した、ってことなのかな……🤔💭

場を盛り上げられるのってかっこいいです…(>_<)💨 ふたりの微妙な距離感いやだなぁって気になります！はやく仲直り？してほしいです！！

しふぉん

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