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葵
山の奥。 空気が、明らかに変わった。
重い。 息が詰まるような圧。
烏城 琴葉
影喰
低い声が、闇の中から響いた。 地面が“ぬるり”と蠢く。
次の瞬間、影のようなものが一気に跳ね上がった。
桐生 湊
湊が舌打ちと同時に飛び退く。 私も反応するが――
桐生 湊
その一言と同時に、目の前を黒い影がかすめた。 ギリギリで刀を構える。
ガキィンッ!!
重い衝撃。 腕が痺れる。
影喰
鬼が笑う。 異様に長い腕。 地面と同化するような黒い身体。
影喰
桐生 湊
そう言いながら、1歩前へ。
烏城 琴葉
桐生 湊
烏城 琴葉
桐生 湊
被せるように遮る。
桐生 湊
次の瞬間、湊は地を蹴った。
烏城 琴葉
止める間もなく、突っ込んでいく。
烏城 琴葉
影喰の腕がしなる。 複数の影が同時に襲いかかる。
桐生 湊
流れるようにかわし、斬る。
だが、切り裂いたはずの影はすぐに再生した。
桐生 湊
その瞬間。
烏城 琴葉
ズドッ!!
鈍い音。 湊の肩を影が貫いた。
桐生 湊
血が散る。 私は即座に踏み込む。
烏城 琴葉
影を切り裂き、湊を抱えて距離を取る。
烏城 琴葉
湊は肩を押さえながら、吐き捨てる。
桐生 湊
烏城 琴葉
思わず声が強くなる。
烏城 琴葉
桐生 湊
烏城 琴葉
桐生 湊
空気が、一気に張り詰める。
烏城 琴葉
湊は一瞬、無言で睨む。
桐生 湊
桐生 湊
その言葉に、胸の奥がカッと熱くなる。
影喰
鬼が楽しそうに笑う。
影喰
地面が大きく波打つ。 無数の影が一斉に跳ね上がる。
私と湊は同時に構えた。 けれど――
動きは、噛み合わない。
私は湊を守るのを意識し、 湊は攻撃を優先する。
互いの動きがズレる。
桐生 湊
烏城 琴葉
攻撃がかすり、位置がぶれる。 呼吸も、リズムも合わない。
烏城 琴葉
押される。 確実に。 鬼は笑う。
影喰
影が迫る。 距離が詰まる。 逃げ場が、なくなる
その瞬間―― 二人の間に、わずかな“ズレ”が生まれた。
それが――
致命的になるか、 それとも――
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