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いつ行っても、彼は必ず屋上にいた。
フェンスの前で、何をするでもなく、 ただ落ちていく夕日を眺めていた。
その背中はいつもどこか寂しげで、 今にも消えてしまいそうだった。
桃
ある日、俺はついに彼に 話しかけてしまった。
くるりとこちらに振り向く彼。
桃
美しいオッドアイ。
夕日に照らされながらふわりと笑う 彼は、言葉を失うほど、美しかった。
桃
赤
桃
桃
赤
赤
桃
赤
俺のことを知っているかのように 俺の名前を繰り返す赤先輩。
桃
赤
赤
意地でも 「赤先輩に会いに」なんて言えない。
桃
ふーんと少しにやけながら言う先輩。
桃
赤
赤
そう言いながらまた夕日の方を 向く先輩。
その背中は、なぜかすごく 寂しそうだった。
何度も見てきた後ろ姿だからこそ わかった。
桃
赤
それ以上語らない赤先輩を見て、 今は深く聞かないことにした。
赤
気づくとさっきまで オレンジ色に染まっていた空は、 いつのまにか紺色になっていた。
赤
桃
桃
赤
桃
桃
赤
赤
そう言いながら微笑む赤先輩。
軽く礼をし、俺は屋上を後にした。