これはある少女とモテ男の 淡い恋物語。
結歌
(はあ…今日も学校か…)
私、花本結歌は普通の中学1年生。 今日も今日とてこのクラスの 雰囲気に慣れないのであります。
結歌
はぁ…
奏美
おはよ、結歌。どうしたの?
そんな朝からため息ついて
そんな朝からため息ついて
結歌
うう…もう帰りたい…
奏美
なーに言ってんの。まだ来た
ばっかりじゃん
ばっかりじゃん
結歌
もうやだぁぁ
奏美
あのねぇ…クラスに慣れる
慣れないとかの問題じゃない
でしょ?もう2月だよ?
慣れないとかの問題じゃない
でしょ?もう2月だよ?
結歌
で、でもぉ…
奏美
そんなこと言っても
どうしようもないでしょ?
どうしようもないでしょ?
結歌
うぅ…
奏美
なんかあったら私が
守ったげるから。ね?
守ったげるから。ね?
結歌
うん…奏美ちゃんが言って
くれると少し安心するよ
くれると少し安心するよ
奏美
ね?だからもうため息なんて
つかないの!わかった?
つかないの!わかった?
結歌
はぁい
クラスの女子
もうそろそろバレンタイン
だよ!
だよ!
クラスの女子
うわ!そーじゃん!誰かに
渡したりするー?
渡したりするー?
結歌
(バレンタインか…)
奏美
私は結歌にチョコ、
あげるね!
あげるね!
結歌
私も奏美ちゃんにあげる!!
正直、この1年間のイベントの中で 私が1番縁がないのはこの バレンタインだと思う。 多分ほとんどの女子が1年間の中で 1番と言っていいほど楽しみに しているであろうイベント なんだろうが、私にはある理由が あって本当に程遠いところにある イベントなのだ。
奏美
バレンタイン、渡す人とか
いるのかねぇ
いるのかねぇ
結歌
あぁ…でもいるんじゃない?
奏美
ま、中学生だもんねぇ
クラスの男子
あの…これ、落としましたよ?
結歌
ビクッあ、あ、ありがと、う
ご、ざいます。
ご、ざいます。
そう、それは私が極度の男子恐怖症 だからだ。
結歌
(びっくりしたぁ…)
奏美
もう、そんなビクビク
しなくても大丈夫なのに〜
しなくても大丈夫なのに〜
結歌
うぅ…
奏美
別に悪いやつじゃないし…
結歌
それはわかってるんだけど…
クラスの女子
えー!やっぱり慶祐くんに
渡すのー!!
渡すのー!!
奏美
あぁ〜、やっぱ人気なんだねぇ
宵崎。
宵崎。
結歌
あはは…
奏美
なんであいつがモテる
要素ばっかりあるのやら…
要素ばっかりあるのやら…
結歌
(奏美ちゃんも誰かあげるのかな…どうなんだろう…)
奏美
結歌、私は誰にもあげない
から別に大丈夫だよー
女子だからみんな男子に
あげてるわけじゃないし。
ほんと、心配しないで
から別に大丈夫だよー
女子だからみんな男子に
あげてるわけじゃないし。
ほんと、心配しないで
結歌
う、うん。そうだよね
結歌の家
ガチャ
結歌
ただいま〜
お母さん
おかえり。結歌。
そうそう、今日、実は
お隣さんからゼリーを
いただいたんだけど…食べる?
そうそう、今日、実は
お隣さんからゼリーを
いただいたんだけど…食べる?
結歌
うーん…明日の予習が
終わってから食べようかな。
ありがとう、お母さん
終わってから食べようかな。
ありがとう、お母さん
お母さん
わかったわ。頑張ってね♪
結歌
うん!
結歌
ふぅ…
結歌
(今日も疲れたな…早く
予習終わらせてゼリー
食べよっと)
予習終わらせてゼリー
食べよっと)
カリカリ…
結歌
ふぅ、終わったぁ
ゼリー食べよー、
ゼリー食べよー、
お母さん
もう終わったの!?
結歌
え、う、うん。
お母さん
あら、早いわね…ゼリー、
冷蔵庫の中にあるわよ
冷蔵庫の中にあるわよ
結歌
うん!やったぁ!
結歌
いっただっきまーす!
もぐもぐ
お母さん
ねぇ、結歌。
結歌
んー?どーしたのー?
お母さん
あのね、お母さん
思うんだけど、結歌、塾が
あってないと思うのよね…
思うんだけど、結歌、塾が
あってないと思うのよね…
結歌
えー?なんで…?
お母さん
少し…簡単すぎるんじゃないのかなって。もう少し上のところでも十分頑張れると思うのよね…。結歌がいやなら
いいのだけど
いいのだけど
結歌
うーん…私は別に大丈夫
だけど…
だけど…
お母さん
それならここの塾とか
どうかしら…
どうかしら…
結歌
(別にここなら大丈夫かな)
結歌
わかった!大丈夫だよ!
お母さん
それなら来週からここに
通えるようにお母さん、
電話しておくわね♪
通えるようにお母さん、
電話しておくわね♪
結歌
うん!
結歌
新しい塾かぁ
結歌
頑張ろうっと!
この時はまだ私が あんなことになるなんて 知るはずもなかった…