テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
人間関係
それは、この社会を上手く形成していく上で重要且つ面倒くさいもの
周りから注目を浴びる者
人目を気にし、自ら下に回る者
初対面からグイグイ行く者
相手をよく観察し、徐々に仲良くなっていく者
あげだしたらキリがないほど、分け方は色々ある
そして、俺もそのうちの一人
目立たない。期待しない。信用しない
この3つを守って、今まで耐え凌いできた
……なのに
それなのに、
その全てを俺は一瞬で壊された
先生
先生
そう担任が紹介し、俺は名前と軽い挨拶をして短く会釈した
何人かがこちらを見て、すぐに興味を失ったように視線を戻す
その反応に、少しだけ安心した
先生
担任にそう促され、俺は自分の席に座る
窓側の前から2番目の席
静かで目立たない。良い席だ
俺は席に着いた瞬間、辺りを見回した
誰が中心で、誰が流されやすくて、誰が無関心か
…隣の席には既に人がある程度いた
周りの何人かと楽しそうに話していて、その人が笑う度に空気が明るくなる
俺はすぐに分かった
この人がクラスの人気者なんだと
そして、こういうタイプとは距離を取るに限る
目立つ奴の近くにいると、何かと巻き添えを食らってしまう
そう思って、机に視線を落とした時だった___
???
声が近くから聞こえて、反射的に肩が強張る
???
???
思わず顔をあげると、隣の席の人が当たり前みたいに笑みを向けていた
警戒心も、何かを探るような視線もない
ただ純粋な好奇心と、親しみをもった眼差し
👻 🔪
喉が一瞬詰まる
人と話す時はいつもこうだ
距離を取る暇もない
👻 🔪
俺はそれだけ言って再び机を見る
ちゃんと聞かれたことには答えたし、これで終わりだと思っていた
???
軽い調子でそう言って、片手を差し出された
これは……俗に言う握手か?
一瞬意味が分からなかった
今までの学校じゃ、こんなことしてくる奴はいなかったから
俺は数秒迷って、恐る恐る手を伸ばす
触れた手は、驚くほど温かかった
🍱🦖
どうしてまだ何も知らない相手にそんなに言えるのだろう
その無防備さが少し怖かった
👻 🔪
礼を言いながら、心の中で線を引く
この人は良い人。きっと良い人だ
でも信じない。信じたくない
信じなければ、失わない
そう自分に言い聞かせて、机の上に置かれた新しい教科書をぎゅっと握った
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!