『おい、アヤ』
『──なんだ?』
『いい酒が手に入った。あっちで飲もうぜ』
満開の桜に指をさす
『いいのか? 神聖な場所だろ?』
『大丈夫じゃね? 俺ら人ならざるもんだし』
『お前、半人半妖じゃなかったか?』
『まあそう言うなって♪』
『あ、ちゃんと肴もあるぞ』
『抜かりねぇな。──酔いつぶれるなよ』
『酔いつぶれねーって。俺が酒に強いの知ってんだろ?』
飲みすぎて途中で眠っちまったのは知ってる
『あーそうだな』
こいつとは妙に馬があい、なんだかんだで俺たちはいつもつるんでいた
『なあ』
『ん?』
『またこうやって一緒に飲もうな』
『…………』
『約束だ』
平成22年4月上旬
絢斗
絢斗
ぱちり
絢斗
絢斗
あくびをする
絢斗
咫穏
咫穏
呆れ顔で見つめていた
咫穏
シートの上に酒瓶が散乱している
絢斗
咫穏
咫穏
咫穏
絢斗
上半身を起こす
咫穏
思わずため息をついた
咫穏
絢斗
咫穏
咫穏
絢斗
絢斗
絢斗
あいつの子孫だから
絢斗
咫穏
絢斗
咫穏
ひらひらと桜の花びらが舞った
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