湊
俺の名前は湊…普通の高校生だ。
湊
俺なんかは一生平凡な人生を送る。
湊
具体的にはテストで偏差値46〜53をとり続け、一浪した後そこそこの大学に入り、バイトしながら普通に卒業、サラリーマンとして働き、27歳で結婚…
湊
…そう思っていた。
芽依
どう?元気?
湊
元気だけど…
芽依
ちょっと話さない?
湊
いいよ
芽依
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通話
27:18
芽依
話した通りだから、よろしくね〜
湊
わかった
どうすれば…
湊
以上です…
ぱちぱちぱち…
興味のなさそうな、乾いたまばらな 拍手が響く。
湊
俺だって興味ねぇよこんなの…
芽依
発表いいじゃん!私も真似したいぐらいだったよ〜
湊
それはなにより…
芽依
でも昨日のあれはまだ返事くれないんだね
ここまで読んでくれた人なら分かると思う。俺は絶賛モテ期中である。
湊
まだっつぅか…
芽依
ごまかさないで!どうなの?
湊
それは色んな事情が
先生
おいそこ!うるせぇぞ!!
先生
サボテンのとげでも食うか!?
湊
げっ…すいません
湊
…っていうことでなんとか誤魔化して帰ってきました
M
ご苦労
M
君の監視が彼女を助けるのだ…
これからも頼むよ
これからも頼むよ
湊
はい
そしてご覧の通り、俺は彼女の監視員でもある。
M
なんせA級能力者、君に植え付けた鍵がなければ彼女は自我を失い暴走、君も君の家族も死んでしまうところだった。
湊
なんで俺なんですか?
M
それは今は言えない。
湊
鍵とはなんです?
M
それも言えない。
湊
俺は鍵とやらを植え付けられた覚えもないんですが?
M
あまりしつこく言うと君を解雇し、他の者を探す羽目になる。
湊
…わかりました。
M
あ、あともう一つ。
湊
なんですか?
M
告白の件だがね。
…
学校
湊
えっと…いいよ
芽依
なにが?
湊
あれだよあれ!あの…告白のやつ
芽依
えっ!?ほんと?
湊
ほんとだよ!!嘘なわけねぇだろ…
芽依
…!
芽依は泣き出した。
湊は思う たとえこれが嘘でも 芽依が幸せならこれでいいのだと
芽依
ありがとう…受け入れてくれて。
湊
いいって…ってうわっ!
芽依が湊に抱きつく。
そして背中に冷たいものを感じる。
…冷たいもの?
湊
痛ってぇ!ちょっ…
芽依は無表情だ
湊
は!?
感情のない目をしている
湊
………?
… どうして?
……………………
M
ありがとう〜
M
助かったよ!ほんとに
M
彼に信じ込ませるのは
大変だったよ〜
大変だったよ〜
M
何しろ彼、鋭い質問してくるんだよなぜ自分が選ばれたのか〜とか
M
さすが自分と言ったところかな
芽依
どうして…
湊
壮大な自殺に付き合ってくれてありがとう、芽依ちゃん
湊
一般人にこんな依頼して大変だったと思うよ
芽依
どうして…こんなことを…
湊
自分のことが嫌いなんだよ、俺
湊
思い描いた平凡な人生にもならず、今や底辺の人生さ…
湊
そんなこんなで過去に戻る手段を見つけ、君に会ったってわけさ
湊
そういう意味では天才的な人生
かもな!
かもな!
湊
そろそろ君もダメかな?
俺はそろそろ消えるから、解毒剤も渡せなかったね〜
俺はそろそろ消えるから、解毒剤も渡せなかったね〜
湊
それにしても
これでよかったんだろうかな〜
俺の人生
これでよかったんだろうかな〜
俺の人生
湊
本当にやりたかったのは…
湊