すち
どう?辛くない?
暇72
うん、いい感じ…あ!りんご飴!
そう言って彼はりんご飴の屋台を指した。
みんなと一度解散した後、 俺らは屋台巡りへと足を運んだ。
段々人も増えてきた。
今んとこ、二つくらいしか行けてないが。
すち
りんご飴、2つください。
そう言って財布から小銭を取り出す。
暇ちゃんはまだどこか美味しいものがあるのか、探していた。
すち
ありがとうございます
渡されるそれは、屋台の ライトで反射して光った。
美味しそう、
と、左にもったそれを 暇ちゃんへと差し出す
暇72
ありがと
すち
落としちゃやだからあっちのベンチ行こっか。
暇72
うん、
カリッ、
と薄い飴の膜が割れる音がする。
なんか、どこか懐かしい味。
そう言ってそれを食む。
暇72
…すち
暇72
ここの作ってる人変わってないんだね
すち
え?
暇72
あの時と同じ味だよ。
すち
あの、時…
暇72
お前りんご飴食ったことないの!?
すち
うん、まずお祭りに行かなかったから…
暇72
じゃあ買ってあげるよ
暇72
今日がお前の初めてか
カリッ、
すち
わっ!?何これっ、
暇72
りんご“飴”って言ってんじゃんwww
暇72
んあっ、ちょっとかてぇ
すち
んは、そんなに?
暇72
うん、かてぇよw
暇72
ここのおじちゃんな、たまに配ってんだよ
暇72
余ったーっつって、
暇72
部活終わり?とか俺めちゃ食ってたもん
すち
へぇ、そうなの?
暇72
うん、めちゃうまいだろ?
暇72
作り込んだ味?みたいなw
すち
なんかあったかいね、そう思うと、
暇72
だろ?
すち
…あ、作り込んだ味…
暇72
そうだよ、それ
そう言って暇ちゃんは りんご飴に齧り付く。
暇72
んぁっ、やっぱかてぇわっw
すち
んははは、変わんないね、
思い出した、と思った瞬間。
りんごの赤味が、さらに増した気がした。
カリッ、カリッ、と音を立てて、
俺らはそれを食べる。
あの時は、俺もー…。
暇72
次は、どこ行こうねぇー…。