カナタ
本当は キスしたい
でもこんな所だから 我慢した
ヒカル
ヒカル
こんなに心地良いんだろう
カナタ
カナタ
経験無いから
カナタ
ヒカル
そうだよ
好きな人と 一緒にただこうして
隣で体を寄せ合っている それだけで幸せを感じる
カナタ
よかった
ヒカル
ヒカル
なんか照れ臭いよ
ヒカル
誰かに必要とされてるって
ヒカル
カナタ
俺が初めて
カナタ
ことで
ヒカル
僕が!?
ヒカル
カナタ
カナタ
カナタ
一緒に居たいし
本当に鈍いというか…
でもまぁ そこが良いんだけど
何をするにも 新鮮で 毎回新しい表情で
カナタ
カナタ
改めてだけど
ヒカル
そうなん…だね…
カナタ
カナタ
すぐに返事して欲しかったのに 動揺して 中々言ってくれなかった
カナタ
カナタ
カナタ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
カナタ
カナタ
聞いてたの?
カナタ
告白を……
前もやった気がするけど
ヒカル
ヒカル
本当に照れ臭いのと
ヒカル
カナタ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
カナタ
ヒカル
カナタ
ヒカル
頭のいいヒカルが こんなにまで おれの拙い英語で 狼狽えるなんて
本当に焦ってるんだな おれって悪い奴だ
カナタ
もう一度目を見て ハッキリ言った
ヒカル
顔を真っ赤にして 小さい声で答えた
ヒカル
カナタ
ヒカル
静かにしないと!!
カナタ
ごめん
カナタ
明日学校行っちゃうかも
ヒカル
カナタ
うれしい
おれはしばらくこの状況に 浸りたかった
男同士なのに 理解していいって言って…
理解してるのか!?
カナタ
ヒカル
カナタ
男同士だけど
カナタ
カナタ
ヒカル
ヒカル
カナタ
ヒカル
いいよ
カナタ
ヒカル
カナタ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
急に また 顔が赤くなった
カナタ
ヒカル
ヒカル
した…とき…
カナタ
うん…
ヒカル
ヒカル
ヒカル
もっと
ヒカル
カナタ
ヒカル
もっと触れ合いたいって
思った
カナタ
ヒカルの想いが こんなにも胸を熱くさせてくれて
こんなにも 愛しいなんて 想像以上だった
カナタ
ホントに
カナタ
ヒカル
さっきまでの 真っ赤な顔をしたヒカルとは 一転
屈託のない笑顔をおれに向けてきた
ケンシ
こんなところで
何してるんだ?
ヒカル
カナタ
これは色々ありまして
ケンシ
病室に居ないから
ケンシ
ヒカル
ごめんなさい!
カナタ
それが…
カナタ
気まずいってことも
ありましてですます…
ケンシ
ケンシ
カナタ
カナタ
ケンシ
可能性としてはあったが
カナタ
わけでもないような…
ケンシ
あるよ
ケンシ
いいのか?
カナタ
まぁ…
ヒカル
戻る?
カナタ
もど…るかぁ…
めっっっっちゃ 気が重い…
俺は渋々病室に戻った
ケンシ
ケンシ
カナタ
どうしたんすか?
ケンシ
いや、何でもない
ヒカル
僕は帰ろうかな?
カナタ
ヒカル
勉強もしなきゃいけないしね
カナタ
カナタ
ケンシ
授業に遅れてしまうぞ
カナタ
えー
まー
ヒカル
返事が薄い!
カナタ
ヒカル
ケンシ
何を言っても無駄だろう
ヒカル
そんなこと言ったら
ヒカル
成績どんどん落ちちゃうじゃ
ないですか!
ケンシ
ないだろうさ
ヒカル
ないとおもいますよ
カナタ
二人とも!
カナタ
ね!
ね?
ヒカル
ヒカル
ごめんね
ケンシ
ヒカル
僕はお先に
カナタ
ありがとう!
ヒカルは行ってしまった
この病室といい… 会長といい…
また気まずさが またというか更にと言うか…
カナタ
ケンシ
カナタ
カナタ
クダサイ…
ケンシ
会長に顔を寄せてもらった
カナタ
知ってるんですか?
ケンシ
ケンシ
アヤメの親戚だよ
カナタ
ケンシ
って言っても
カナタ
ケンシ
祖父の病院なんだけどな
カナタ
カナタ
ケンシ
この病院ウロウロしてるんだよ
カナタ
そんなに優秀な
脳みそ持って………
ケンシ
あんまり他人には言わないから
ケンシ
カナタ
知ってる感じだったけど
ケンシ
意外な一面だった
ケンシ
成績が優秀すぎて
ケンシ
カナタ
ワカラナイ……
ケンシ
医師免許もってんじゃ
ねーかな?
カナタ
ケンシ
って感じだけど
ケンシ
俺は知らない
カナタ
カナタ
ケンシ
凄く仲がよかったらしい
カナタ
カナタ
サヤに認められたんだか
カナタ
ケンシ
同室になるやつ
選べるだろうからな
事実を知った上で 何故俺が選ばれた? のか
理解に苦しんだ
カナタ
ケンシ
ケンシ
どうでもいいけどな
カナタ
酷いわよっ
ケンシ
カナタ
急に話を変えた 会長は 目つきも少し変わった
普段の顔から 少し緩くなったというか
ケンシ
カナタ
ケンシ
カナタ
カナタ
寝れば
ケンシ
そう言うと俺のベッドに 上半身を伏せて
腕に顔を乗せて こっちを向いた
カナタ
この気を許した顔と えもいえぬ表情が
やはりイケメンゆえに 男でも少し惚れてしまいそうになる
ケンシ
そう言いながら 布団越しの膝の上で 会長は目を閉じた
カナタ
こっ
こまるっ
ケンシ
返事はなかった
そしてしばらく この状態が続いた
ケンシ
カナタ
こっ
こまるっ
正直ちょっと疲れていた
生徒会の業務があって
毎日 田上光流に嫉妬して
今日病院へ来たら 二人は確実に
恋人同士という立場を 成立させていた
当然の流れだが 奪おうと言う気持ちが ないおれは
ただただ二人をみて 幸せそうにしている姿が 羨ましかったのかもしれない
ケンシ
そんな感情が入り乱れて 勝手に疲弊していたのだ
田上光流が帰った今 おれは
勝手なワガママで この時間を
広坂叶多を 少しでも感じていたくて
強引に 布団越しの膝の上に顔を伏せた
カナタ
どうしよー
ケンシ
なぜだか 気持ちが緩んで 寝てしまった
ヒカル
動けない~~~
会長は本当に寝てしまった
スースーという 薄い寝息だけが
聞こえてきた
カナタ
しょうがない
カナタ
気を許したであろう その寝顔は
悔しいけど
綺麗だった
カナタ
カナタ
カナタ
自惚れかもしれないけど 会長がおれのためにここへ来て
人に見せないであろう 寝顔を今まさに
おれにさらけ出してる
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
おれは何を思ったか
会長の頭に手をあてた
カナタ
柔らかい髪が おれの指をスルッと 抜けてく
そして頬を触ってみた
ケンシ
カナタ
声が漏れ出てビックリした
でも起きてなかった
それを確認すると 親指で唇をなぞってみた
カナタ
ケンシ
ぅん…
なんかエロい!
会長の表情すらも少し艶っぽ…
カナタ
やば…
カナタ
イタズラがイタズラじゃ無くなる前に やめよう
おれは結局 しばらくこのままに することにした