小学生の私は、まだ現実を知らなかった。
小学5年生の頃、
マナ
マナ
カノン
カノン
私のクラスでは、鬼ごっこが流行っていた。
放課後、家に帰るまで、鬼ごっこをしていたのだ。
カノンちゃんは、とても可愛くて、性格にも表裏がなくて、みんなの理想の女の子。
少し茶色いふわふわしたボブの髪の毛が特徴だ。
小学校を入学した後、すぐに仲が良くなったカノンちゃんは、私にとって大切な存在だった。
もちろん他にも友達はいたし、楽しい毎日をおくっていた。
ココミ
カノン
私がカノンちゃんを追いかけていると、後ろから、ココミちゃんが私を抜かして、カノンちゃんに飛びついた。
ココミちゃんはカノンちゃんの幼馴染。
髪が長くてサラサラで、女子力が高いことがわかる。
私は、あまりココミちゃんと話した事がないため、もっと話したいと思っている。
マナ
私は、笑顔でココミちゃんに声を掛けた。
すると、
ココミ
マナ
ココミ
あれ?
ココミちゃんは、カノンちゃんだけをみて、そう言った。
私の声をさえぎって。
マナ
マナ
それでも私は、ココミちゃんに声を掛けた。
きっと、気のせいだよ!
ここみちゃん、私にも声掛けてくれたよね!
ココミ
そう言い、ココミちゃんは、私の方に体を向けて、手を合わせた。
ココミ
なんでかな
顔は凄く申し訳そうな表情なのに、
声は冷たくて、全然謝っているようには見えない。
マナ
マナ
私は、できるだけ気にしないようにした。
“じゃあね”と声をかけようとしたとき
カノン
カノンちゃんが、歩きだすココミちゃんの腕を引いた。
ココミ
カノン
ココミ
ん?さっきはココミちゃん、あるって言ってたのに…
ココミちゃんも私達の方に向き、2人は話しだした。
カノン
カノン
カノンちゃんは、少し震えた声でそう言った。
ココミ
それから、ココミちゃんはカノンちゃんの耳に、コソコソと話した。
何話してるんだろ?
耳からココミちゃんの口が離れると、カノンちゃんはこう言った。
カノン
カノン
ココミちゃん、どんな話したんだろ…
え?可哀想?
私が可哀想になるようなこと言ったの?
き、気になる…
マナ
マナ
カノン
ココミ
ココミちゃんは、真顔で私にそう言った。
あれ…ココミちゃんのあんなに低くて冷たい声、初めて聞いた…
それから、突然表情がパッと明るくなり、カノンちゃんの方をみた。
ココミ
ココミちゃんは、私のことを気にもとめず、カノンちゃんの腕を引っ張りながら歩き出した。
カノン
カノンちゃんは、凄く嫌そうに手を外そうとしている。
でも、ココミちゃんの力が強いのか、なかなか外れない。
マナ
私が声をかけると、カノンちゃんは顔を私の方に向けた。
その頃には、もう外そうとはしていなかった。
カノン
カノンちゃんは、その言葉以外、何も言わなかった。
ココミちゃんに腕を引っ張られながら、私から少しずつ離れていった。
マナ
私は、その姿を見つめることしかできなかった。
しばらくすると、2人の姿は見えなくなった。
マナ
どういうこと?
3人で、帰っても良かったのに…
そういえば、あのコソコソ話してたの、なんだったんだろ…
私に言えないことなのかな?
ギュッとランドセルの肩掛けの部分を握った。
私は、下を見ながら、ゆっくりと歩き出した。
コメント
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いじめて治らないから