目を覚ます
風が気持ちよく いい目覚めだった
辺りを見回すと
広い庭が見えた
たくさんの緑と池
僕は畳の部屋の布団で寝ていた
さっきまで僕は何をしていたのだろう
思い出そうとするとモヤがかかって思い出すことが出来ない
ギシ…ギシ
廊下から誰かが歩いてくる音が聞こえた
ギシ……
歩く音が止まった
音のなった方を向くと
蓮
目を覚ましたか
白い狐の仮面を被った男が立っていた
雪のように真っ白な短い髪 紅白の着物を着ていた 声は少し低く 高校生くらいの歳だろう 白い2本のしっぽ… あれ…この人どこかで…
勝樹
ここは…
蓮
ここは、私の家だ
勝樹
家?どうして僕ここに…
蓮
お前は選ばれたのだ
勝樹
選ばれる?
蓮
この森を守る神となるのだ
勝樹
神…
蓮
そのためにまず、修行だ
勝樹
修行?
蓮
これに着替えろ
渡されたのは 白と緑の着物だった
勝樹
着方ってこれであってるのかな?
蓮
着替えれたか?よし、着いてこい
ギシギシ
どんどん奥に歩いていく
広い玄関で靴を履き 外に出る
勝樹
ここは…お寺だったのか
懐かしい… ここに一度来たことがある そんな気がした 後ろを振り向くと 緑に囲まれている古いお寺があった
勝樹
このお寺…
美咲
おはようございます。
おきたのですね勝樹様
おきたのですね勝樹様
勝樹
あなたは?
声のするほうを向くと 黒髪の長い女の子が立っていた 顔が整っていて あれ…この子どこかで…
美咲
私は美咲と申します。
美咲
蓮の妹です
勝樹
蓮?
蓮
私のことだ
勝樹
そうなんだ…どうして蓮は狐の仮面を被ってるの?
蓮
・・私は妖だ。この仮面は小さい時から被っている。
勝樹
そうなんだ。………妖!?
蓮
そうだ 勝樹。そろそろ行くぞ
勝樹
あ、うん!