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黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
私は心底落ち着いている
今落ち着いていないのは、彼の方だ
夏によく訪れるゲリラ豪雨
雷と大粒の雨を伴い、大きな音を立てて私の頭に降り注がれる
頭の上で、バケツをひっくり返されたような気分
冷たくて、痛くて
ひどく不愉快だった
ただ、この人生にけじめをつけようと思った
きっかけなんて、これと言ったもの特にない
「疲れた」が少しずつ、少しずつ 蓄積してしまったから。 ただ、これだけの理由なんだと思う
黒尾さんは包丁を右手に持っている私に問いかける
黒尾 鉄郎
数m離れた位置から、強く、強く言い放たれた言葉
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
彼は、知らない
私がこの世界から消えていなくなりたい 明確な理由を
そして、何も知らなくて良い
でも、本当に疲れたから
どうか、止めないで
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
この16年間が、私に教えてくれた
生きてても、何ら楽しいことなんてなかった
なんでも頑張ったんだ
勉強だって、運動だって、全部全部
誰かの期待に応えたくて、目の前にある光の下に入りたくて
でも、私に期待していた人なんて本当は誰もいなくて、ただの自己満だった
報われる日っていうのは私には訪れなかったから
そんな人生を歩み続ける意味がわからなくなってしまったんだ
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
違う、楽しかった
ちゃんと、全部全部楽しかったよ
だけど、それ以上に
それをかき消されてしまうほどに「もう嫌だ」って思ってしまったんだ
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
反抗することができず、私は黒尾さんに包丁を渡した
それと同時に、黒尾さんは持っていた 大きめの傘の中に私を入れてくれた
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
真夜中の公園
街灯に照らされて自分と黒尾さんの影だけが伸びている
こんな大雨の中出かけてる人なんていなくて、辺りには誰の姿も見えない
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
誰かの力になるって、簡単じゃない
人を救うことができるのはほんのこれっぽっちの選ばれた人間だけだ
力になりたい、なんて普通に言わないでほしい
どうせ、本音を言ったら去っていくのだ
だったらもう、いい
勝手にどっか行っちゃえ
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
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『最期』
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
そんな日々から、抜け出したかった
心の底から驚いているのは、一目瞭然だった
普段はそう動じない彼が動揺しまくっているのだから
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
怒りと悲しみが混濁した声をあげられた
自分でも不思議に思うよ
なんで、こうなるまでちゃんとSOSを出さなかったのだろうか
.....いや、今なら理由がわかる
多分、怖くて逃げただけだった
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
半分本当で、半分は嘘
でも、本当に、殴られて、蹴られて、罵倒されるのも心から嫌なのも変わりない
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
バレー部のみんなだけは、私にとても優しく接してくれた
失敗した時も、笑って返してくれるみんなが大好きだった
だからこそ、空回って逆に伝えられなかったし、伝えたくなかった
知られることが怖かった
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
本当に、死にたいわけじゃないくて、ただ消えていなくなりたいだけなんだ
できれば、誰にも気づかれることなくこの世界のどこかに溶けて消えしまいたい
誰か傷つくわけでもなく、ただ私がいなくても平凡な日常が続けば良い
でも、本当は
この現状を打破できる何かが欲しかった
救い出してくれるヒーローが現れて欲しかった
私のそばにいて「大丈夫だよ、1人じゃないよ」そう言って
一緒に戦ってくれる人が欲しかった
でも、そんなの弱くてどうしようもない私には無理な話だった
自分でSOSも出せないのだから
こんな風に人生を終えることになってしまっても、おかしくない
できれば、もっとたくさんのことを知ってこの人生を楽しみたかったと思うよ
でも、この先に私の待ち望む未来は、この人生にはどこにもない
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
私は、きっと最低な質問をしている
消滅願望がある人に、死ぬことを 止めるってのは慈悲がないと思う人が多いと思うから
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾さんも、みんなも優しいから、優しすぎるから、そう言ってくれる
あなた達だから、私なんかにも優しい言葉を投げかけてくれる
でも、私が生きる世界は、すごく小さいから
家族や、クラスにいることが、黒尾さん達といる時間よりも、ずっと多いから
だから、感覚が麻痺してしまったのかな
どうしたら、そんな楽しい世界を知ることができるのか、私にはわからないんだ
楽しい世界に行くために、この楽しくない世界から離れようとする私は、間違っているのだろうか
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
世界という大きな視点で見れば、私より全然若くタヒんでしまう人はいる
せっかく生まれてくることができたのに理不尽に命を奪われてしまう人だってたくさんいる
どこかの国では、食べ物が食べられなくて餓死してしまう小さな子供
また、他の国では、戦争が絶えなくて爆撃に巻き込まれて死んじゃう子供
数え切れないほどにいる
そんな人たちと比べれば、私は充分長く
『生きていた』
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
黒尾さんは何も悪くないのに 八つ当たりなんて、馬鹿馬鹿しい
全て自分のせいだと言うのに
わかってる。そんなこと、自分が1番
それでも考えてしまうんだ
もっと愛のある家庭に生まれて、みんなでニコニコと笑って生きること
家族みんなで食卓を囲んで、今日あった学校での楽しかった出来事を話したり、些細なことで笑ったり
そんな「羨ましい家族」に私もなりたかったんだ
自分勝手だな、とつくづく思う
でも、もう信じることなんてできなくなってしまったんだ
弱くて、情けなくて、最終的にこの世界からいなくなる決断をした
そんな自分なんて大嫌いで
許せない。
でも、このまま生きていても何の価値も見出せなくて
誰からも必要とされないこの世界に私が生きている意味なんてどこにもなくて
どうしたら良いのかわからなくて
怒号で溢れ出すあの監獄のような家から逃げ出してきてしまった
そんなどうしようもない私に、楽しい世界を知れるだなんて
簡単に、言うな....
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
もう、"さようなら"って言わせてよ
私には何もないんだってば。
積み上げて、積み上げて、そうしてきた人生で結局最後に私の手に残ったものは何もない
ただ一つ何かが残ったのだとしたら、きっと孤独だけだ
孤独を抱えて生きるなら、この人生にけじめをつけるべきだと思った
正直なことを言ってしまえば、つらくて苦しい日々から助け出してくれる人が欲しかったよ
でも、「助けて」なんてどうせ迷惑だろ
そんなの知ってんだよ__
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
孤爪 研磨
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
孤爪 研磨
孤爪 研磨
黒尾 鉄郎
孤爪 研磨
◇◇ ◯◯
孤爪 研磨
孤爪 研磨
黒尾 鉄郎
孤爪 研磨
孤爪 研磨
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
孤爪 研磨
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
いつもチャラくてすぐにからかってくるのに、こういう時に限って 優しくされるのはずるい
落ち着けて、安心できる声に 涙がボロボロと堰を切ったように 溢れ始めた
拭っても拭ってもポタポタと落ちて 行く涙が嫌だ
こんなに情けないところを見られてるのが嫌だ
黒尾 鉄郎
その声と共に、頭の上に手が置かれた
本当にずるい人
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
いや、違うだろ
◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
そう思ったら、誰かに言うことが怖くていつのまにかこんなことになっていた
黒尾 鉄郎
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黒尾 鉄郎
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黒尾 鉄郎
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黒尾 鉄郎
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黒尾 鉄郎
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◇◇ ◯◯
黒尾 鉄郎
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
私馬鹿だ、こんなこと聞いても彼を困らせてしまうに決まっているのに
でも、なんでかなぁ...
この人に、どうしても助けて欲しいの
私を肯定して、一緒に現実と戦って欲しい
身勝手で、最低な心の叫びがやっと口に出てしまった
呆れられてしまうだろうか、見捨てられてしまうだろうか
でも、そんな不安よりも、私は黒尾さんが希望をくれる方に賭けた
私が知っている彼なら、きっと_。
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
黒尾 鉄郎
そんな、優しい言葉にそっと背中を押され、心が少し軽くなった
今は、今だけは、きっと、何を言っても何をしても、許されるんだ。
心からの、本音を___。
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
これが私の本音。
殴られるのも、蹴られるのも 全部全部、嫌だ。
孤独を感じて眠れない夜も
感傷で押しつぶされそうになる朝も
泣いても泣いてもどうにもならない日々だって
全部嫌で、大嫌いだから
世界と比べて、私は幸せ者なのかもしれない
食べるものも、寝るところもあるのだから
でも、私は、今以上の幸せが.....欲しい
これ以上の我儘なんてない
そんなの、自分が1番わかってる
でも、ここで私はこれ以上良いことなんてないって人生を諦めるのは
きっと、嫌なんだ。
心が、そう叫んでる。
ねぇ、神様
人生で、最後のお願いを 聞いてください。
『笑って生きたい』
これが私の人生で最後のお願いです
だから、どうか、どうか、 叶えてください。
こんなことを願っても、きっと私の現状はそう変わらない
どうしようもなく、辛くて苦しい日々はまだ続くと思う
けど、きっと彼なら光を照らしてくれる
一緒に戦ってくれる
そんな気がしたんだ
小さくて掠れたような声
黒尾さんにはこの声が届いたのかさえもわからない
黒尾 鉄郎
頭上から聞こえた声にハッとして 顔を上げた
◇◇ ◯◯
顔を上げたその先には、イタズラっぽく微笑む
黒尾 鉄郎
私のヒーローがいたんだ
主
主
主
主
主
主
主
主
主