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音を立てるな!

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音を立てるな!

1 - 音を立てるな! 第1話

♥

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2020年05月03日

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今岡茜

ねぇ『館の噂』って知ってる?

中西裕也

ただの心霊スポットだろ?

森尾アンナ

肝試しとかマジだるいんだけど

中西裕也

スゲーお化けが出ちゃうとかー?

今岡茜

それがね──

「入ったら二度と出られない館なの」

栗原涼一

俺は美穂となら出られなくてもいい

相川美穂

もう、涼一っ

中西裕也

お前らは見つめ合ってんじゃねーよ!

中西裕也

どっちか片方、館から二度と出てくんな!

栗原涼一

すまん、俺と美穂は一心同体だから

中西裕也

やってらんね!

中西裕也

ほら着いた、行こうぜ!

俺たち7人は高校2年の最後

思い出づくりにやってきた

噂の館へと──

それは古めかしい館だった

高木正人

ハァ、ハァ…

中西裕也

早く来いよ、オタク!

高木正人

自分の荷物くらい自分で──

ガンっ!

高木正人

痛っ!

中西裕也

お前は俺の荷物持ちなんだよ!

井上健太

裕也、そのくらいにしとけよ

中西裕也

うっせーよ、ラグビー部

栗原涼一

俺もラグビー部だけど?

中西裕也

ほら、とっとと中に入んぞ!

裕也が頑丈そうな扉を開け、正人を連れて館の中に入っていった

森尾アンナ

やっぱり私、帰る!

森尾アンナ

虫には刺されるし暑いし足イタイし

相川美穂

でもアンナ、今から戻るのも大変だよ?

森尾アンナ

それはそうだけど…

相川美穂

3年になるとクラス分かれちゃうかもだし

相川美穂

ちょっと中で休もうよ、ね?

森尾アンナ

…ちょっとだけだから!

森尾アンナ

飽きたら帰るから!

栗原涼一

うわっ、凄いな

中西裕也

高そうなシャンデリア!

今岡茜

まるでお城みたい!

茜の言う通りだった

吹き抜けの広間に豪華な内装

相川美穂

あっ!ほら見て!

栗原涼一

どうした?

栗原涼一

美穂の夢はピアニストだからな

♪♪♪

美穂が鍵盤を指で弾く

相川美穂

あれ?調律できてるみたい

栗原涼一

どういうこと?

相川美穂

誰か──いる?

今岡茜

ちょっとやめてよ!

相川美穂

実は茜、怖がりだもんね?

中西裕也

とりあえず探索しようぜ!

栗原涼一

気をつけろよ

中西裕也

なんだよ、お前までびびってんのか?

中西裕也

誰か『いる』っていうのかよ?

中西裕也

幽霊か、それとも──

「化け物とか?」

栗原涼一

………

中西裕也

荷物持ち、行くぞ!

高木正人

ぼ、僕はもう歩けないよっ

裕也が正人を引っ張っていく…

井上健太

涼一、どうした?

栗原涼一

ん?いや…

井上健太

まさか裕也の言ったこと信じたのか?

栗原涼一

そんなことないって!

栗原涼一

(でもさっきから…)

誰かに見られている気がする…

数時間後

俺たちは手分けして館の中を探索したが…

相川美穂

なにもないね?

栗原涼一

そうだな…

井上健太

もう出たほうが良くないか?

井上健太

電車がなくなる前に

栗原涼一

だな

井上健太

幽霊なんているわけないし

井上健太

ま、化け物が出てきたところで、俺がぶん投げてやるけどな

相川美穂

広間に戻ろっか

そう美穂が提案した時

中西裕也

ぎゃあああああー!

栗原涼一

ど、どうしたんだ!?

裕也が鎧の騎士に襲われている!

栗原涼一

お、おい!なんだこいつ!?

中西裕也

た、助けてくれっ!殺される!

騎士が刀を振り上げた!

井上健太

涼一、タックルだ!

栗原涼一

お、おう!

俺と健太は騎士の腰に飛びついた…

高木正人

ぐあっ!ぼ、僕だよ!

高木正人

裕也に無理やり着せられて…

栗原涼一

お前らなぁ、いい加減にしろよ

森尾アンナ

馬鹿じゃないの?

森尾アンナ

ああもうつまんない!私、帰る!

今岡茜

結局、なんもなかったね?

相川美穂

うん、帰ろっか

美穂が扉に手をかける

相川美穂

えっ、開かない

森尾アンナ

ちょっと!またあんた達でしょ!?

中西裕也

ちげーよ!

今岡茜

誰が閉めたの!?

その時

相川美穂

えっ、消えた?

森尾アンナ

ちょっと!いい加減にして!

中西裕也

俺じゃねーよ!

井上健太

でも、おかしくないか?

栗原涼一

ああ、シャンデリアだろ?

栗原涼一

なんで来た時ついてたんだ?

今岡茜

そういえば…

今岡茜

窓は全部、板が打ち付けてあった

栗原涼一

やっぱり──

「俺たち以外『なにか』いる?」

中西裕也

な、なにかってなんだよ!

井上健太

みんな落ち着け!

井上健太

とにかく明かりを探そう

健太がスマホの明かりを照らす

井上健太

おい!

井上健太

あんた、誰だ!?

栗原涼一

健太?

森尾アンナ

誰かいる!

中西裕也

なんだよ、人がいんじゃねーか

井上健太

ここの館の人なのか?

森尾アンナ

早く開けなさいよ!

森尾アンナ

ちょっと聞いてんの!?

栗原涼一

アンナ

森尾アンナ

なんとか言いなさいよ!

栗原涼一

アンナっ!

森尾アンナ

なによ!

井上健太

涼一、どうした?

栗原涼一

聞こえないか?

井上健太

えっ?

栗原涼一

聞こえるだろ!

俺の剣幕にみんなが押し黙ると、館が静寂に包まれる

栗原涼一

やっぱり聞こえる…

栗原涼一

足元から這い上がってくる唸り声

栗原涼一

とても人間のものとは思えない声が聞こえて──

井上健太

おい、俺たちをここから出してくれ

健太がそいつの肩に手を伸ばすと

ゆっくりと振り返った…

井上健太

えっ──?

爬虫類のような顔は目が潰れ

異様に長い鉤(かぎ)爪と尻尾

長い舌からは大量の唾が垂れ落ちる

ぎぃええええええええええええ!!

おぞましい化け物が咆哮を上げた

中西裕也

うそだろっ…

相川美穂

な、なにあれ…?

今岡茜

ひぃっ!

俺たちは動けなかった

あまりのことに動けなかった…

館の中に完全なる静寂が──

森尾アンナ

っ!

ガコンっ!

後ずさったアンナが、転がっていた鎧兜を蹴った

その瞬間!

化け物がアンナの首に食らいついた

栗原涼一

アンナっ!

森尾アンナ

ぐがっ…!

そしてそのまま首を食いちぎって放り投げる

中西裕也

や、やべぇ…

アンナの首が俺の足元に転がってきた

まるで、ラグビーボールのように──…

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コメント

262

ユーザー

想像力が広い!そのような才能を分けてほしい、、

ユーザー

怖いのが大好きで、たまたま見つけて読んでみたらとっても面白すぎます。 これからも怖い話などを出してくれませんか?

ユーザー

好きすぎます!怖、、

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