テラーノベル
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注意 二次創作 捏造多め
episode three
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DAY1 2017年8月4日 AM11:15
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古びた学生服を身に纏い、眼鏡を掛けている男の子。
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君は笑顔を見せた。 可愛くて明るい笑顔。
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君は教室の窓辺に腰掛けている。
空は明るく、陽射しが教室に差し込んでいる。
君はそれを愛おしそうに見つめている。
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この子は、同い年にしては僕よりも身長が結構低い。 160㎝位だろうか。細身で、力は弱そうだ。
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この子と学校が同じ? 制服が違うのに?
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それでもよくわからない。 何故制服が違う?同じ服を着ればいいのに。 それに、君は長袖を着ている。 暑い時期に、そんなのでいいのだろうか。
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訊いておきながら、どうでもよさそうな返事をしてくる。 君は初めて僕と目を合わせた。
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鬼ごっこ… 小学生ぶりだろうか。 懐かしいな、この遊び。
校庭の端まで走って逃げる。 体力や運動神経は悪くはないが、良くもない。
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そう言うと、君は全速力で追いかけてきた。
逃げようとしても、動きを読まれて難しい。
こっちも全速力で逃げるが、脚力が高く、速い君には勝てない。
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息を切らしてしまう。
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でもなんだろ。 こんなくだらない遊びを少しやっただけだけれど。
楽しいな、これ。
DAY1 2017年8月4日 PM4:30
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君は息を切らすことなく、飄々としている。 この子は見た目に反して凄く体力がある。
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そうやって訊くと、君は俯いて黙った。
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話にならない?
どうして?
気になるけれど、時間が時間だから、早く家に帰って勉強しなければいけない。
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椅子から立ち上がり、走って教室を出た。
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涙が止まらなかった。
男が泣くなとか、今は言われないらしいし。
いいよね、偶には弱音吐いて泣いても。
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家に帰りたくないなぁ。
夕焼けを見つめながら、重い足を動かす。
今日は少し、遠回りしようかなぁ。
校庭をわざわざ一周して、門へと向かう。
校庭の隅に、何かある。
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そこには、1945年8月6日に広島市に落とされた原爆で、沢山の生徒が亡くなった、と書いてある。
亡くなった人の名前と年齢が、分かる範囲では全て石碑に彫られているらしい。
その人達の名前を見る。
その中に、一つだけ、知っている名前が書いてあった。
「おんりー 十四」
おんりーは、死んでいる?
あのおんりーが?そんなまさか。
そんなまさか。
DAY3 2017年8月6日 AM8:14
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平和の鐘の音が街に鳴り響いた。
君は何も答えない。 黙って目を瞑っている。
僕も横で目を瞑り、黙祷をする。
平和の鐘の音が止み、時計は8時16分を指した。
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広島市に原爆が落とされてから71年が経った日だから。
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君は悲しそうな顔をしている。
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君は涙を流している。
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そう言うと、君は声をあげて泣き出した。
曇り空は少しずつ晴れていく。 光が差し込み、僕らが居る屋上が、光に照らされる。
涼しい風が吹き、僕の髪が靡く。
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君は、泣き笑いのような顔を浮かべた。
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君の身体が透けていく。
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最期にそう言うと、君はにっこりと笑って、口を動かした。
「君のおかげで幸せだよ。」 って。
complete the game!
ゼッタイテキ 開始 設定 終了←
コメント
2件
色々考えさせられる感動作ですね... 現在の80年ではなく、敢えて71年後のお話なのがまた。