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~人形の館~ 廊下

リリー

……。

夜桜猫

…ふふっ、

リリーが アマリスと夜桜の先頭におり、 先に部屋のドアを開ける。

リリー

……。

夜桜猫

(リリーちゃん、
可愛いな~♡)

アマリス

……。

夜桜猫

(…あれ?)

夜桜猫はドアの2歩前で 足を止めたが、アマリスは ドアに入らず通過した。

そして、

ゴンッ!

行き止まりに気づかず、 勢いよく壁と衝突する。

アマリス

…痛~っ…。

夜桜猫

だ、大丈夫ですか?!

アマリス

…あぁ、

アマリス

少し考え事に
集中し過ぎたよ。

夜桜猫

(そういえば、
部屋出てからずっと
静かだったね。)

夜桜猫

(考え事してたんだ。)

アマリス

えっと…
なんだっけ??
何を…

リリー

……。

リリーはアマリスに近づき、 袖を持ちながら軽く引っ張り 開けたドアに案内する。

アマリス

…あぁ、
そうだったね。

アマリス

ごめんごめん。

夜桜猫

……。

夜桜猫

(大丈夫かな?)

第53話

『不可解な存在』

リリー

……。

夜桜猫

おぉっ…

夜桜猫

(これが私の武器。)

夜桜猫は リリーから薄い円盤の ようなものを受ける。

アマリス

名前は
チャクラムさ。

アマリス

投擲武器の中でも
特に斬ることに
特化してる。

夜桜猫

斬る…

アマリス

使う時は
必ずその手袋を
着用するようにね。

アマリス

じゃあ、試しに
投げてみきくれ。

夜桜猫

はい。

夜桜猫は武器を左手に構え、 投げる体勢にする。

夜桜猫

……。

ブンッ!

バキッ!

夜桜猫は武器を 勢いよく投げた。

すると、武器は回転しながら 狙った薄い木の的を 真っ二つに切断した。

夜桜猫

おぉっ…

夜桜猫

(切れ味良い。)

アマリス

問題ないね。

アマリス

重さは
大丈夫かい?

アマリス

なるべく軽量には
したんだけど、

夜桜猫

はい、
全然大丈夫です。

夜桜猫

(ちゃんと
腕鍛えたからね。)

夜桜猫

(まぁ、でも
まだ1週間だから
関係ないか。)

フワッ

先程投げた武器が夜桜猫の 前までゆっくり向かってきて、 宙で静止した。

夜桜猫

…あれ、
戻ってきた??

アマリス

命令魔法を
付与してるんだ。

アマリス

手袋に戻って
来るようにとね、

アマリス

ちなみに
手をグッと握れば
さっきの速度で
戻ってくる。

夜桜猫

あ、なるほど。

夜桜猫

(便利だね。)

夜桜猫

(でも、あれだと
当たった人は
確実に怪我するよね。)

夜桜猫

(怪我しないように
扱えるかな…。)

アマリス

まぁ、でも
あれじゃ致命傷を
与えるね。

アマリス

普段はこっちの
ゴム製を使うといい。

夜桜猫

(良かった…。)

アマリス

後はナイフと
銃だね。

アマリス

まぁ、使い方は
事務所の訓練場と
同じだから
大丈夫だろう。

アマリス

説明は以上だけど、
何か質問あるかい?

夜桜猫

あっ、あの、
魔法道具を作るのは
出来ますか?

夜桜猫

例えば、
炎を出せる道具とか…

アマリス

あぁ、
そういう系か。

アマリス

作る事は
出来るけれど、
お断りしてる。

アマリス

悪用される
嫌だからね。

夜桜猫

そうですか…。

夜桜猫

(残念…)

アマリス

それに、
君はもう魔法道具
4つあるだろう?

夜桜猫

いや〜、
このお面は
何も使えないので…

アマリス

あと、2つは
事務所の人のかい?

夜桜猫

そうです。

夜桜猫

(あっ、魔法道具の数
3つの間違いだね。)

アマリス

なら、
必要ないさ。

アマリス

持ち過ぎると
魔力に反応して、
悪いのが寄ってくる
からね~。

夜桜猫

ひえっ…

夜桜猫

(それは嫌だね。)

夜桜猫

(今度から注意しよう…)

アマリス

そういえば、
興味深い情報を
見つけたんだよね。

夜桜猫

え?

アマリス

廻転の森の
過去を遡って
調べてみると、

アマリス

その前は
『コナキ森』と
なっていた。

夜桜猫

コナキ森?

夜桜猫

(変わった名前だね。)

アマリス

今の森の性質は
記載がなかったけど、

アマリス

近くの村の記録では
森に関するある掟が
あった。

アマリス

『子を森へと
立ち入る事を禁じる。』

アマリス

『立ち入れば、
森に魅入られ、
族に災いを訪れる。』

夜桜猫

ん??

アマリス

この掟が
決まったには
理由があった。

アマリス

ある日から
村の子ども達が
次々に森に入る事で
神隠しに遭い、

アマリス

さらに、その子の
家族全員が謎の病死、

アマリス

あるいは身体を
噛みちぎられたような
姿でし死亡したらしい。

夜桜猫

(な、何それ…)

夜桜猫

(怖っ…)

夜桜猫

呪い的な…のですか?

アマリス

そうらしいね。

アマリス

君、双鬼神社を
知ってるかい?

夜桜猫

双鬼神社??

アマリス

この街の
有名な神社さ。

アマリス

神社には
2体の鬼が
住んでいて、

アマリス

鬼の血筋の中から
選ばれた者が
神主になり、

アマリス

そして、
災いや厄を
払ったと…

夜桜猫

鬼の血筋…

アマリス

その鬼と人間の間に
生まれた者達さ。

アマリス

つまり、
その鬼の子孫達だね。

夜桜猫

あ、なるほど…

アマリス

彼らの血筋が
滅んでおらず、
今でも街の守護をしている。

アマリス

僕も1000年前に
一度、訪れたんだけど、

アマリス

その時は
愛嬌の良い
女性だったね。

アマリス

名前はえっと…、

アマリス

日の出ちゃん…
だったかな?

アマリス

いや、
なんか違うような…。

アマリス

うーむ…

夜桜猫

(出た、
アマリスさんの
名前忘れ…)

夜桜猫

(まぁ、
人の事言えないね。)

夜桜猫

(私はカタカナの
名前覚えるの苦手
なんだよね。)

夜桜猫

(実は未だに
アマリスさんの
名が曖昧…)

夜桜猫

(アママリスか、
アマリリスかの
どっちかだよね?)

アマリス

まぁ、いいか。

アマリス

ちなみにお守りは
凄い効果良いから、
買ってみるといいよ。

夜桜猫

ほぅ~、

夜桜猫

(気になるから
また行ってみよう。)

アマリス

話を戻すけど、

アマリス

その神社の
当時の神主の
記録があってね、

アマリス

彼が神隠しにあった
子の家族を見たところ、

アマリス

彼らには
祓えない程の強い念が
ついてたらしい。

アマリス

だから、
被害が出ないように
あの掟を決めたと
記されている。

アマリス

そしてそれ以降、
被害はなくなり
村は繁栄していったと…

アマリス

以上が
記載された事さ。

夜桜猫

えっと、
結局のところ原因は?

アマリス

謎のままさ。

アマリス

森に浮遊する
負の念の呪い、

アマリス

また何者かが子を攫い、
家族にも呪いをかけた
と考えられたらしいけど…

夜桜猫

(スッキリしないね…)

アマリス

でも、なんか
おかしいんだよね。

アマリス

村の記録で
確かに子どもは
減っていたけれど、

アマリス

時期が一致
しないんだ。

アマリス

元々、村は
子どもが死亡が多くて、

アマリス

掟を決めた後は、
急激に死亡が減少した
みたいなんだよね…。

アマリス

まぁ、調べようにも
今の森はじゃ
不可能だね。

夜桜猫

闇桜の友達の
魔法使いは?

アマリス

ないね。

アマリス

当時はまだ、
中央に辿り着けない
噂はない。

アマリス

魔法使いが
コナキ森に逃げ込んだ
から廻転の森が
出来たからね。

アマリス

つまり、彼女は
まだ森にいない。

夜桜猫

そうですか。

夜桜猫

(本当に謎の多い
森だね。)

夜桜猫

(それに、
怖い話ばっかりだし…)

アマリス

魔族だったら
儀式の材料か、
食用かな。

夜桜猫

へ?

アマリス

神隠しの目的さ。

アマリス

たまに異族が
人間の子を
育てるという
のはあるけれど…

アマリス

大半は
商売目的とかだね。

夜桜猫

ソ、ソウデスカ…

夜桜猫

(もうそれ以上、
怖い事言わないで~。)

夜桜猫

(怖くて
行けなくなる…)

アマリス

まぁ、
それが真実だと
限らない。

アマリス

でも、気を
抜かないようにね。

夜桜猫

ハイ…。

夜桜猫

(食われないように
気をつけます。)

夜桜猫

今日はありがとう
ございました。

アマリス

どういたしまして。

アマリス

帰りは鬼ちゃんかい?

夜桜猫

はい。

夜桜猫

(さっき、
夜桜にメールしたし
来るまで待つだけ。)

夜桜猫

(送り迎え
本当にありがたい。)

アマリス

…ねぇ、猫ちゃん。

夜桜猫

あ、はい…

…トンッ、

夜桜猫

ッ?!

突如、アマリスは ナイフを夜桜猫の喉元に 突きつけた。

夜桜猫

ア、アマリスさんっ??

夜桜猫

(な、なんでっ!?)

夜桜猫

(もしかして、
なにか失礼な事を…)

アマリス

…今、視線を
感じるかい?

夜桜猫

え??

アマリスはどこかを 見つめながら、小声で言った。

夜桜猫

(視線??)

夜桜猫

いえ…特には…

アマリス

……。

夜桜猫

??

夜桜猫

(どうしたんだろう?)

夜桜猫

(それに一体、
何を見て…)

アマリス

…となると、こうか。

アマリスは ゆっくりとナイフを 振り上げる。

夜桜猫

(え、冗談だよね??)

アマリス

……。

夜桜猫

(いや、
冗談じゃない
目してる…)

夜桜猫

(こ、殺されるっ…)

アマリス

ガシッ!

夜桜猫

うわっ?!

ダッ!

アマリスはナイフを止め、 右腕で夜桜を抱え 勢いよく宙に飛ぶ。

直後、

バコンッ!!

二人がいた場所が 大きな音を立てて 爆発した!

アマリス

…危ないねぇ…

夜桜猫

…え、

夜桜猫

(ええええぇぇぇぇぇっ!?)

夜桜猫

(い、一体何が
起こったのっ!?)

アマリス

怪我はないかい?

夜桜猫

は、はい…

夜桜猫

(しかも、
浮いてる…。)

夜桜猫

(魔法かな?)

アマリス

…んー、あれが
飛んできたのか。

夜桜猫はアマリスの 視線の先に向いた。

地面は滅茶苦茶に破壊されており、 その中に黒い剣が突き 刺さっていた。

夜桜猫

(剣?)

…ボロッ…

しばらく見ていると 黒い剣はボロボロに崩れ消えた。

アマリス

魔力で作られた剣かね?

アマリス

殺意満々だね~。

夜桜猫

今、一体どういう
状況ですか?

夜桜猫

(もう何がなんだか…)

アマリス

実はさっき、
僕の部屋で視線と
気配を感じたんだ。

アマリス

おそらく窓の方から
覗いてたんだろう。

夜桜猫

窓?!

夜桜猫

でも、あそこって…

アマリス

5階ぐらいの高さで
足場もないね。

夜桜猫

(ですよね!?)

アマリス

気配を感じたのは、
僕が猫ちゃんに
銃口を向けた数秒後、

アマリス

そして、銃口を
下げた瞬間に急に
消えた。

アマリス

移動方法は
わ分からないけど、

アマリス

何故あの数分間だけ
いたのか疑問に
思ってたんだ。

アマリス

ずっと考えてたら、
ある結論に
辿りついてね、

アマリス

それで、
似た状況を作って
試してみたんだよ。

アマリス

案の定、再びね…。

アマリス

スッと現れて
向こうから
こちらを見ていた。

夜桜猫

(全然気づかなかった。)

アマリス

いや〜、ごめん。

アマリス

危険な事に
巻き込んでしまったね。

アマリスはゆっくりと 地面に降り立ち、 夜桜猫を置いた。

夜桜猫

(地面がボコボコだ。)

夜桜猫

(もし、
この場にいたら
死んでたね。)

アマリス

…狙ってたのは
僕だけのようだね。

夜桜猫

え?

アマリス

君の位置は地面は
破壊されず
綺麗なままさ。

夜桜猫

(あ、本当だ。)

アマリス

猫ちゃんが
危険な状況になると
現れる…か。

アマリス

危険人物に
心当たりはあるかい?

夜桜猫

いや、全くないです…。

夜桜猫

ちなみに姿は?

アマリス

んー、黒いマントで
全身が隠れてたから
詳しくは分からないね。

アマリス

見えたのは、
剣銃を構えた左腕。

アマリス

身長はだいたい
鬼ちゃんぐらいだけど、
彼女じゃないね。

アマリス

気配が全然違う。

夜桜猫

そうですか…。

夜桜猫

(まさかだと思うけど、)

夜桜猫

(記憶喪失だから
忘れてるだけで、
私には知り合いが
いる…?)

アマリス

この事は
秘密していた方が
いいだろうね…。

夜桜猫

え?

アマリス

隠れてるとは
知られる事を
よく思ってない。

アマリス

もしメンバーが
正体を知ろうと
行動したり、

アマリス

華ちゃんに言って、
忍ちゃんの監視下に
置かれる事になれば、

アマリス

刺激してしまう
かもしれない。

アマリス

そうなると、
彼らが危険だろう。

夜桜猫

…確かに…

夜桜猫

でも、メンバーが
被害に遭ったら…

アマリス

大丈夫さ。

アマリス

魔法使いちゃん達は
君に攻撃しないだろう?

アマリス

現に誰も存在を
知らなかったからね。

夜桜猫

……。

バサバサッ!

空から大きな鳥が 地面に降り立った。

そして、鳥の姿は 夜桜に変わった。

アマリス

…おや、お迎えが
来たようだね。

夜桜

…おい、ここで
何があった?

夜桜猫

あ、えっと…

夜桜猫

(最悪な
タイミングだ。)

夜桜猫

(どうしよう…)

アマリス

…いや〜、
試作品の武器を
試したら爆発してね。

夜桜猫

(え、)

夜桜

爆発?

アマリス

あぁ、試作の
爆弾を撃つ銃を
見せようと思ったんだけど、

アマリス

でも、地面に
落とした瞬間に
嫌な音がしてさ、

アマリス

退避したらバコンッ!
となって玄関が
滅茶苦茶に
なっちゃったよ~。

アマリス

いや〜、
本当に危なかった…。

夜桜猫

(嘘ついてる…)

夜桜

…そういう危険な事は
一人で勝手にしてろ。

夜桜

万が一があったら…

アマリス

わかってるさ。

アマリス

今度からは
十分に確認するよ。

アマリス

あ、そうだ。

アマリス

今から一緒に
お茶していかないかい?

アマリス

僕、君と1度も
お茶した事ないよね~♪

アマリス

確か明後日まで
休業だと
聞いたんだけど…

夜桜

…夜桜猫、
帰るぞ。

夜桜猫

う、うん…

夜桜猫

(上手いこと、
話を終らせた。)

アマリス

じゃあ、また
何かあったら
連絡してくれ。

アマリス

依頼頑張ってね。

夜桜猫

はい、
ありがとうございます。

夜桜猫

(本当に
色々と申し訳ない。)

夜桜猫

(今度、お礼の品を
持って来よう。)

夜桜猫はアマリスに一礼し、 夜桜の方へ向かった。

夜桜猫は大きな鳥の背中に乗り、 帰って行った。

夜猫🌸依頼事務所~厄災の魔女~

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