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夜猫🌸依頼事務所～厄災の魔女～

第54話 - 第54話『愛情』

2023年01月22日

#オリキャラ

#戦闘

#ファンタジー

#一次創作

🌙夜桜猫🌸

夜猫依頼事務所～事務員室～

火曜日 AM9:00

夜桜

後、15時間。

夜桜

待機場所は
森の中の迷彩柄の
テント。

夜桜

移動は
白樹の秘書が
魔法のドアで案内
してくれるようだ。

夜桜

その後は待機だが、
厳しい状況になれば
俺らの出番となる。

猫船

なるほど…。

夜桜

まぁ、出番ない方が
いいが…

猫船

出番が来たら
頑張らないとね！

夜桜

…そうだな。

夜桜

深夜だから、
今のうちに寝とけよ。

猫船

うん、今から寝て
タイマーかけて
2時間前に起きる！

夜桜

2時間前？

猫船

魔法の練習を
するんだ。

猫船

教えてもらったの
まだ出来なくて…

夜桜

そうか。

夜桜

ちゃんと自分で
起きろよ。

猫船

わかった！

猫船

じゃあ、夜桜
おやすみ～～！

夜桜

あぁ、

第54話

『愛情』

～人形の館～

コンコンコンッ

…ギィィ…

竜宮

…失礼します。

リリー

……。

竜宮が館に入ると、リリーが飛んできた。

竜宮

竜宮です。

竜宮

四葉さんを
診にきました。

竜宮

(また人形が
対応ですか…。)

竜宮は早歩きで部屋に向かい、その後にリリーもついていく。

竜宮

(あの蚊、
4日間見てない。)

竜宮

(まぁ、あんな奴、
全く気にしませんけど、)

食べないね～。

血があれば
生きられるしね。

まぁ、でも
お菓子は暑中
作って食べるよ。

ちょっとした
趣味的な感じかな。

部屋まで近づくにつれて男性の話声が聞こえてきた。

竜宮

(…今日は部屋に
いるんですね。)

竜宮

(まぁ、いつもより
早めに来ましたからね。)

竜宮

(ってか、
ドア開いてるし…)

竜宮

(無用心ですね。)

竜宮

失礼しま…

竜宮

……。

リリー

……。

竜宮は入ったとした瞬間、口と身体の動きが停止する。

彼女の視界にはベッドにいる四葉とその隣の椅子に座っているアマリスが写るが、

アマリスの手には赤い液体の入った注射器がにぎられている。

四葉

先生
こんにちは。

アマリス

…あれ、今日
早くない？

バチッ…

竜宮

…何してるんですか？

バチバチッ！

竜宮の身体の周りに緑色の光が発生し始める。

アマリス

あ〜、これはね…

竜宮

検査の為の
採血じゃないですよね？

アマリス

……。

四葉

……。

リリー

……。

ドゴンッ！！

竜宮

患者様から食用を
採取するなぁぁぁぁぁっ！！

数十分後…

バチバチッ！

竜宮

ったく、
やるなと言った事を…

四葉

ごめん、
僕がOKしたんだ。

四葉

血液が好み
だったみたいで…

竜宮

勝手に
OKしないで下さい。

竜宮

まだ怪我も
治ってませんし、
何かあれば困ります。

四葉

はい…

四葉は横目で廊下の方を確認する。

開いたドアの隙間からアマリスが倒れている姿があった。

リリー

……。

ギィィ…

ガチャンッ

しばらくするとリリー宙に浮き、ドアを閉めた。

四葉

…いつも
あんな感じなの？

竜宮

まぁ、
そうですね。

竜宮

でも、原因は
ほぼあの蚊ですよ。

竜宮

お嬢ちゃんとか
チビとか悪口
言ってくるし、

竜宮

人が忙しくしてる
横で笑いながら
ゆっくりお茶したり、

竜宮

くだらない長話を
してきたり…

バチバチッ！

竜宮

本当にうざいですっ、

竜宮

耳の近くに
ブンブンと飛ぶ蚊
ぐらい…

四葉

(だから
蚊なんだ。)

竜宮

愚痴ばかり
言ってすいません。

竜宮

まあ、
問題は多いですが、
仕事は意外と
真剣なので…

竜宮

ところで、
怪我は問題なく
治ってきてますね。

竜宮

まだ安静は
必要ですが…

四葉

竜宮先生は
普通の医師？

竜宮

見た通りです。

竜宮

どうしてですか？

四葉

…腰の辺りに
スタンガンがあったから
気になってね。

竜宮

……。

四葉

(スタンガンを
持ってる医師なんて
普通はいない。)

竜宮

…診療所でも
特殊なチームに
所属してるんですよ。

竜宮

…診療所の
手伝いが多いですが、

竜宮

本来の業務は
警察関係者や
白樹さんが率いる
団体の治療。

竜宮

後は緊急現場に向かい
状況によれば、
戦闘に参加ですね。

竜宮

まぁ、現在の人数は
私とあの蚊だけですけど、

四葉

2人だけ？

竜宮

入る人は
いるのですが、
すぐ辞めるんですよ。

竜宮

主なのは緊急現場での
ストレスですね。

竜宮

まぁ、少人数の方が
やりやすいので
いいんですが、

竜宮

ただ、あの蚊の
長話相手ぐらいは
ほしいですね。

四葉

どうしてそれに？

竜宮

仕事先を
探してた時期に
白樹さんに誘われたんです。

竜宮

『知り合いの
診療所にチームを
作るから入って
くれないか？』って、

四葉

そうなんだ。

竜宮

じゃあ、
四葉さんは？

四葉

ん？

竜宮

どうして、暗殺者に
なったんですか？

竜宮

その、失礼な事を
言いますが、
イメージが湧かなくて…

四葉

…言われるまま
なったってところかな。

竜宮

夢はなかったんですか？

四葉

考えた事はないよ。

四葉

元々、生きてるのは
暗殺者として
選ばれただけだから…

竜宮

ん？

四葉

僕、捨て子
だったんだ。

四葉

赤子の頃に
森の奥でダンボールに
入れられて、

四葉

それで、偶然
通りかかった人が拾って
育ててくれたんだ。

竜宮

…どんな人だったんですか？

四葉

あまり表情が
変わらない静かな人で、

四葉

仕事を確実にこなす
優秀な腕の暗殺者。

四葉

僕はその人を
先生って呼んでた。

四葉

先生の指導は
厳しかったけど、
普段は凄い優しかった。

四葉

小さい頃、
仕事のない日は
一緒に遊んでくれたり、

四葉

森で迷子になった時も
探しに来てくれたり…

竜宮

大事に
されてたんですね。

四葉

……。

四葉

……。

ここにいましたか。

四葉は地面に座り、何かをしていた。

そして、女性の声を聞くと、振り返り、笑顔を向けた。

四葉

おかえりなさい。

私がいない時は
外出は控えるように
言いましたが…

四葉

あっ、えっと…

四葉

ごめんなさい、
わすれて…

今度から
必ず守って下さい。

四葉

はい…。

ところで、
何してるんですか？

四葉

えっと…

四葉は立ち上がり、女性に何かを渡した。

…これは、

四葉

よつばのクローバー…

四葉

まえにね、
せんせいがみつけると
しあわせになるって
いってたでしょ？

見つけたんですか。

凄いですね。

四葉

うん。

四葉

その、せんせいに
あげる…

私？

四葉は少しモジモジしながら無言で頷く。

すると、女性は無表情が緩み微笑みが浮かべながら彼の頭を優しく撫でた。

…ありがとうございます。

先生、
大切にしますね。

四葉

(よろこんでくれた。)

じゃあ、先生は
これをあげます。

女性は片手で鞄から真っ赤な林檎を取り出し見せた。

四葉

あっ、りんご！

いつも同じもので
すいません。

好きなお菓子あったら
買ってきますが…

四葉

りんごでいいよ！

四葉

ぼく、りんごすき！

そうですか。

じゃあ、
家の中で
食べましょうか。

四葉

うん！

今日から
ここがお前の家だ。

だから、
勝手にここから
出るなよ。

四葉

先生は？

あいつは
仕事をやめて
出ていった。

四葉

どうして？

さぁな。

わかる事はお前を
捨てたって事だな。

四葉

…すてた？

あいつは
そういう奴だ。

最初から
お前に対しての
愛情なんてない。

だから、
お前をここに
置いて去った。

四葉

……。

…あいつの
事はもう忘れろ。

忘れて、
暗殺者になるだけ
考えろ。

いいな？

四葉

……。

四葉

(あれからもう
14年間。)

四葉

(先生の行方が
分からない。)

四葉

(どうして
出ていったんだろう？)

竜宮

…良いですね。

四葉

ん？

竜宮

私の両親は
全然構ってくれ
なかったんですよ。

竜宮

遊びたいと言っても
毎回、仕事が忙しいと
理由ばかりで、

竜宮

学校の話をしても
何しても関心のない
返事ばかりでした。

竜宮

それに対し、
自分達の要求ばかり
押し付けて…

竜宮

正直、両親との
思い出は良いものは
ないですね。

四葉

そう、なんだ。

四葉

なんか
寂しいね…。

四葉

僕だったら、
耐え切れないよ。

竜宮

私も耐え切れ
ませんでした。

竜宮

我慢できなくて、
19才の時に
家出しました。

竜宮

今は疎遠状態です。

竜宮

だから、
四葉さんの先生は
良いなって思いました。

四葉

…そっか。

四葉

(先生には愛情が
あったのかな…。)

四葉

(僕は嘘とは
思えない。)

竜宮

そういえば、
その先生って方は
今施設に？

四葉

ううん、
14年前に何処か
行っちゃったんだ。

四葉

また、会えたら
良いんだけど…

竜宮

そうですか…。

竜宮

それにしても、
四葉さんって
意外と喋るんですね。

竜宮

てっきり
夜桜さんみたいに
無口な人かと…

四葉

どうして？

竜宮

うーん、
見た目ですね。

竜宮

前髪で目が
隠れてて暗いと…

竜宮

失礼言いますが、
好印象に見えませんね。

竜宮

前髪切るか、
上げるかした方が
いいのでは？

四葉

…そうかな？

竜宮

ちょっと、
触っていいですか？

四葉

うん。

竜宮は四葉の前髪を触り始めた。

竜宮

右目はどうして
眼帯を？

四葉

昔、先生に
隠すように
言われたんだ。

四葉

理由は
よく分からないけど、

四葉

(それに、
見えるからね。)

竜宮

そうですか。

四葉

やっぱり怖いかな？

竜宮

怖いとは
思いませんね。

竜宮

珍しいってぐらい…

竜宮

でも、眼帯してたら
電柱とかに
ぶつかりません？

四葉

今は慣れたから
あまりないよ。

竜宮

昔はあったんですね。

四葉

あはは…

四葉

(僕の場合、
電柱より樹かな。)

竜宮

…出来ましたよ。

竜宮は白衣のポケットから小さな手鏡を出し、四葉を写し見せた。

四葉

……。

竜宮

どうですか？

四葉

…確かに
こっちの方が
いいかも…

竜宮

絶対こっちの方が
良いですよ。

竜宮

かっこいいですしね。

四葉

……。

竜宮

…あの、
どうしましたか？

四葉

あ、ごめん…

四葉

その、
いつも怒った顔
だったから驚いて…

四葉

(笑ってる顔、
初めて見た…)

竜宮

あ、なるほど…

竜宮

すいません、
私が笑うと
変ですよね。

四葉

全然変じゃないよ。

竜宮

本当ですか？

四葉

うん。

四葉

そっちの方が
可愛いし、

四葉

僕は好きだよ。

バチンッ！

四葉

ッ！

突如、竜宮の身体から黄緑色の光が一瞬、発光する。

竜宮

…今、なんて…

四葉

ん？

四葉

…えっと、
そっちの方が
可愛いし僕は…

竜宮

に、2回も
言わなくて良いですよっ！

四葉

？？

バチバチッ！

竜宮の周りはさらに激しくなり顔も真っ赤になっていく。

四葉

竜宮先生？

竜宮

きょ、今日は
もう帰りますっ！

竜宮

し、失礼しますっ！！

ガチャッ！

竜宮はドアを開き慌てて去って行った。

四葉

(行っちゃった…)

四葉

(…あ、
ヘアピン忘れて
行っちゃった。)

ガチャンッ

アマリス

…痛た…。

竜宮と入れ替わるようにアマリスが入ってきた。

四葉

大丈夫？

アマリス

…まだちょっと
ビリビリするね。

アマリス

まぁ、前より
マシだけど…

リリー

……。

アマリス

ところで、
雷ちゃん慌てて
帰って行ったけど、
どうしたんだい？

四葉

うーん、
僕も分からなくて…

四葉

もしかして、
可愛いって言ったのが
駄目だったかな？

アマリス

可愛い？？

四葉

うん。

四葉

笑った方が
可愛いって…

アマリスは真顔で考えていたが、しばらくするとニヤリッと怪しく笑う。

アマリス

…まぁ、彼女なら
言われると嫌かも
しれないね～。

アマリス

この前、
可愛いお嬢ちゃん
って言ったら
キレてたし、

四葉

そっか…

四葉

(失礼な事
言っちゃったんだ。)

アマリス

それより僕、
今夜は外出するからね。

四葉

外出？

アマリス

君のいた施設の
弾圧さ。

四葉

ッ！

アマリス

と言っても僕は
医療、または
緊急事の予備軍
だけどね。

アマリス

だから、
僕がいなくても
ここから出ないでね。

アマリス

まぁ、人形が代わりに
警備してるから
逃げれないと思うけど…

アマリス

じゃあ、
準備があるから
これで…

四葉

うん。

ガチャンッ

アマリスは部屋から去って行った。

四葉

(姉さん、
大丈夫かな…。)

四葉

(僕のせいで…)

四葉

……。

リリー

……。

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