エーミールが眠ってから 3年が経過した
わたしは高校生になった
最近では雪も降り始めた
冬が過ぎれば春がくる
春がきたら…エーミールは4年眠り続けていることになる
美晴
美晴
静かに眠るエーミールの手を優しく握った
事故の直後、1週間ほどは集中治療室にいたが
すぐに普通の病室に移された
美晴
美晴
美晴
エミママ
後ろから声が聞こえた
エーミールのお母さんが日本に帰ってきていたのだ
美晴
美晴
久しぶりに見たエーミールのお母さんはやせ細っていて、表情も暗かった
エミママ
エミママ
美晴
美晴
エミママ
エミママ
美晴
エミママ
エミママ
エミママ
エミママ
エミママ
美晴
美晴
美晴
美晴
エミママ
美晴
その後、お母さんが来てくれておばさんと話をしに行った
久々に見たおばさんを見た瞬間
あぁ…エーミールだって思った
エーミールはおばさんによく似ていた
だからおばさんが泣いていると
…エーミールが泣いてるみたいだった
美晴
幼い頃、よく2人で遊んだ花畑に来ていた
滅多に人が来ない、2人の秘密基地
何年経っても変わらないこの場所は 心地がいい
美晴
美晴
美晴
美晴
3年も聞いていないエーミールの花の話
もしこの場にエーミールがいたら…
教えてくれたのに…
美晴
いつの間にか私の横に誰かが座っていた
印象的なのは
緑のネクタイに茶色のベストを着て先生のような格好の男の人
20代くらいの大人びている人がいた
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
そう行って、男の人は私の腕を引っ張っていった
美晴
初めて会った人について行くなんて 本当はダメな事だし驚いたけど
美晴
でも
不思議と嫌じゃなかった
美晴
美晴
そう言ってフラーっと寄ったオシャレなカフェに入った
オシャレなカフェの中は木造建築で かすかに木の匂いがした
そこにフワッとコーヒーの匂いがして 新鮮な気持ちになった
お店の中は客は少なく、静かで雰囲気がいい
と、言われるがままに座った
美晴
美晴
良かったのかな…
知らない人について行ったりしちゃって
そんなことを考えていると注文していたものが運ばれてきた
美晴
美晴
美晴
と、そんなやり取りをして
お店を出た
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
本、か
高校生になって読まなくなった
昔は、エーミールがよくオススメしてくれてたっけ
試しにふと手に取った本を読んでみると…
美晴
前にエーミールが読んでた本だ
チラッとしか見えなかったけど…覚えてる
なつかしい…
夢中でページをめくっていると、 正午を示すチャイムがなった
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
美晴
あ
今、私…
笑った
エーミールが眠ってから、笑うことはなかった
でも…笑えた
笑えたよ、エーミール
知らない人だけど安心感もあって
笑わせてくれる、優しい人
今日は、君と出かけた日。
コメント
2件
やばい、マジで番外編だけで作品出してくれるとか神ですか? すいません、神でした…(?) エミさんの頭良くなった気分になるみたいなところ可愛いすぎませんか??可愛すぎて最高です…() 最後の人マジでエミさんなんですかね…? 幻覚…?ではないことを願いますね…! 今回もとっても面白かったです!!!次回で最後だと思うと悲しいですが!明日来るということはめっちゃ嬉しいです! 楽しみに待ってます!
次回で番外編終わります! 明日更新いたします😊