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月影 未彩

いやー!平和になりましたなー!

茶会の場で大声を出して喜んでいるのは、この場所『月影神社』の主である月影未彩(つきかげみあ)

《能天気な巫女少女》 巫女に憧れて神社に住んでいる20歳の人間。 メルヘンチックな頭を持つ。 やる時はちゃんとやる。 脳筋っぽい発言も多々見られる。 瞬間移動をする能力を持ち、視界に入る場所になら瞬間移動することが出来る。 武器としてお祓い棒を使うが、瞬間移動以外の魔法は全く使えないので、お祓い棒を改造してナイフにしている。

星川 悠斗

マジでどうなることかと思ったわ

紅茶を啜りながら安堵の様子を見せる『星川病院』の院長、星川悠斗(ほしかわゆいと)

《吸血の医者》 医療の知識を得て医者をしている24歳のヴァンパイア。 ヴァンパイアではあるが日光に弱くないし十字架も平気。 血は吸っている。 武器として剣を使う。 治癒能力を持ち、それに関連する魔法を使うことが出来る。

アリス・シア

それもこれも舞夢ちゃんのおかげね

そう言いながら私の頭を撫でるのは、『アイスキャッスル』の長、アリス・シア

《凍獄の魔女》 8000歳の半人半魔 信用の無い者には恐ろしく冷たいが、信用した者にはものすごく甘い。 それと甘えたがる 『冷』を操る能力を持ち、氷属性魔法を使う。 武器として槍を使う。 ある日、悠斗の形をした影に襲われて殺されそうになっていたところ、この世界に飛ばされた舞夢に助けられる。 それ以来舞夢に住居を提供する。

吟羽 舞夢

そんな…私大それたことはしてないよ…

《故郷を失った少女》 吟羽 舞夢(ぎんは まゆ) 19歳魔法使い。 大人しく冷静。口数はあまり多くないが、寂しくなった時はよく話す。過去に何かがあり故郷は分からないと言う。 魔法を扱う能力を持ち、if魔法以外はほぼ全ての魔法を使う。 武器は杖を使用している。 故郷を求めて旅をする主人公。

アリス・シア

本当に殺されるところだったのよ

アリス・シア

それを舞夢ちゃんは救ってくれたわ

アリス・シア

感謝してるわ

吟羽 舞夢

…うん、ありがとう

この人たちに何があったのか

それは10日ほど前に遡る

吟羽 舞夢

う…いてて…

私はこの直前、突然目の前に現れた人物に魔法を使われ、気付いたらこの場所に来ていた。

吟羽 舞夢

何…?ここ…燃えてる…?

アリス・シア

誰か……助け…

目の前には黒い影とその影に襲われている1人の女性

吟羽 舞夢

【シャイラ】!

咄嗟に光属性の魔法を影に向かって唱える。

シュゥゥゥゥゥゥ……

影は崩れるように消えていった。

そして残ったのは、赤色の宝石。

吟羽 舞夢

これは…?

後ろを振り返るとさっきの女性が意識を失っていた

吟羽 舞夢

(このままにする訳にはいかないな)

私は比較的安全そうな所まで女性を連れていき、回復魔法を唱えた。

アリス・シア

ありがとう…助けてくれて

吟羽 舞夢

一体、何があったの?

私は現状について聞いた。

アリス・シア

数日前から、急に行方不明者が大量に出たのよ

アリス・シア

誰も、見つかってないわ

アリス・シア

私の城の従者も行方不明になってたの

アリス・シア

だから、彼女たちを探すために島を回っていたの

アリス・シア

その時だった、あの影が現れたのは

アリス・シア

私たちの島は荒らされ、残っていた仲間も殺された

アリス・シア

逃げ切れた子がいたら幸いね

アリス・シア

見てもらった通り、私も殺されそうになったのよ

アリス・シア

そこにあなたが来た

吟羽 舞夢

影に心当たりは?

アリス・シア

ないわね

アリス・シア

ひとつあるとすれば…

アリス・シア

あの影は悠斗の形をしていた

吟羽 舞夢

悠斗…?

名前には聞き覚えがあった

どこで聞いたのか、思い出そうとしていると…

アリス・シア

えぇ、星川悠斗

アリス・シア

私の島、アイカラン島とは別にある島、雷火島の長よ

アリス・シア

ただ、悠斗本人では無いはず…

アリス・シア

何か、あったのかもしれないわ

吟羽 舞夢

じゃあ、その雷火島ってところに行くの?

アリス・シア

そうね、そのためには、天秤のところに行かなければいけないわ

吟羽 舞夢

天秤?

アリス・シア

実際に行ってみましょうか

アリス・シア

そういえば、自己紹介をしていなかったわね

アリス・シア

私はアリス・シア

アリス・シア

アイカラン島の長よ

アリス・シア

見たところあなたは私の島の人じゃないみたいだけど…?

吟羽 舞夢

私は吟羽舞夢

吟羽 舞夢

目の前に影が現れて魔法を使われたら、ここにいた

アリス・シア

魔法…移動系の魔法かしら?

アリス・シア

あなたの出身の島は?

吟羽 舞夢

島?

アリス・シア

この世界に島はとぅるーむ島、雷火島、アイカラン島しかないはずなのだけど…

アリス・シア

覚えてないの?記憶喪失?

吟羽 舞夢

記憶は失ってない

吟羽 舞夢

ただ、島については分からない

この場所に来る前、島なんてあっただろうか

アリス・シア

…いや、そういえば昔書物で読んだことあるわね

アリス・シア

この世界には、“異世界”なるものがあるって

吟羽 舞夢

…!

アリス・シア

どうやらあなたはこの世界の外から来たみたいね

吟羽 舞夢

そう…かもね

思い出した

星川悠斗

彼は私の世界では医者なんてしてない

感じていた違和感はこれのようだ

吟羽 舞夢

ところで、天秤って何?

アリス・シア

世界の象徴よ

吟羽 舞夢

世界の…

アリス・シア

ちょうど着いたわ

目の前には、人の背丈程の天秤の像が置いてあった。

アリス・シア

これはレプリカだけどね

吟羽 舞夢

え?

アリス・シア

この天秤は各島を結ぶ転送装置なの

アリス・シア

これで雷火島に行くのよ

アリスはそう言って天秤に手を触れた

アリス・シア

…あら?

吟羽 舞夢

どうしたの?

アリス・シア

おかしいわ、転送装置が反応しない

アリス・シア

これは元の天秤に何かあるわね

アリス・シア

ごめんなさい、舞夢ちゃん

アリス・シア

元の天秤が置いてある、海の中心まで行くわよ

吟羽 舞夢

そして長距離を歩き、海の真ん中へ

吟羽 舞夢

つ、疲れた…

アリス・シア

ごめんなさい、沢山歩かせてしまって

アリス・シア

どうやら、天秤がクリスタルのようなもので閉じ込められていて使えないみたいね…

私達の何倍以上もの大きさをした天秤は、同じく巨大なクリスタルに飲み込まれていた

吟羽 舞夢

これ、すごく真っ黒…

そのクリスタルはとても黒い色をしていた。

とても、綺麗なものではなかった

グオォォォォォ

その時、一体の影が襲いかかってきた

アリス・シア

くっ!

その影はアリスの姿をしていた

吟羽 舞夢

【シャイラ】!

先程同様の呪文を唱えたが、影に弱る気配は無い

グオォォォォォ!!!

アリス・シア

きゃっ!

アリスは影に吹っ飛ばされた

吟羽 舞夢

アリス!

攻防を続けてしばらく経ち、ようやく影を倒すことが出来た。

アリス・シア

はぁ…はぁ…危なかったわね

吟羽 舞夢

ほんと…

倒された影は、青色の宝石を落とした

アリス・シア

それ、何?

吟羽 舞夢

わからない、最初の影と、今の影、両方落としたの

私はアリスに2つの宝石を見せる

アリス・シア

なんであんな奴からこんな綺麗なものを落とすのかしら

吟羽 舞夢

さあ…

そして天秤を眺めているとあることに気がつく

吟羽 舞夢

あれ?ここ、なんかくぼみがない?

クリスタルには3つ、小さなくぼみが付いていた

アリス・シア

あら、ほんとね

アリス・シア

なんだかこれ、この宝石がハマりそうじゃないかしら

吟羽 舞夢

うん…

試しに宝石を嵌めてみると、ピッタリと入り込む

吟羽 舞夢

!!

アリス・シア

あら、2つとも綺麗にハマったのね

吟羽 舞夢

あと1個…

アリス・シア

影はあと1ついるのかしら

吟羽 舞夢

そう…かも

そんな話をしていると、空から1人の男性が降りてきた

星川 悠斗

あれ…アリスじゃねぇか

星川 悠斗

ご無事なようで

アリス・シア

ついさっきよく分からないものと対峙したところよ

星川 悠斗

それは失礼

星川 悠斗

さっきまで俺の島で影のようなものが暴れててな

星川 悠斗

突然どこかへ行ったから他の島の様子を見ようとしたら転送装置が使えなかったから天秤の様子を見に来たところだ

アリス・シア

私たちと同じ考えね

星川 悠斗

私“達”…?

男性は私の方を向いた

星川 悠斗

ありゃ、これは気付かなかった、失礼

星川 悠斗

アイカラン島の人かな?

吟羽 舞夢

いや…

アリス・シア

彼女は異世界から来た吟羽舞夢ちゃんよ

アリス・シア

私の島にも影がいて、殺されそうになっていたところを舞夢ちゃんに助けてもらったのよ

星川 悠斗

そうだったのか…異世界から…

星川 悠斗

聞きたいことはいくつかあるが今はそれどころじゃないな

星川 悠斗

俺はとぅるーむ島に行く

星川 悠斗

お前らは?

アリス・シア

私達も行くわ

アリス・シア

悠斗、連れて行ってちょうだい

星川 悠斗

おまっ…
1人ならなんとかなるが2人は無理だぞ…?

星川 悠斗

舞夢とか言ったか?
お前なんか魔法使えないのか?
いかにも魔法使いな格好してるけど

アリス・シア

あら、私が魔法使いに見えないとでも?

星川 悠斗

お前は氷属性しか使えないだろ

アリス・シア

つまらない男ね

吟羽 舞夢

一応浮遊魔法で飛ばせはするけど…

アリス・シア

え?!使えたの?!
もっと早く言ってちょうだい!!

吟羽 舞夢

飛べばいいの気付かなくて…

アリス・シア

わざわざ海凍らせて歩いてきたの馬鹿みたいじゃない…

星川 悠斗

まあ、行く手段もわかったところで行くか

アリス・シア

そうね

吟羽 舞夢

うん

私達は神社のようなところに来た。

吟羽 舞夢

ここは…?

星川 悠斗

ここはとぅるーむ島の長が住む月影神社だ

アリス・シア

でもあの子の姿が見えないわね

グオォォォォー!

突然、神社の裏の方から声が聞こえた

アリス・シア

全く、ここにも影がいるのかしら

星川 悠斗

3人いりゃ勝てるだろ
行くぞ

吟羽 舞夢

うん

行った先には青髪の少女と一体の影が居た

月影 未彩

 

グオアアアアア

少女は気絶しており、影はそんな少女に魔法のようなものを放ち続ける

星川 悠斗

未彩!!

アリス・シア

【アイス・フレイション】

吟羽 舞夢

【スパーク】!

アリスは影に凍結魔法を放ち、私は続けて誘電魔法を唱える

グアー!!!

これらの魔法は影には効かなかったらしく、逆上して襲いかかってくる

吟羽 舞夢

やばい!

アリス・シア

大丈夫よ舞夢ちゃん

アリス・シア

迎え撃ちましょう

そして少々てこずって影を倒した

シュウウウウウウウ……

アリス・シア

また宝石落ちるかしら

吟羽 舞夢

うん、落ちたよ

私は緑色の宝石を拾い上げる

星川 悠斗

それは?

アリス・シア

影が落とすらしいわ

アリス・シア

天秤を包むクリスタルにはめ込むみたいね

吟羽 舞夢

その人は無事?

星川 悠斗

未彩か、怪我は酷いが命に別状は無さそうだ

吟羽 舞夢

それは良かった

星川 悠斗

お前らが戦ってくれている間に治癒魔法はかけた

星川 悠斗

あとは時間が経てば目覚めるだろう

アリス・シア

じゃあその間に私達は天秤のところに行こうかしら

星川 悠斗

頼んだ、そしてその状況も後で教えてくれ

アリス・シア

もちろんよ

アリス・シア

行きましょう、舞夢ちゃん

吟羽 舞夢

うん

私たちは海の天秤まで戻ってきて、宝石をはめ込んだ

するとクリスタルは強く光出し、眩しさに目を瞑った

吟羽 舞夢

う…

アリス・シア

眩しいわね…

光が落ち着いて目を開けた頃、クリスタルは綺麗になくなっており、そこには巨大な天秤が建っていた。

吟羽 舞夢

クリスタルが消えた…

アリス・シア

…元通りだわ

アリス・シア

転送装置が使えるのか試したいわ

アリス・シア

舞夢ちゃん、私に掴まって

吟羽 舞夢

わかった

私がアリスの腕を軽く掴むと…

アリス・シア

違うわ舞夢ちゃん、もっと体にしがみつくのよ

吟羽 舞夢

え、え?

アリス・シア

ほら、早く

そう言うとアリスは私を抱き寄せた

吟羽 舞夢

ひゃっ

ほんのり冷たかった

と同時に辺りが優しい光に包まれ、次に目を開いた時は違う場所にいた

吟羽 舞夢

ここは……

アリス・シア

さっきの神社の裏よ

アリス・シア

表に行きましょう

星川 悠斗

お、帰ってきたか

星川 悠斗

そっからでてきたってことは、天秤は元通りのようだな

月影 未彩

良かったー!

神社の境内の方に戻ると、青髪の少女は目を覚ましていた

月影 未彩

お!あなたが私達を助けてくれた舞夢ちゃん?

吟羽 舞夢

いや、私は何も…

星川 悠斗

お前がいなかったらアリスも死んで、俺もアイカラン島まで確認に行ってて、未彩も間に合わずだっただろう

星川 悠斗

確実にお前はこの世界の救済者だ

吟羽 舞夢

そんな…

アリス・シア

行方不明者については分からないけれど……

アリス・シア

きっとあの影が関係していたのでしょう

アリス・シア

あのクリスタルが影の原因なのは間違いないでしょうから、きっとこれ以上問題は起こらないはずよ

アリス・シア

地道に行方不明者を探すわ

星川 悠斗

俺らの島では残っていて戦闘に不向きな住民はシェルターに隠れてもらっていた

星川 悠斗

亡くなってしまった住民も多いが、残った人で何とかやる

月影 未彩

私の島はー…

月影 未彩

やっべわかんねぇ

星川 悠斗

それでも長かお前は

などといったことがあったのだ

アリス・シア

そういえば、私の城の従者が戻ってきたのよ

星川 悠斗

お、良かったじゃねぇか

アリス・シア

どうやら影の存在にいち早く気付いていたみたいで島の住民を避難させていたらしいわ

アリス・シア

手遅れの子もいたみたいだけれど…それでも助かった子がいたのは喜ばしいことよね

星川 悠斗

俺の島もシェルターにいた住民に解決を伝えてそれぞれの生活に戻ってもらった

月影 未彩

私の島もみんな参拝来てたよー

星川 悠斗

お前ほんとに長か?

アリス・シア

まあ、次はこんなことにならないように対策を練るしかないわね

月影 未彩

まだ影に襲われて壊れたところも多いから直しても行かないとだね

星川 悠斗

ところで舞夢は元の世界には戻らないのか?

吟羽 舞夢

それが…

アリス・シア

舞夢ちゃんは何者かにここに送り込まれたのよ

吟羽 舞夢

うん、だから私、元の世界が分からなくて…

星川 悠斗

そうだったのか、それは失礼

月影 未彩

この世界で住めばー?

アリス・シア

それがいいわ

アリス・シア

私の城も空き部屋が多いの

アリス・シア

舞夢ちゃんなら大歓迎よ

吟羽 舞夢

うーん、じゃあお世話になろうかな

星川 悠斗

まあ、故郷探しは機会があればでいいかもな

そんな雑談をしていた時

ドサッッ

後ろの方から鈍い物音がした

星川 悠斗

おい!お前大丈夫か?!

悠斗が素早くその音のところへ向かう

恐る恐る振り返ると、そこには人がいた

優來 はる

助…けて……
俺らの…世界を──

男性は、それだけ言うと意識を手放した

星川 悠斗

おい!!

星川 悠斗

っ……
俺の島に連れて行け、すぐに診るぞ

異世界旅路〜失われゆく世界を旅する少女〜

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コメント

7

ユーザー

これめちゃくちゃ面白い!

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