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牧瀬優子
ゆかり、行こう
牧瀬優子
今日も浩君と高梨君が待ってるよ
一条ゆかり
う、うん
一条ゆかり
そうだね…
牧瀬優子
どうしたの？
牧瀬優子
元気ないね
一条ゆかり
そんなことありませんの
一条ゆかり
私はいつもと変わりませんの
牧瀬優子
(高梨君が浅井美樹と楽しそうに話してたのを気にしいてるのかなぁ？)
牧瀬優子
(ゆかりは高梨君の気持ちがわからなくて悩んでいるんじゃ…)
牧瀬優子
ゆかり、悲しいそうな顔してないで笑いなよ
牧瀬優子
そんな顔してたら高梨君も心配するよ
一条ゆかり
関係ないですの…
一条ゆかり
高梨君にはきっと好きな人がいますの…
牧瀬優子
浅井美樹のことを気にしてるの？
牧瀬優子
あの子が高梨君の彼女かなんてわからないじゃん
一条ゆかり
高梨君は楽しそうに笑ってましたの
一条ゆかり
私も知らないような笑顔で、笑ってましたの…
牧瀬優子
そんなに気になるなら直接、高梨君に聞いてみようよ
牧瀬優子
案外、なんでもなかったりするかも
一条ゆかり
いいですの
一条ゆかり
私は聞きたくありませんの…
一条ゆかり
(もしも高梨君に好きな人がいたらどうしよう…)
一条ゆかり
(そしたら、私が高梨君のお弁当を作るのはおかしいよね…)
一条ゆかり
(そのときはお弁当を作るのをやめなくちゃ…)
一条ゆかり
(高梨君と一緒にいるのをやめなくちゃ…)
ゆかりは悩み事を抱えながら
大切なお弁当を持って、優子と一緒に中庭へと歩いていった
牧瀬優子
浩君、今日のお弁当だよ
牧瀬優子
一生懸命、作ったの
鈴木浩
優子ちゃん、ありがとう
鈴木浩
オレ、優子ちゃんのお弁当が楽しみなんだ
高梨涼太
いいな、浩
高梨涼太
ちゃんと牧瀬と付き合えるようになって…
鈴木浩
オレ、お弁当を作ってくれるような子が好きだから
鈴木浩
優子ちゃんはオレの理想にピッタリなんだ
牧瀬優子
う、うれしい…
牧瀬優子
また頑張って作ってくるね
高梨涼太
目がうるうるしているぞ
高梨涼太
泣くなよ、牧瀬
牧瀬優子
からかわないでよ
牧瀬優子
私は泣いたりしないんだから
ゆかりたち三人が笑いながら楽しそうに話しているとき
ゆかりだけが元気なくうつむいていた
牧瀬優子
ゆかりもお弁当を持ってきてるんでしょ？
牧瀬優子
高梨君に渡しなよ
一条ゆかり
う、うん…
一条ゆかり
そうでしたの…
一条ゆかり
一生懸命、作りましたの
高梨涼太
今日の一条は元気ないな
高梨涼太
どうかしたのか？
一条ゆかり
なんでもありませんの…
一条ゆかり
私はいつもと変わりませんの…
牧瀬優子
高梨君、あのね
牧瀬優子
ゆかりはね…
優子がゆかりの気持ちを伝えようとしたとき
ゆかりは慌て優子の話を止めに入った
一条ゆかり
なんでもないですの
一条ゆかり
私はいつもと変わりませんの！
牧瀬優子
いいの、ゆかり
牧瀬優子
ちゃんと聞いておかなくて…
一条ゆかり
大丈夫ですの
一条ゆかり
私はいつも通り変わりませんの
ゆかりは高梨君の気持ちを気にしながら
高梨君の本当の気持ちを聞けなかった
ゆかりは知りたかった真実からそっと目をそらしていた
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